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人口の3.5%が動けば世界が変わる。非暴力的に社会を変える「3.5%ルール」とは?

         

環境問題や少子高齢化、貧富やジェンダー、世代間による格差やマイノリティへの不利益など、さまざまな社会課題が可視化される昨今。しかし、個々人がそうした課題に直面したとき、社会に大きな変革をもたらすのは難しい、社会はそういうものなのだ、という諦念を感じてしまうことがほとんどなのではないでしょうか?

しかし、社会にいる人々全ての人を動かさずとも、一部の自分自身が抱えている課題に共感してくれる人とともに動けば社会を変えられるかもしれません。

今回は、全人口の3.5%の人々を動かせれば、社会を変えられると提唱する「3.5%ルール」について紹介します

3.5%ルールとは? 非暴力的に社会を変える方法

「3.5%ルール」は、ハーバード大学の政治学者、エリカ・チェノウェスが発見した法則です。チェノウェスが20世紀のさまざまな革命、抗議行動を調査したところ以下の結果が得られたといいます。

・非暴力的な抗議行動は、武力紛争の2倍の確率で成功する可能性がある
・人口の3.5%以上が関与する抗議行動は必ず何らかの変化を生んでいる

実際、民衆が団結し、非暴力的な手法で情勢を変えた例として、1992年、グルジア(旧ジョージア)の「無血バラ革命」が挙げられます。当時の大統領、エドゥアルド・シェワルナゼによる悪政が続く中、行われた選挙では、民意に反し、不正操作でシェワルナゼが再選。そこで、ミヘイル・サアカシュヴィリを筆頭に野党支持者たちが議会にバラを持って乗り込み、政権交代へと至ったのです。

3.5%の発見、そのきっかけは疑う目だった

これまで、アフリカ系アメリカ人の奴隷制度廃止論者のソジャーナー・トゥルースや、女性参政権運動家のスーザン・B・アンソニー、インド独立の立役者であり、政治的指導者のマハトマ・ガンジー、アメリカで公民権運動を行なったマーティン・ルーサー・キングなど、非暴力的な手法で社会を変えていった人々を挙げていくと枚挙にいとまがありません。しかし、実例をただ挙げていっても、局所的な成功事例に過ぎないのでは?と感じてしまう人も少なくないでしょう。

2000年代半ば、研究を始めた当初、チェノウェス自身も、非暴力的な手法が武力紛争以上に問題を解決できる、という結論に対して懐疑的だったといいます。

コロラド大学で博士課程に在籍していた彼女は、テロリズムの台頭に寄与する要因について数年間研究を重ねていました。国際非暴力紛争センター (ICNC)が主催する学術ワークショップに出席した際に、平和的な抗議行動によって永続的な政治的変化が得られた事例が複数挙げられる中、あることに気づきます。それは、数多の事例が挙げられるにもかかわらず、非暴力的な抗議と暴力的な抗議の成功率を包括的に比較した人が誰もいなかったことです。

「本当に非暴力的な手法が大きな変化を生むために効果的なのだろうか?」と疑問を持った彼女は、ICNCの研究者、マリア・ステファンと協力して、1900年から2006年の期間における、市民による政権への抵抗と社会運動に関する文献を広くレビューしました。

3.5%の根拠とは? その結論に至るまでの筋道

そこで政権転覆を目指し、活動のピークから1年以内にその活動により、目標を達成した場合を成功としてデータセットを作成しました。なお、ここでは、外国の軍事介入による政権交代は、成功とは見なされません。

そして、暴力的な抵抗運動か非暴力的なものなのか、の区別として、一連の運動の中に爆撃、誘拐、インフラの破壊、または人や財産へのその他の物理的危害が含まれるかどうかをポイントとしています。これら一つでも含まれれば、その活動は暴力的な活動とみなす、という方針です。

彼らはこの方針のもと、323件の暴力的および非暴力的な抵抗運動を分類しました。

その結果、暴力的な抵抗運動における成功確率が26%だったのに対し非暴力的な抵抗運動は53%の確率で成功していたことが明らかになりました。その要因として、数の力があります。非暴力的なキャンペーンは暴力的なキャンペーンと比較して共感を得やすく、多くの参加者を集めやすい、ということです。

実際、挙げられた抵抗運動の中で大規模なもの25件に絞ると、そのうち80%の20件は非暴力的なもので、非暴力的な大規模運動のうち14件は成功していたそうです。また、暴力的な抵抗運動の平均的な集客が5万人だったのに対し、非暴力的な抵抗運動は20万人だったそうです。

そして、データセットから、抵抗運動への参加者が、全人口のうち3.5%に達した場合は必ず成功することが予測されました

成功は保証されていなくとも、成功確率は高まる

もちろん、これらはデータセットから一般化された値でしかなく、チェノウェスのデータセットの中で、人口の3.5%が参加した事例は1例しかありませんでした。

また、非暴力的な抵抗活動は、成功する確率が高いとはいえ、47%の確率で失敗していることもわかっています。

しかし、平和的に、仲間を集め社会に訴える手法は暴力的な手法と比較しても非常に効果的であることや、人口の3.5%が積極的に動く活動は社会を大きく変えていくことは間違い無いでしょう。

マイノリティでも3.5%の仲間がいれば、社会は変えられるのです。そう思うとちょっぴり勇気が出ませんか?

【参考引用サイト】
The '3.5% rule': How a small minority can change the world - BBC Future
バラ革命 - Wikipedia

(大藤ヨシヲ)

 
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