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ここまで2人以上の世帯全体の貯蓄額を見てきましたがここで、勤労者世帯に限定して改めて平均貯蓄家年収を見ていきたいと思います。
勤労者世帯とは、世帯主が会社や官公庁、学校、工場、商店などに勤めている世帯を指します。ただし、世帯主が社長や取締役、理事など会社団体の役員である世帯は該当しません。また、労働での報酬を得ず年金や貯蓄で生活する高齢者世帯なども該当しません。
勤労者世帯の平均貯蓄額は、昨年比で40万円以上増加した1376万円でした。2人以上の世帯全体の貯蓄額よりも約400万円程度下がっています。
一方で、平均年収は全体よりも100万円程度上がっています。これは、貯蓄で生活する高齢者世帯の影響などがなくなったからなのではないかと考えられます。
また、貯蓄年収比率は全体が約290%前後だったのに対し、約180%前後に落ち着いています。
年次 | 貯蓄現在高(万円) | 年間収入(万円) | 貯蓄年収比率(貯蓄現在高/年間収入) |
2010 | 1244 | 697 | 178.5 |
2011 | 1233 | 689 | 179 |
2012 | 1233 | 691 | 178.4 |
2013 | 1244 | 708 | 175.7 |
2014 | 1290 | 702 | 183.8 |
2015 | 1309 | 709 | 184.6 |
2016 | 1299 | 715 | 181.7 |
2017 | 1327 | 722 | 183.8 |
2018 | 1320 | 729 | 181.1 |
2019 | 1376 | 736 | 187 |
出典:統計局ホームページ/家計調査報告
また、平均貯蓄額の中央値をみると2019年は801万円で過去10年で初めて800万円台に乗りました。
ここまで貯蓄額は年収の平均や中央値を見てきましたがここで、勤労者世帯の貯蓄額ごとの世帯割合を見ていきます。
すると、世帯割合が最も高いのが貯蓄割合100万円未満の世帯であることがわかります。 また、全体の2/3以上にあたる世帯が平均貯蓄額の1300万円に達していません。
さらに、冒頭の老後資金としての貯蓄目安2000万円を達成している世帯は、勤労者世帯全体のうち、わずか20%であるということもわかります。
今回は、日本の貯蓄と年収のリアルをご紹介しました。ここまででご紹介したように平均とは、莫大な資産を持つ世帯から、労働でコツコツ貯金をする世帯まで個別の事情を一旦おいておいて、ある特定の物事を数値的に均したものに過ぎません。そして、老後資金2000万円、というのもあくまで様々な指標の平均から算出されたものに過ぎません。
実際の人々は、資産状況はもちろん住んでいる場所や世帯の構成、ライフスタイルまでバラバラです。したがって、平均貯蓄額ではなく、いかに身の丈にあった貯蓄をするか、というのがまずは大事になると思います。
平均は目安、程度に捉えて、ぜひ、自分らしい貯蓄計画を考えてみてください。
【参考引用サイト】 ・ 統計局ホームページ/家計調査報告(貯蓄・負債編) ・ 資産 - Wikipedia ・ 預金 - Wikipedia ・ 「老後2000万円」問題のあまりに残念なすれ違い |東洋経済オンライン
(大藤ヨシヲ)
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