Share!

株式会社ZOZOの代表取締役、前澤友作氏による「総額1億円のお年玉キャンペーン」は、新年早々、私たちを驚かせました。キャンペーンの応募方法は前澤氏のツイッターをフォローし該当ツイートをリツイートするという簡単なもの。そして、キャンペーン終了とともに当選者100人に100万円が送られました。

このキャンペーンによって、前澤社長のTwitter のフォロワーは、50万人から600万人まで増え、新たなSNSマーケティング手法としても注目されました。

このキャンペーンについて一連のニュースを前に筆者はふと「莫大な資産を築き上げる人は、一体どんな方法で仕事をしているんだろう?」と考えるようになりました。

そんな疑問に一つの答えを出してくれる映像作品があります。それが今回紹介する『ウルフ・オブ・ウォールストリート』です。

株仲介人から、全米屈指の資産家にまでのし上がったジョーダン・ベルフォートの半生を描いたこの作品は、多くのビジネスマンにとって必見の要素が詰まっています。今回はジョーダンはなぜそんなに稼げたのか、という仕組みと、映画の三つの魅力をご紹介します!

資産家の半生を描いた伝記コメディ映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は、2013年に公開された伝記映画です。ウォール街で、狼と称された元株式仲買人、ジョーダン・ベルフォートの自伝『ウォール街狂乱日記 – 「狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生』を基に、主演、レオナルド・ディカプリオ、監督、マーティン・スコセッシで実写化されました。コメディ要素の強い作品ですが、アカデミー賞において、監督賞、主演男優賞など含む6部門にノミネートされるなど専門家からも高い評価を受けています。

主人公ジョーダン・ベルフォートは、26歳にして年収49億ドルを達成した凄腕ブローカー(株式仲介人)。しかし、その莫大な収入を前にしてなお、週一億ドル稼ぐという目標に3週分足りなかった、そう嘆くような人物です。

そんな彼の人生は壮絶です。22歳で美容師と結婚し、株式仲介人の資格を取り、大手株式仲介会社でブローカーとして働き始めたその日に、世界的な株価大暴落「ブラックマンデー」が起こり、会社は倒産します。

1日にして失業した彼は、小さな株式仲介会社に転職。ペニー株と呼ばれるハイリスクハイリターンながらも、仲介手数料の高い株を顧客に売りつけることで多額の利益を産みだします。そして、26歳にして、ストラットン・オークモントという株式仲介会社を立ち上げるに至ります。

ブローカーはどうやって稼いでいるのか?

若くして億万長者になったジョーダンですが、ブローカーはなぜそんなに儲かるのでしょうか?調べてみました。

ブローカーは、その名の通り、金融や不動産などの世界で、売り手と買い手の間に立ち、取引を成立させる人々のことです。主な収入源は、仲介手数料、ということになっています。
作中で、ジョーダンが扱っていたペニー株は、売買価格の50%が仲介手数料として支払われていました。そのため、ジョーダンは小さな株式仲介会社から成り上がることができたというわけです。

しかし、現在は、アメリカにおけるブローカー業務に対する規制は強くなり、仲介手数料の価格は下がり、売値と買値の差分(スプレッド)分を上乗せすることで収益を出しています。

だからこそ、昨今のブローカーは手八丁口八丁だけでなく、きちんとデータを観察し、市場の動きを捉えていないと儲けられない、という仕組みになっています。

魅力1:莫大な資産を築き上げたジョーダンの哲学と方法論

映画の中で特に印象に残るのが、お金を稼ぐこと、使うことに対する彼の哲学と、その方法論です。

株式仲介人の仕事において、顧客の利益は一切考えず、自分の利益のみを考える、これが彼の第一ルールです。この考えは、大手株式仲介会社時代のジョーダンの上司だったマーク・ハンナの教えに基づきます。

「客に財布から金を出させ 自分の財布に入れる。株屋の第一のルール。」
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』

さらに、セールスにおいて、確固とした方法論を編み出していきます。それが、「需要を生み出し」、「夢を見させること」

この方法論の代名詞といえるシーンがあります。それが、ジョーダンが新たに会社を立ち上げるために優秀なセールスマンをレストランに集め、営業について語るシーンです。

「このペンを俺に売れ」、と迫るジョーダンに対し、一人のセールスマンがこう答えます。「ナプキンに名前を書いてくれ。」

そこでジョーダンは優秀なセールスマンに必要なのは需要を生み出し、供給の必要性に気づかせることだと語るのです。

さらに映画の中で彼は、顧客に株を買うことで欲しいものが手に入るという夢を見させることが重要だ、と説明します。

そして、社員たちに彼の哲学を叩き込み、一連の方法論を実践できる「セールスの台本」を作ることで、社員全員を凄腕のセールスマンに仕立てあげることに成功したのです。

魅力2:会社の成長ステージの変化やビジネスマンに必要な素養が描かれている

オンボロの倉庫の中、わずかな社員と共に事業をはじめたジョーダン。当初は、中間層以下の人々にペニー株を売っていました。ジョーダンによる「セールスの台本」によって会社は急成長し、オフィスの大きさも拡大。社員も増えてきました。

しかし、ジョーダンは、会社をさらに成長させるには上位1%以下の富裕層の株取引を仲介する必要があると判断します。そこで、会社名を変更し、新たにロゴも制作。ビジネスモデルもディズニーなどの手堅い銘柄の株取引で富裕層の信用を集め、最終的にペニー株を買わせる、というものに切り替えていきます。

その結果は大成功。その後も、彼の会社は、規模を拡大するごとに事業内容や顧客層を変えることで事業規模を拡大していきます。

この一連の流れを見る中で、シード期からミドル期まで、起業の成長ステージを追うことができます。さらに新規事業への挑戦の際にジョーダンが見せる決断力やリーダーシップは多くのビジネスマンにとって学び多きものになるでしょう。

魅力3:成功だけじゃない。ジョーダンの栄枯盛衰

会社が軌道に乗り、多額の資産を手にしたジョーダン。プライベートでも、妻と離婚し、美しいモデルと再婚。週末は派手にパーティをするなど、順風満帆な生活を送ります。

しかし、そんな彼の栄光も長くは続きません。強引なやり方で巨額を稼ぎ、私生活では薬や性行為に溺れていた彼は、FBIに目をつけられるようになりました。

けれど、FBIに追いかけられようが、妻に浮気がばれようが、彼は自分を曲げません。弁護士からの「会社を手放せば、FBIも諦めるだろう」というアドバイスも無視し、会社のトップに立ち続け、薬物依存からも抜け出せませんでした。

その結果、彼の悪事は白日のもとに晒され、彼は証券詐欺や資金洗浄などの罪状で逮捕されてしまいます。さらに、妻には離婚を持ちかけられ、多額の資産は、被害者の賠償に充てられることに。

ジョーダンは全てを失ってしまうのです。

映画の終盤、刑期を終えたジョーダンは、世界最高のビジネスアドバイザーとして、再び光のもとに現れます。

単なる成功譚で終わらない今作は、全ての人の人生で生かせる教訓に満ち溢れているのです。

まとめ

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を見て、他者(顧客)の不利益を考えず自分の利益だけを考え、様々な罪を犯したジョーダンを悪人だと見なす人は少なくないでしょう。正直、筆者も映画を通しジョーダンに好感を持てることはありませんでした。

しかし、周囲が思いもつかなかったような方法を確立し、実践、応用する姿を見ると、彼が巨万の富を得られたのは必然のように思われます。

また、映画や報道では罪の側面ばかりが注目されますが、ジョーダンは様々な慈善活動に献金したり、貧困に喘いでいた人々を社員として雇い、多くの人々を救った側面もあります。

彼の行動が正しいか否かは置いておいて、ジョーダンのように、周囲の賛否の声を気にすることなく一貫した哲学や方法論を持ちながら、新たな挑戦を行い続けることが、大きな成功を築く礎となるのだと感じました。

しかし、データや情報が社会の基盤となる今、ジョーダンのように手八丁口八丁だけでは生きていけません。ビジネスをする上で、きちんとデータを知り、ロジックを立てた上で、ジョーダンの哲学、方法論やリーダーシップを参考にしてみてください。

エンターテイメント作品としてもとても面白い作品ですので、ぜひ見てみてください!

参考引用サイト
・ ブローカーとは?収入源はスプレッドとスワップの調整値 - FX Works

(大藤ヨシヲ)

「社会」ランキング

人気のカテゴリ