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毎日何気なく使うGPS機能の仕組み。そして、その技術に隠された真実とは!?

         

このところ日常生活でもよく目にするようになり、よく日常会話でも耳にするようになったGPS(グローバル・ポジショニング・システム)ですが、カーナビやGoogleマップを利用する際に、自分の現在位置を知らせてくれる機能として知られています。画面上の地図を見ながら移動するとき、現在位置を示す青い丸も動くのは、GPS機能により現在位置が常に特定されているからです。

しかしそもそも、正確な位置がリアルタイムで分かるのはなぜでしょうか?

知っているようで知らなかったGPSを支える技術、またそれが誕生した経緯とは? さらにGPSに潜む問題点などもご紹介します。

GPSに必要な機材とは?

位置情報の追跡を可能にしているのは、地球上の位置を測定するために打ち上げられた「GPS衛星」です。現在24機の衛星が稼働しており、地球の上空2万200kmの軌道に沿って旋回しています。

ちなみに、この衛星は地域別の上空に4機以上が滞在するように配置されています。ある程度正確な位置情報には最低でも衛星4機が必要で、さらに精度を上げるためには実は8機以上が必要だそうです。

GPS衛星を使った位置情報特定の仕組み

さて、この衛星からは常に「現在位置」と「現在時刻」が発信されています。

使用中の端末のGPS衛星受信機がこの電波信号を受信すると、受信機は信号が届くまでにかかった時間に電波の速度を掛けて、衛星と受信機の距離を割り出します。これを自分の地域の上空にいる4つの衛星と繰り返します。こうして算出された4つの衛星との距離から、端末=自分の現在位置を特定する、という仕組みです。

さらに、アメリカ以外の国も位置情報の精度を上げるための衛星システムを持っています。ロシアの「GLONASS」、中国の「BEIDOU」、EUの「GALILEO」、インドの「IRNSS」、日本の「QZSS」(準天頂衛星システム「みちびき」)などがあります。日本の「みちびき」の打ち上げは2010年に行われました。

「みちびき」はGPSの働きを補助し、日本国内の位置情報の精度を上げるため、主に日本上空に滞在しています。現在GPSの測位誤差は10m程度と言われていますが、2018年11月には「みちびき」4機体制でのサービスが開始されることで、誤差数10cm程度の実現を目指します。

ちなみに、スマホやタブレットなどの個人端末では、GPS情報に加え、携帯電話基地局までの距離を測定することで位置を推定する「A-GPS」を併用しています。

宇宙空間を漂う衛星と、一瞬でこれだけのやりとりが行われているんですね! これを知った今では、Googleマップの現在位置が少々ずれていても、反応が遅くても、少し寛大になれそうです。

GPS衛星の所有者

さて、現在地球の周りを回っているこの24機のGPS衛星には実は持ち主がいます。それはアメリカ国防省。平和利用の側面ばかりが強調されるGPSですが、元々はアメリカで軍事目的に研究開発を重ねられてきた技術なのです。

少し歴史的な話をすると、GPSの構想は1970年頃、アメリカ海軍と空軍で別々に発足したプロジェクトに遡ります。このプロジェクトは1973年に一本化され、1978年には実験的に衛星の打ち上げが始まりました。初の実用衛星の打ち上げが成功したのは1989年。その2年後に始まった湾岸戦争では、GPSが大きな役割を果たしました。というのもGPS衛星には電波を送信する機能の他に赤外線センサーが搭載されており、地球のどこで爆発が起こっても感知できるためです。

加えて、湾岸戦争の際に連合軍側のニーズの結果としてGPS受信機の小型化と低コスト化が進み、驚くほどの短期間で誰もが携帯電話のデフォルト機能として使用できるまでになりました。

 
監視社会とプライバシー

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