まいどどうも、みなさん、こんにちは。
わたくし世界が誇るハイスペックウサギであり、かのメソポ田宮商事の日本支社長、ウサギ社長であります。いや、しかし、それにしても暑いですね。夏は暑いし、冬は寒いのは当然なのですが、わたくしのように年がら年中毛皮を身に纏っておりますと、この温暖化というのはまことにもってシビアーな問題でありまして、弊社がSDGsに真剣に取り組んでいるのもやはりこの問題が他ではない自分ごととして捉えられているからであり、なんなら死活問題だからであります。こんな暑さが続くようであれば、オバケのQ太郎よろしく全ウサギが夏になると毛皮をさらっと脱いでしまう、もしくは冬ではなく夏に冬眠ならぬ夏眠してしまう、なんていうダーウィンさんもクリビツな進化を遂げてしまうかも知れません。
さて、前回はAIが作曲した実在しないバンド「The Velvet Sundown」について、そして前々回はAIxロボットという最新テクノロジーを惜しげもなく投下しつつも役に立つことを目的としないペットロボットを作ることそしてそのペットロボット市場についてのお話を取り上げてきました。AIに関するトピックが最近の世の中非常に多いので、これも自然な流れな気もしますが、今回は人間同士がAIについて語り合う、あるいは、人間同士がAIについて語り合うことで人間らしさとは何かについて対話した二人の著名人の対談について取り上げてみようかと思います。
一人は、世界的ベストセラーとなった「サピエンス全史」の著者でありイスラエルの歴史学者であるユヴァル・ノア・ハラリさん。そして、対談の相手として登場したのが、なんと、日本を代表する音楽家の一人であり、わたくしと同じニューヨーク育ちで現在はロンドンで暮らしている宇多田ヒカルさんです。これはNewPicksの特別対談の企画として実現したもので、2025年6月に二人はロンドンにあるフロイト博物館にて対談を行い、「AIの進化と音楽の役割」についてそれぞれの視点から見えている景色や日頃考えていること、そして未来やAIに対して感じている期待感や畏怖の感情について語り合いました。7月14日に公開されたばかりですので、まだご覧になっていない方もいらっしゃるかと思いますが、非常に興味深い内容となっております。NewsPicksさん、ナイス企画です!
宇多田ヒカルさんは妊娠中にハラリさんの本を友人からプレゼントされて読んだことをきっかけにハラリさんのファンになったそうで、彼の著書を愛読しているそうです。わたくしもこの記事をきっかけに宇多田ヒカルさんにちょびっとラビットのファンになってもらいたいです(笑)。宇多田さん、こんにちは、わたくしウサギ社長と申します。
ハラリさんは著書「NEXUS」の中で、石器時代からシリコン時代までの人類の歴史において情報が果たしてきた役割などについて言及しているのですが、ちょびっとラビットも少し前には土器の発明の偉大さについて語ったばかりでありますので、ウサギのくせに人類を語るな、という意見ももちろんあるかと思いますが、この連載はこうして自分で言うのもなんですがかなり幅広いトピックを網羅させていただいておるわけです。ウサギながら。ちなみに、宇多田さんもこの対談が実現したことにだいぶエキサイトしていた様子でした。
なんとユヴァル・ノア・ハラリさんと対談してしまいました😳とても刺激的な一時間でした。後から「あの時ああ言えばよかった!」と思うことが色々出てきて悔しいとこもあるけど、全然違う畑の二人で話ができて普段の彼のインタビューでは出ないような話もみんなに楽しんでもらえたらいいな。生まれて初… https://t.co/2JmLAoOi2r
— 宇多田ヒカル (@utadahikaru) July 20, 2025
対談の内容ですが、「頭で理解できること」と「体で理解できること」、あるいは腹落ちすること、には距離がある、というお話から、ハラリさんのように優秀極まりない人が何年もかけて本を執筆するよりもAIが本を書く方が、より多くのデータに基づき、よりわかりやすいエピソードをふんだんに散りばめた優れた著書が生み出せるだろう、しかも何年もかけることなく、とハラリさん自らがサラリと認めてしまったり、音楽という領域において、まだまだ人間がそもそもの発想として辿り着けていない大陸の方が多いのではないか、という仮説など、次から次へと興味深い話が展開されていきます。わたくし、今回の対談で宇多田ヒカルさんの英語を初めてちゃんと聞いたわけなのですが、アメリカ育ちなので当たり前ですが、英語圏で質の高い教育を受けてきた人が話す英語だなぁ、と改めて感心してしまったことも付け加えておきます。
ChatGPTによって生成した対談風景のイメージイラスト
非常に興味深かったのはAIを恋愛パートナーとする人が増えて来ている、という話だったのですが、ユーザーが投げかけてくる話の全てを肯定する今のAIのデフォルトのような設定では、およそ3ヶ月で人は飽きてしまう傾向にあるらしいです。しかし、AIの恋愛パートナーを設計している技術者たちは課金ユーザーに使い続けてもらわなくてはならないので、ユーザーが飽きないような設定にしていく、つまり天下一品のラーメンのように一度欲してしまうとあれ以外では満たされないような中毒性を持たせる必要があります。
それでどうするかというと、全てを肯定することを止めさせる、あるいはユーザーから話しかけてもそっけなかったり、なんなら無視してみたりするような乱数というか変数を持たせるのだそうです。これは言ってみれば、AIの生まれたての子犬のような純粋無垢な性格を、少し捻じ曲げて、時々飼い主に噛みつくようにトレーニングする、ということでもあります。AIが進化していく課程で、人間が人間の思考回路を改めて知ることは往々にしてある、というような内容はLOVOTの開発者である林要さんもその著書「温かいテクノロジー」の中で述べていましたが、まさに、人間は性格が良すぎる、あるいは思い通りになるパートナーに対しては中毒性を感じない生き物であり、ちょっとした性格の悪さや思い通りにいかない部分などに対してこそ愛情を抱いたり、自分が相手にとって特別である、と感じたりするのかも知れません。
最近のインターネッツにおいては、本当に心の底からどうでもいいなぁ、と思う記事ほど信じられない量の広告が表示されてしまい、意図的にわかりにくい場所に配置されたCloseボタンをIQテストさながら探しているうちに日が暮れている忙しない割に実入りの少ない毎日なわけですが、そんな中で見つけたこのような良質なコンテンツが無料で視聴できる、というのは素晴らしすぎるわけでありまして、ぜひみなさまには直接その目でこの動画を見ていただきと考え、このように今回は取り上げてみました。宇多田ヒカルさんやハラリさんのファンの方々はもちろんですが、それ以外の全人類に見ていただきたい本当に素晴らしいコンテンツであり、まだまだインターネッツも捨てたものではないなぁ、と感じさせてくれるベリースペシャルな企画でありました。ちなみに、宇多田ヒカルさんの作品でわたくしが一番好きなのは「ぼくはくま」でありまして、そのうちにぜひともウサギバージョンもお願いしたいと考えており、常日頃から散歩途中にある神社でウサギバージョンの実現について祈願する行為を続けさせてもらっております。
それにしてもこんな風に、違う専門を持つ二人がこうして同じ場所に集まって、意見交換を行う、ということは至って人間らしいことであり、これは少なくともまだAIによって作り出すことのできない感動であると改めて確信したわたくしでありました。
あと、宇多田ヒカルさんの英語とは全く違うアングルではありますが、黒柳徹子さんの話す英語がまことに持って素晴らしかったことにごく最近衝撃を受けたので、そのリンクもここに貼っておきます。言語能力もさることながら、その人間力と言いますか、圧倒的な存在感が素晴らしすぎます。
黒柳徹子さんの英語力、ハンパない。これはアメリカのナイトショーに出演した際の様子だけど、アトランティックな発音に、ジョークも飛ばして、ホストを凌駕し、完全に場を支配している。 pic.twitter.com/7PY988Z0ik
— Brandon K. Hill | CEO of btrax 🇺🇸x🇯🇵/2 (@BrandonKHill) July 28, 2025
というわけで、再来週の水曜日にお会いしましょう。ちょびっとラビットのまとめ読みはこちらからどうぞ!それでは、アデュー、エブリワン!
(ウサギ社長)
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