今回紹介した礒崎氏の空き家投資方法が問題の全てを解決できるほど、空き家問題は単純なものではないとは思いますが、誰も手を出したがらない問題に対して知恵と経験と知識を武器に解決方法を提案し、その対価としていくらかのお金を受け取る、という投資戦略はいたって健全なやり方に思えます。
マイホームを買うことを誰しもが夢見た時代から、「負動産」と呼ばれることがあるほどに、不動産が財産ではなくむしろ負債のように扱われる時代へと、すでに突入しているのかもしれません。シェアリング・エコノミーやオープン・イノベーションと言った新しい形のライフスタイルや考え方により人の暮らしも、何かを所有することに対する感じ方も、豊かさとは何か、という概念も大きく変わりつつあります。長い間、当たり前のように思われてきた「敷金・礼金・仲介手数料・更新料・保証人制度」のような貸し手市場の不動産制度も少しずつ見直されてきています。
現在の日本の空き家率は13.5%ですが、今後も空き家率は上昇していく、と言われています。その背景には、少子高齢化や核家族化問題だけでなく、更地にしてしまうと固定資産税が高くなる、といった一筋縄ではいかない複雑な事情があります。しかしこのままでは、管理が行き届いていない空き家や管理者が誰かすらもわからない物件が増え続けていき、空き家問題はさらに深刻化していくでしょう。しかし、空き家問題は日本が抱えている問題の氷山の一角にすぎません。空き家バンクのような取り組みも存在しますが、1000万件あるはずの空き家状況を鑑みると円滑に機能しているとはまだまだ言えない状態です。空き家問題に限らず、より豊かな社会の実現のために何ができるのか、というのは我々一人一人が常に考えていかなくてはならない問題ではないでしょうか。
(取材・テキスト:データのじかん編集部)
株式会社ベル 代表取締役
礒崎和彦氏
神奈川県藤沢市出身
中央大学 商学部 商業・貿易学科 卒業
アメリカ モンタナ州立大学 会計、税務、法律、監査等の関連単位取得
大学卒業後、株式会社リクルートにて新規開拓営業マンとして従事し、事業部トップの営業成績を残す。その後、IT業界に転職。どんな事業を行うにしても、新規営業、会計、ITが非常に重要であるという認識の下、この3つを意識しながらキャリアを形成。2006年10月まで一般企業のサラリーマンとして勤務。2006年11月より独立。たとえ営業力、会計力、IT能力があっても、修羅場で絶対に逃げ出さない精神力が必要であるという認識のもと、資金も、事業経験も、何もかもがない中でまずは自力で生き抜く強さを身につけるため、インターネット事業に着手。元手資金ゼロから富を生み出すプロセスのみに徹底的にこだわり、とにかく生き抜く底力の獲得に注力。その結果、コストを一切かけない方法のみで、しかも仕組み化によってアフィリエイト月収200万円以上を達成。そのかたわら、より良い不動産投資とはどんな形かを10年間模索。その結果、問題解決型不動産投資が良い成果を出せると確信し、廃墟の空き家を安定した高収益に変える投資手法を習得。元・ライブドア社長、堀江貴文氏(ホリエモン)と共同で不動産投資会社を設立し、代表取締役に就任(現在退任)。
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