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2018年9月12日、東京・渋谷で「Estonia-Japan Startup Meetup」というイベントが開催されました。今回、私も参加してきましたので、会場の様子をレポートします!

エストニアはヨーロッパにあるバルト三国の1つ。人口わずか134万人の小さな国です。日本の都道府県でいうと、愛媛県(約138万人)、長崎県(約137万人)、奈良県(約136万人)、青森県(約130万人)と同じくらい(2015年国勢調査の数値による)、と言い換えるとイメージしやすいかも知れません。県と比較できるくらいの規模ですが、歴とした一つの国家です。

エストニアは世界有数のIT立国と言われ、注目されています。実は同国は電子政府化(「e-Estonia」)を進めており、99%近くの行政サービスが電子化されているのです。「紙が必要なのは『結婚』『離婚』『土地売買』だ」とも言われています(参考記事)。SkypeやPlaytechTransferwiseTaxifyなどのユニコーン企業を聞いたことがあるかも知れませんが、実はこれらの企業は全てエストニア発です。

「エストニアで起業」が熱い!

エストニアで特に注目されているのは、外国人が”電子国民”になれるe-Residency(電子居住権)」です。e-Residencyは、エストニア政府が2014年に始めました。エストニアに住まずして同国政府が提供する電子サービスを受けることが可能。しかも現地の住民税は発生しません。

エストニアは、このe-Residencyを利用した起業支援を行っており、国民IDカードがあれば法人登記から銀行口座開設までオンラインで行えます。最低資本金は2500ユーロ(約32万円程度)ですが、後払いも可能。初期費用はe-Residency登録料の100ユーロ(約1万3000円)と登記時納付金190ユーロ(約2万5000円程度)のみだそう(参考記事)。このように、エストニアでの起業はハードルが低いのです(なお、長期滞在には別途ビザが必要)。

Estonia-Japan Startup Meetupはエストニア好きが集まるイベントだった!

さて、冒頭で触れた「Estonia-Japan Startup Meetup」。主なプログラムは以下の通りでした。


・Sten Tamkivi氏(元Skype・現Topia)によるプレゼン
・パネルディスカッション「外国人アントレプレナーがエストニアから得られるものとは」
・ネットワーキングパーティ


Storytek Hub社の創設者兼CEOであるSten-Kristian Saluveerがモデレーターを務めたパネルディスカッションでは、VIVITA社の大野愛弓氏が登壇し、同社が千葉県柏の葉で運営している「先生はいない、カリキュラムもない」クリエイティブスペースVIVISTOPエストニアに開設する、という事例についての紹介がありました。エストニアでのオープンに向けて、彼女自身もエストニアと日本を行ったり来たりしているそうです。大野氏は、エストニアのコミュニティー力の強さに感心したエピソードなどを紹介。仕事の場面でも、相手を負かそう、という姿勢ではなく、コラボレーションすることでお互いに良い結果をもたらそうという気持ちがとても強いことがエストニアの特徴だそうです。

登壇後に少し直接お話する機会がありましたが、エストニアと日本を数ヶ月スパンで行き来していると日本食が恋しくなるけれど、和食で使う調味料を全て揃えるほどは長期で滞在しないのでそこがもどかしい、という現実味のあるエピソードを聞かせてくれました。

エストニアと日本の時差は6時間なので、うまくセットアップすればお互いに無理なくミーティングも行える、など実際にエストニアに行ったことがない人にとっては実感が湧きづらい部分の話も聞けました。会場には、エストニアに興味を持つ人、エストニアが好きな人がたくさん集まっていました。なかには何度もエストニアに旅行に行っている人や、すでにエストニアに会社を作っている人も。インド出身で日本の大学に留学しつつ起業しているという人もおり、世界展開を視野に入れた野望を聞くことができました(とても日本語が上手!)。

参加者からは「エストニアは各家庭にサウナがある」とか「エストニアの町並みはドラクエっぽい」、「エストニア人はシャイな性格」といった、このイベントならではの話を聞くことができました。取材中、実際にエストニアに移住したい!という人に対して、エストニア滞在歴の長い人が「エストニアの給与はまだまだ低いので、エストニアに居を構えてベルリンやロンドンの仕事をリモートでやるのが良いよ」とアドバイスするという一幕も。参加者同士の情報交換の場として、このイベントはかなり実のあるものになったようです。

電子データの活用という視点でも、働き方という視点でもエストニアは注目の国。これからも引き続き追っていきたいと思います!

(安齋慎平)

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