ちょびっとラビット耳よりラピッドニュース #039:落としものが見つかる国、日本。AI活用で返却率爆上がりの「落とし物クラウドfind」が尊い! | データで越境者に寄り添うメディア データのじかん
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ちょびっとラビット耳よりラピッドニュース #039:落としものが見つかる国、日本。AI活用で返却率爆上がりの「落とし物クラウドfind」が尊い!

         

まいどどうも、みなさん、こんにちは。

わたくし世界が誇るハイスペックウサギであり、かのメソポ田宮商事の日本支社長、ウサギ社長であります。桜の花びらが日本列島をカラフルに彩っている今日この頃ですが、みなさま、いかがおすごしでしょうか?備蓄米の放出も虚しく、米はどこへって感じで吉野家も値上げを発表しましたし、トランプ関税で世界中がてんやわんやしているわけなので、まぁ、いずれも米に関する問題ってことで、どこまで行っても結局人間の問題のほとんどは米騒動なのかも知れません。

まぁ、なんと申しましょうか、世の中、捨てる神あれば拾う神あり、とはよく言ったもので、捨てる神があるっていうことは当然捨てる人もいるわけで、意図的に捨ててしまえばポイ捨てであり、それは決して奨励される行為ではないわけですが、意図せぬところで忘れてしまったり、うっかり落としてしまったり、まぁ、どうしてなくなるのかがわからないから回収も難しいのが紛失物というものなのですが、日本には実に様々な落とし物があるそうです。警察庁によると、2024年に警察に届けられた「落とし物」の数は2978万7068点。ちなみに、この数字は過去最高なのだとか。これは、それだけたくさんの人が日々落とし物をしているということでもあり、それだけたくさんの人が日本では見つけたものを警察に届けているってことでもあるので、日本の治安の良さを物語る数字でもある一方で、見つけられて届けられたものはなんとか落とし主に返却したい、と考えるのもまた人情であります。

しかし!落としたり忘れたりすることは一瞬でいつでもどこでも誰とでもできる行為ですが、その落とし物を落とし主に戻す作業は極めて難易度の高い行為です。落とし物として届けられるもので多いのは証明書類だそうで、これは運転免許証、マイナンバーカード、パスポート、住民基本台帳カード、あとはたとえば宅地建物取引士証などの資格証明書など身分や住所などを証明するために使用されるものです。これには住所氏名、なんなら顔写真まで載っているので、他人が使用するわけにもいかず、かつ本人にとっては重要な書類であることが明白であり、悪用されるとえらいこっちゃな分類のものなので、それは見つけたら警察に届けるし、失くした人もなんとか見つからないかという蜘蛛の糸を手繰り寄せるような気持ちで警察に報告するであろうとなんとなく想像はつきます。下記のグラフによると、証明書類は実際に71.7%の割合で遺失者に返還されているそうです。こちらは東京都のデータなので、全国の数値ではないですが、まぁ、割合等々の部分ではそこまでの差はないのではないかと想像します。こうして見ると財布(67.8%)も携帯(83.7%)もかなりの割合で持ち主の手元に戻っていることがわかるわけですが、わたくしが生まれ育ったニューヨークをはじめ、世界の主要都市ではまずあり得ない数値ではないかと。この民度の高さというか、治安の良さをもっと日本の人は誇りに思うべきだと思ったりもしますが、まぁ、そこらへんの話はまたの機会に。

出典:遺失物取扱状況(令和6年中) | 警視庁

で、他にどんな落とし物が多いかというと、使われる頻度の高さ、というか日本国民であれば多かれ少なかれ少しは所有しているとされる現金です。日本全国の総額なんと228億円以上。届けられただけでこの金額なので、落ちている現金はおそらくもっともっと多いことでしょう。東京都内だけでも40億だそうです。この落とし物には、犬や猫などの動物も含まれており合計なんと2万5535匹。犬が1万2722匹、猫が4382匹。動物の総数から犬猫を引いてみると8431匹は犬猫以外だったことがわかるのですが、推測するに幾ばくかのウサギもここに紛れ込んでいるのではないかと想像するとわたくしはいてもたってもいられない心境になります。そもそも動物が落とし物って一体何がどうしてって感じではありますが、広末涼子さんを含め、世の中きっといろんな事情やツッコミどころがあるのでしょう。

そして、近年増えているのは、時々駅などで片方だけプラットフォームに鎮座しているものを見かけるワイヤレスイアホン、そしてモバイルバッテリーなどだそうです。ワイヤレスイアホンはなくしやすいので、なくならないように両耳のイアホンを線などで繋ぐと便利だと思うのですが、まだそういうイアホンは発明されていないかも知れないので、実はこういうところにビッグビジネスのチャンスが潜んでいるかも知れません。あと、テレビのリモコンも非常に失くしやすいものであり、1日に2回くらいは失くなるので、もういっそテレビ本体に取り付けると良いのではないかと最近のわたくしは考えております。

と、前書きが長くなってしまいましたが、今回の記事はここからが本題です。京王電鉄(東京都多摩市)でこの落とし物の返却率が最近爆上がりしているというニュースを目にしました。なんと返却率は以前の3倍となっているとのことで、どうしたことかと思い調べてみたのですが、なんと、AIを活用することで落とし物の問い合わせ対応、確認などを自動化した、とのことでした。これに使われているのは落とし物にまつわる課題を解決するデータプラットフォーム「落とし物クラウドfind」というサービス。クラウドファンディングならぬ、クラウドファインディングとは!ちなみに、クラウドファンディングはcrowd fundingですが、クラウドファインディングはcloud findingなので、英語では発音がそんなに似てるわけではないので親父ギャグにすらならないレベルなんです。

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落とし主は何をどこらへんで落としたのかを連絡する必要があるわけですが、これがまた電話をかけて電話越しにアイテムの説明をして、伝わったのかそうでないのかがちとよくわからないままに物語は進んでいくのが従来のやり方が主流でした。しかし、落とし物クラウドfindではLINEによるやり取りが可能となり、管理側も落とし物の一元管理が可能となる上に、問い合わせでかかってくる電話の本数も削減できるため、落とし物に対応する時間も大幅に削減でき、しかも落とし物の返却率は平均しても3倍以上になる、といいことづくしのサービスなんだそうです。いやはや、素晴らしいですね。何が良いって、落とし物を返却するというサービスはサービス提供側にとってはメインの事業とは関係のない部分であり、かといってないがしろにはできないサービスであり、感謝はされど事業の成長にはつながらないわけなので、これに割かれる時間や手間はもっと他のことに回したいと思っているはずなんですよね。だからこそ、AIを使ってこの手の作業を自動化し、効率化し、サービス提供側にとっても落とし物をした人、あるいは届けた人にとってもベターなソリューションを提供しているサービスなので、ウィンウィンウィンという全方向よしな素敵極まりないAI活用方法であると言えるかと思います。すばらしいですね。詳しくは下記の動画をちらっと再生してみてください。

ニュースになっていたのは京王電鉄だったのですが、人が行くところに落とし物あり、ということで、今では羽田空港でも導入されていたり、JR九州、ゆりかもめ、各種商業施設やテーマパーク、タクシー会社など、1200施設以上で活用されているそうです。ここで届けられた落とし物を破棄するのではなく、メルカリなどで販売し再利用をする、という実証実験なんかも始まっていたりして、まさに社会課題をテクノロジーで解決する、というデータのじかんが愛してやまない類のうってつけの事例だと思い、今回は取り上げさせてもらいました。ビジョンとして掲げられた「落とし物が必ず見つかる世界」っていうのも幸福度が高くてしびれるレベルだと純粋に感じました。そういうわたくしもかつて網棚に置いておいたギターを電車に忘れて帰宅して次の朝までそれに気が付かなかった、という大失態をしたことがあります。後日、無事に見つかった時には涙がちょちょぎれるほど嬉しかった記憶があります。

そんなわけでそれでは、また来週お会いしましょう。ちょびっとラビットのまとめ読みはこちらからどうぞ!それでは、アデュー、エブリワン!

(ウサギ社長)

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参照元

・去年1年間の「落とし物」過去最多 犬は1万匹超 現金228億円超 | NHK ・AIを活用した落とし物管理システム「落とし物クラウドfind」の利用施設数が1200を突破!|PRTimes ・AIを活用したお忘れ物検索サービス 落とし物クラウドfind | デジタル田園都市国家構想 ・【解説】“落とし物”が増加 現金は都内で「過去最多」約40億円 SNSへの写真アップに注意 | 日テレNews ・findについて | find ・メルカリ、「落とし物クラウドfind」と連携し、破棄されていた落とし物をリユースする実証実験を開始 | mercari

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