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テレワーク制度があっても7割の人は利用していない。その理由とは?

         

みなさん、テレワークしてますか?

「tele=離れた場所」と「work=働く」を組み合わせた造語「テレワーク」。インターネットやVPN(仮想プライベートネットワーク)といった情報通信技術を利用して、会社から離れた場所で仕事をすることです。リモートワークとも言われますね。

通勤地獄を回避できる、集中できる環境が必要な仕事に向いている、など様々なメリットが考えられ、海外の企業ではもはや常識になっているテレワーク。「パジャマで朝食を食べながら仕事をスタート」のようなイメージで、テレワークに憧れている人も多いのでは?

でも巷のテレワーク事情は、それほどバラ色でもないようで……。

テレワーカーの悩み


ベルリンではテレワークはごく当たり前で、IT系であればいつでも好きな日にテレワークができる企業が多いです。その他の分野でも、少なくとも週に1日はテレワークがOKな印象。

さて、航空機体製作会社のデザイン部門で働く知り合いは、毎週金曜日にテレワークを許可されています。しかしこれが彼の悩みの種。というのも、朝起きてから仕事に取り掛かるまでグズグズしてしまうから。仕事の開始を先送りしたくてうっかり掃除を始めてしまい、気がついたら正午…で何度慌てたことか。

郊外にある会社まで1時間かけて通勤しなくて済むのは嬉しい。でも人目がないとサボってしまう克己心のなさがネックになる、とため息をついていました。

日本では行政がテレワークを推奨。その浸透具合は?

ところ変わって日本では、行政がテレワークの促進を主導。目的のひとつは、2020年東京オリンピックの際の交通機関の混雑を防ぐことにあります。

今年2019年の夏には、総務省が企業にテレワーク導入を呼びかける「テレワーク・デイズ2019」(2019年7月22日〜9月6日)が開催され、テレワーク関連イベントが各地で行われました。

中でもユニークなのが、北鎌倉の建長寺で開催された「寺ワーク」。イベント名は寒いダジャレながら、由緒あるお寺にWiFiを設置して50名でテレワークするというのは、お役所のアイディアにしては革新的なのでは?

しかし行政のプッシュにも関わらず、テレワークはそれほど普及していないようです。2019年7月、1都3県に勤務する20~49歳の会社員のうち、電車通勤の400人を対象に「通勤」と「テレワーク」に関する調査を行ったところ、「テレワーク制度なし、導入の検討もされていない」企業は54%で、「テレワーク可能」(制度化されている、または慣習がある)企業の36.2%を大幅に上回りました。(パーソルプロセス&テクノロジー株式会社調べ)

そのうえ、テレワークの制度や慣習のある企業に勤務する人のうち、72.4%の人がまったくテレワークを利用しないと回答。「週に1日利用する」と回答した人は16.6.%で、9割近くの人が制度があってもほとんど利用していないという結果に。

これもやはり、「人目がないとサボってしまうから」なんでしょうか?

「周囲の理解」がキーワード

アンケート対象者に聞いた、テレワーク利用にあたっての会社へのリクエストは、次のようなポイント。

・利用しやすい雰囲気
・情報通信技術の整備
・上司の理解
・サテライトオフィスの提供

テレワークを利用したくても、同僚や上司の理解がなく利用しずらい。また、設備が整っていない環境で仕事をするのが不安、という状況が見て取れます。テレワーク自体があまり浸透していない日本では、自分との葛藤というよりも外的要因が利用のネックになっているようです。

テレワークのメリット

こうして見ると企業の腰は重いようですが、テレワークのメリットには軽視できないものがあります。総務省による「平成30年版 情報通信白書のポイント」によると、テレワークを導入している企業の82%が、「労働生産性の向上に効果があった」と回答しています。これには社員の通勤負担の軽減が大きく作用しているとみられます。
※労働生産性=(営業利益+人件費+減価償却費)÷従業者数

もちろん、業務内容によってはテレワークの導入が難しい場合もあるでしょう。また、通信環境整備に初期費用がかかることで尻込みしてしまう中小企業も多いかもしれません。しかし可能な範囲でテレワークを導入することで、社員のモチベーションが上がったり、新しいビジネスのアイディアが生まれたりするとしたら……試してみてる価値はあるのかもしれません。

参考リンク:テレワーク制度があっても利用は週「0日」が7割、 制度だけでなく実施しやすい雰囲気や
環境の整備が求められている(パーソルプロセス&テクノロジー株式会社)

佐藤ちひろ

 
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