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リカーリングとは?サブスクリプションとの違いやメリット・デメリットについて次世代のビジネスモデルを徹底解説!

本記事では、リカーリング・リカーリングビジネスについて解説しています。サブスクリプションとの違いやリカーリングのメリット・デメリット、リカーリングビジネスモデルの成功事例を知りたい方はぜひ参考にしてください。

         

「リカーリングとは?」
「リカーリングとサブスクリプションの違いって?」

上記のような疑問をお持ちの方がいるのではないでしょうか。

リカーリングとは、「繰り返される」「循環する」という意味で、単体の製品を売って終わりではなく、販売後も顧客から継続的に収益をあげるビジネスモデルのことを指します。

また、サブスクリプションとは、一定期間サービスや商品を利用するために決められた金額を月払いや年払いで支払うもので、リカーリングビジネスに含まれるビジネスモデルです。

本記事では、リカーリングとサブスクリプションのそれぞれの意味と違いや、実際のリカーリングビジネスの事例を用いて詳しく解説します。

リカーリング/リカーリングビジネスの意味とは

リカーリング/リカーリングビジネスの意味

リカーリング(Recurring)とは、「繰り返される」「循環する」という意味で、単体の製品を売って終わりではなく、販売後も顧客から継続的に収益をあげるビジネスモデルのこと。

例えばプリンタは、本体自体は安いですが、消耗品(インク)を適宜購入してもらうことで収益を継続的に得ることができます。

また、テレビゲーム業界では、プレイステーションネットワークやXbox Live、ニンテンドーアカウントなどが顧客の囲い込みを実施しています。これもリカーリングと言えるでしょう。

リカーリングとサブスクリプションの違い

リカーリングは古くから電話や電気などの料金体系にありました。しかし継続した支払いとはいえ料金は一定ではなく、その時の使用量によって異なります。

一方のサブスクリプションは、『Adobe Creative Cloud』や『Microsoft Office 365』のように、一定期間サービスや商品を利用するために決められた金額を月払いや年払いで支払います。リカーリングとサブスクリプションの違いは、使用料が定額かそうでないか、という部分にもあります。ガス代や電気代など、使用した分に応じて支払うというのはリカーリングに分類されます。

リカーリングビジネスの3つのメリット

リカーリングビジネスのメリット

リカーリングビジネスのメリットを3つ紹介します。

  • 収益の見通しが立てやすい
  • カスタマーサクセス戦略の実現がしやすい
  • ブランディング戦略の実現がしやすい

順に紹介します。

メリット①収益の見通しが立てやすい

リカーリングビジネスは、顧客から定期的に料金を受け取ることで安定した収入を得ることができるため、一度きりの販売に頼るビジネスよりも長期間にわたって収益が維持されやすいという利点があります。また、顧客数の増加や解約率を追跡することで、投資や資金調達、方針の変更などビジネスの重要な決定を迅速に行うことができるという利点もあります。

メリット②カスタマーサクセス戦略の実現がしやすい

リカーリングビジネスでは、顧客が継続して契約することが大切です。そのため企業は、顧客の意見や苦情をきちんと聞き取り、サービスを向上させることで顧客の満足を高める必要があります。このように顧客の反応を取り入れてサービスを改善するサイクルが上手く回ると、より多くの商品やサービスの提案が可能になります。これが企業の顧客対応戦略に役立ち、経営の土台をしっかりと築く助けになるでしょう。

メリット③ブランディング戦略の実現がしやすい

お客様が満足してブランドの熱心な支持者になることで、ビジネスは継続的に成長していくでしょう。お客様が自分からブランドの代弁者になり、SNSで積極的に情報を広めることが、持続可能なブランド作りに繋がります。お客様の満足度を高める取り組みやブランドの魅力を高めるノウハウは、定期的な収益を見込める他のビジネスを始める際にも、大きな助けになるでしょう。

リカーリングビジネスの3つのデメリット

リカーリングビジネスのデメリット

前章では、リカーリングビジネスのメリットを紹介しましたが、本章ではデメリットを3つ紹介します。

  • 経常収益より支出が上回る可能性がある
  • 初期投資が回収不能になる可能性がある
  • 新規参入による価格競争に陥る可能性がある

メリットと一緒に押さえておいてください。

デメリット①経常収益より支出が上回る可能性がある

継続的なビジネスからの収入が支出を下回り、結局利益が生まれないという状況が起こり得ます。これは、顧客にとって魅力的な価格を設定したものの、その価格が利益を生むための基準点に達していないからです。このような状況が生じる原因としては、デジタルサービスではかからない商品の定期的な梱包や配送の費用、製品の管理や保守に必要な人件費などが予想外に多くかかったことが考えられます。

デメリット②初期投資が回収不能になる可能性がある

継続的なビジネスモデルにおいては、新規顧客を獲得する際にかかる広告宣伝費やキャンペーンのコストが高くなることが多いです。その結果、顧客がすぐに離れてしまう率が上がり、顧客一人ひとりが長期にわたってもたらす利益(顧客生涯価値)の増加が停滞することがあります。これが原因で初期にかけた投資を取り戻せなくなり、サービスを持続することが難しくなることがあります。

デメリット③新規参入による価格競争に陥る可能性がある

継続的な収入を得るビジネスモデルが他社に真似されやすく、特徴があまりない場合、新しい会社が参入して価格で競争することになりかねません。これにより利益率が大幅に低下すれば、事業を続けるのが難しくなることもあり得ます。

リカーリングビジネスと相性の良い業界とは

リカーリングビジネスと相性の良い業界とは

リカーリングビジネスと相性の良い業界を紹介します。

  • クリエイティブやオフィスワークに特化したデジタルサービス
  • ロジTICSネットワークが利用できる業界
  • ファンがついている業界

それぞれ解説します。

①クリエイティブやオフィスワークに特化したデジタルサービス

Adobe Creative CloudやMicrosoft 365のように、クリエイティブな作業やオフィスでの業務に特化したデジタルサービスは、継続的な収益を生むビジネスモデルであり、長期的に安定していると言えます。これらのデジタルサービスは、物を運んだり配達したりするコストがかからないため、利益率が高いです。また、顧客の利用状況を追跡しやすいという利点もあります。

②ロジティクスネットワークが利用できる業界

定期宅配サービスを行う事業では、自社で運送網を持つ企業が強みを持ちます。さらに、生産者の顔や物語を伝えることで、デジタルだけのサービスにはない、人間味あふれる体験を顧客に提供することが可能です。

③ファンがついている業界

ゲーム、アニメ、フィギュアといった熱心な支持者を持つサービスは、定期的な収入を得るビジネスモデルに適していると言えるでしょう。また、コーヒーやチョコレート、ラーメンのように固定的な愛好者が存在する食品の分野も、定額で継続的に利用料を支払うシステムに向いていると思われます。

リカーリングビジネスの成功事例3選

リカーリングビジネスの事例

本章では、実際にリカーリングビジネスで成功した事例を3つ紹介します。

  • Apple
  • Amazon
  • ソニーグループ

上記の通り、大手グローバル企業の3社を紹介しますので、リカーリングビジネスへの理解を深めてください。

成功事例①Apple

リカーリングビジネスの事例①Apple引用:Apple Store公式サイト

リカーリングビジネスの成功例として、Appleを紹介します。

Appleは、「iPhoneのシェア拡大によりiPhoneユーザーが増えることでiPhone(iOS)アプリの需要が高まり、その結果App Storeでのアプリ取引が活発化してアプリユーザーが増え、Appleは経常的な収益を得ることができる」というリカーリングビジネスモデルです。

このビジネスモデルの中心となっているのは、「iPhone」というデザインが良く、使いやすいインターフェースを持ち、サービスが充実していて、世界中にファンがいる強いブランド力を持つ製品です。

Appleはこの使い勝手の良い製品を通じて、顧客に優れた体験を提供し続けることで、熱心なファンを得ています。

成功事例②Amazon

リカーリングビジネスの事例②Amazon引用:Amazon公式サイト

2つ目に紹介するリカーリングビジネスモデルは、Amazonの会員制プログラム「Amazonプライム」です。

ビジネスモデルの紹介をする前に、Amazonプライムの会員特典を見てみましょう。

  • 配送料無料(対象商品のお急ぎ便、お届け日時指定便)
  • Amazonプライム会員限定セール(特別セール、先行タイムセール)の開催
  • Prime Video(会員特典対象動画を見放題)
  • Amazon Music Prime(1億曲の楽曲再生が可能)
  • Amazon Photos(容量無制限で写真保存が可能)

上記から解説すると、Amazonプライムには「Prime Video」という動画配信サービスがありますが、これは「Netflix」のように動画配信だけを行っているサービスと競合となります。しかし、Amazonプライムは動画だけではなく、音楽配信やオンラインショッピングでの特典など、日常生活のさまざまな場面でメリットを提供しているため、動画や音楽だけを提供するサービスよりも解約しにくいです。

さらに、動画や音楽サービスをきっかけにプライム会員が増えれば、オンラインショッピングの利用者も増えることが期待され、継続的な収益(ストック型ビジネス)と一時的な収益(フロー型ビジネス)の良いサイクルを作り出すビジネスモデルが構築されています。

Appleと同じく、世界的な規模でのエコシステムを築いているAmazonの強みを活かした戦略と言えるでしょう。

成功事例③ソニーグループ

リカーリングビジネスの事例③ソニーグループ引用:PlayStation PLUS公式サイト

3つ目に紹介するリカーリングビジネスモデルは、ソニーグループのPlayStationです。

AppleのiPhoneがそうであるように、PlayStationもまた、本体をたくさん売ることで、加入者を増やす戦略をとっています。ソニーグループは、2006年11月に「PlayStation Store」を開設し、2010年6月には「PlayStation Plus」を立ち上げるなど、デジタル分野への投資を続けてきました。

さらに2015年1月には、「PlayStation Network」という、世界中のユーザーに幅広いエンターテインメントを提供するプラットフォームをスタートさせ、大規模なデジタルエンターテインメントネットワークを築いています。今日のオンラインゲーム市場が盛り上がっている様子を見ると、ソニーグループが自分たちの強みを活かし、時代の流れに合わせたビジネスを展開していることがわかります。

リカーリングビジネスで求められる決済サービスとは

リカーリングビジネスで求められる決済サービスとは

リカーリングビジネスで求められる決済サービスである下記2つを紹介します。

  • 継続課金システム
  • 顧客層やビジネスモデルに適した決済手段

順に紹介します。

サービス①継続課金システム

継続的な課金システムは、定期購読やサブスクリプションサービスに適しています。

例えば、毎月料金を取るサービスや、定期的に商品を提供するタイプのビジネスモデルには、このシステムを使うことで、料金の回収を確実に行い、さらに支払いプロセスがスムーズになるため、顧客が離れるのを防ぐことも可能です。

使用量に応じて料金が変わるサービスや、毎月の利用料が変動するビジネスの場合は、料金を柔軟に設定できる支払いサービスを選ぶことが重要です。

サービス②顧客層やビジネスモデルに適した決済手段

お客様のニーズや自社のビジネス形態に合った支払い方法を選ぶのも大切です。

お客様が使いたいと思う支払い方法を提供できなければ、商品やサービスを利用してもらえないかもしれません。また、自社のビジネス形態に合わない支払い方法を採用すると、お客様だけでなく、会社側にも不便をもたらす可能性があります。

まず考えるべきは、ネットでの取引やキャッシュレス支払いで最も普及しているクレジットカードです。しかし、クレジットカードを持っていない若者や高齢者には、銀行口座があれば使えるWeb口座振替が使いやすいでしょう。

デジタルコンテンツのような小額支払い向けのビジネスでは、携帯電話料金と一緒に支払うキャリア決済や、IDを使った支払い方法が適しています。

キャリア決済は、クレジットカードや銀行口座の情報を入力する必要がなく、携帯会社のIDやパスワードだけで支払いが完了するため、支払い手続きが簡単で、途中で支払いをやめる人も少なくなることが期待できます。

さらに、商品の代金は携帯会社が立て替えてくれるので、会社側がお金を回収できないリスクを負わずに済むという利点もあります。

終わりに

本記事では、リカーリングビジネスについて解説しましたが、リカーリングビジネスは、所有から利用へと移行する消費トレンドに伴い、成長を続けていくと言えます。決済サービスの充実で顧客満足度を高め、カスタマーサクセスを実現させることが、リカーリングビジネスを成功させることができるでしょう。

本記事で紹介した「Apple・Amazon・ソニーグループ」の他にも、リカーリングビジネスが成功している事例もありますので、自身の理解に繋げてみてください。

 

参照元

野村證券 _ リカーリング(証券用語解説集)
・ゲームのデジタル販売は今後ますます拡大! そのメリットと課題とは【TGS2017】 – ファミ通.com

データ活用 Data utilization テクノロジー technology 社会 society ビジネス business ライフ life 特集 Special feature

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