まいどどうも、みなさん、こんにちは。
わたくし世界が誇るハイスペックウサギであり、かのメソポ田宮商事の日本支社長、ウサギ社長であります。毎週一回、つまり七日に一度、というハイペースでみなさまにウサギならではの視点と聴力を活かして、できるだけ新鮮で斬新で意識高い系のビジネスパーソンからは「勉強になります、弟子にしてください」とか言われたり、商店街で魚の切り身を物色中の奥様に「あらまぁ、知らなかったわ、じゃあ大根も一緒にお願い」とか言われたりするような耳よりな情報を目指してお届けしております。
今週も世界で日本で色んなニュースが駆け巡りました。日本では年収103万円の壁の話がかなり熱めのトピックだったかと思います。結局、いくらに落ち着くのか、というのが今後も注目されます。わたくし的には都道府県ごとに最低賃金が違うわけですので、この金額の設定も都道府県単位でやっても良いような気もしております。山手線が1日あたり10本ほど増える、という山手線増発のニュースを「山手線爆発」と空見した人が続出し、山手線爆発が一時トレンド入りする、なんてこともありました。また、AIが生成したニュース原稿に誤りがあったなんていうニュースもあり、フェイクニュースは人間だけの得意技ではなくなってきている、という時代の進化をひしひしと感じてしまった瞬間もありました。また、mixi2という新しい短文テキストSNSもミクシーという懐かしい語感も相まってかなり話題になっておりました。わたくしも恥ずかしながらミクシーに日々の日記をしたため、気になる人が自分の日記を読んでくれているかどうかが気になり何度もあしあとをチェックをしていた時代があったので、人のコトはとやかく言えません(笑)。圧倒的な知名度と絶妙なタイミングでのサービスインということで今後の普及と発展にも注目していきたいと思います。
さてさて、今週はある意味、日々目まぐるしく変化を続けるこの星でお金を稼ぎ続けるということがいかに難しいか、ということを思い知らされる厳しい内容となるかも知れません。かつては新卒で就職した会社で行われる職業訓練あるいは研修を一定期間以上受け、そこで身につけたスキルを磨き、定年までなんとか真面目に頑張ればよい、と考えられており、正社員であれば住宅ローンが組みやすいため35年ローンなどでめでたく郊外に新築庭付きのマイホームが買えた時代だったと聞いておりますが、そんな時代は過ぎ去り、VUCA時代となった昨今では、同じスキルがずっと通用する、ということは稀であり、次々に登場するデジタルデバイスやアプリ、年代や趣味嗜好によって棲み分けされる各種SNSなどのサービス、YouTuberやインフルエンサーなどちょっと前までは見たことも聞いたことも食べたこともないような名称の職業が溢れんばかりであり、つまりこれは今あるスキルに加えてどんどん新しいスキルを身につけていかなくてはいつか正月を迎えられなくなるかも知れない、という危機感が煽られる状態であります。そして、この危機感を打破してくれるであろう希望の光に行政のお偉い方々は「リスキリング」という輝かしい名称をお付けになられました。今回はこのリスキリングを巡る攻防戦、そして現状についてちょっとお話ししてみようかと考えております。
今更ながら、リスキリングとは、というところからですが、経済産業省による定義では、「新しい職業に就くため、あるいは今の職業で必要なスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」となっています。こういう単語が爆誕する、ということはつまり国レベルでこれが必要とされている動かぬ証拠なわけでありますが、たとえば、スマホがスイスイスラスラとまではいかなくても「なんとなく使いこなせる人たち」とスマホが使えない・頑張って試してみけどダメだった・スマホなんか使いたくない・意地でも使わない・絶対に使ってやるものか・いいや、わしは絶対使わん、ということを思わず口走ってしまう「スマホが使えない人たち」との間には絶対的な隔たりがお生まれになっていることはみなさまもうすうす勘づいておられるかとは思います。つまり、これは日常生活においてのリスキリングがうまくいっていないことを示しているわけです。最近は飲食店などでもスマホからしか注文できないお店も増えており、なんならお支払いまでそこで完結してしまう場合もあります。注文や支払いが自動化できる、というのは人手不足で悩む店舗側にとって非常にありがたい、メリットしかないようなシステムなので今後間違いなく増えていくことになります。しかし、スマホが使えない層の人たち、というのはこのような店舗で注文をすることができない、ということになり、日常生活でサービスを受けることすらままならなくなりつつあるわけです。冷静沈着なことを言ってしまうと、これまでの人類の歴史上に登場したどんなデバイスよりも直感的な操作が可能であり、なんなら今時の二歳児でも使いこなせてしまうスマホが使えない70歳児がいる、というのはなかなかの矛盾であり、これは多くの場合感情的なハードルでしかないような気もするわけですが、これがリスキリング、というか新しいスキルを日々身につけることを習慣的にやってこなかった世代にしてみると割と当たり前のことだったりするわけです。
そういうことを考えると、「リスキリング」という輝かしい名称のもとではなくても若いうちから新しいなにかを学び続ける、というのは非常に重要であり、これまでのこの会社のこの部署でしか役に立たない知識やノウハウではなく、もっと汎用性の高い、どこの会社でも使える知識やスキルを身につけることが非常に重要だと言われているわけです。わたくしのようなカリスマティック経営者にとってもこれは非常に切実な問題であるわけで、常日頃から社員のみなさんにはどこの会社に転職してもそこで役に立つ人材になってもらいたい、と考えております。
では、実際にリスキリングがどのくらい行われているのか、という帝国データバンクが行った調査の結果が先日発表されたのですが、リスキリングに取り組んでいる企業はわずか8.9%にとどまる、という衝撃的な数字がそこには刻まれておりました。17.2%は「取り組みたいと思う」と回答しており、リスキリングに対する意欲がそこからは読み取れるのですが、それを合計しても26.5%。なんと46.1%が「取り組んでいない」と回答したわけであります。そして、岸田前首相がリスキリング支援に対して5年間で1兆円を投じることを表明し、助成金などの支援が行われているにも関わらず9.5%は言葉が理解できない、10.1%が言葉も知らない、と回答しており、つまり19.6%はリスキリングという単語さえ知らない、という衝撃的な事実が浮き彫りになったわけです。
「リスキリング」という行政による輝かしい名称が付いているとなんだか難しいことのように感じるかも知れませんが、何かを新しいことを学ぶ、というのはほんの少し前と比較してもかなりハードルは下がっているかと思います。リスキリングに挑めない理由は下記のグラフのように多々あるかも知れませんが、たとえば、20年前であれば、何かを学習するためには本屋に足を運び、書籍を購入し、うちに帰ってそれを開いては頑張って読み解く、という一連の流れが必要であり、お金も時間も労力もかかる非常に難易度の高いことでした。最近では大抵のことはYouTubeなどで調べることが可能であり、わざわざ書籍を購入しなくても、かつての書籍に載っていた数百倍の情報量が多くの場合無料で手に入れられるわけであり、しかも場合によっては動画の投稿者に直接質問したりすることもできる時代です。特に、料理の作り方や楽器の演奏方法などは本で見るよりも動画で見た方が圧倒的に効率も上がります。
ちょっと話が逸れるかも知れませんが、この「YouTube時間」というのはかなり人生において重要になってきており、ある意味、誰しもが無料で視聴することができる、もしかしたら人類最後の平等な権利かも知れないYouTubeで何を見ているか、というのはその人の趣味嗜好や関心、学習欲などを反映しているので、もはやその視聴履歴こそがほぼその人なのではないか、と思ったりもしておりますので、我が社でも履歴書を送ってもらうよりもYouTubeの視聴履歴を共有してもらう方が採用に役立つかも知れない、というのは半分冗談ですが、今後の世の中はこの風潮がより加速することが予測されており、独学で新しいスキルや知識を身につけることができるかどうか、というのはあらゆる分断が起きている今の世の中でもかなり大きな分かれ目となる部分ではないかと考えております。「リスキリング」というと大げさに聞こえるので、恐れ多い感じになってはしまいますが、このような行政が付けた輝かしい重厚感のある言葉に踊らされることなく、会社頼みにすることなく、個人個人が常日頃から自分の知的好奇心を少しずつ満たしていくような習慣をつけることが大切なのではないかとわたくしはウサギながら感じておるところであり、その思いを伝えるべく今回はリスキリングについて語ってみました。
それでは、また来週お会いしましょう。ちなみに、ちょびっとラビットのまとめ読みはこちらからどうぞ!アデュー、エブリワン。
(ウサギ社長)
・リスキリングに取り組んでいる企業は8.9%にとどまる 時間や人材などリソース不足と、モチベーションの維持が課題に | PR TIMES ・リスキリングに関する企業の意識調査(2024年)|帝国データバンク ・リスキリング積極的な企業26% 帝国データバンク全国調査 | 読売新聞 ・リスキリングとは?DX時代に求められる理由や導入のポイント、事例を解説!| JMAM
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