「良品条件」とは、作業の現場で「保証された品質のものを作るなど、正しい結果を導き出すために必要な条件」のことです。
これは、日本の製造業から生まれた考え方で、トヨタ生産方式で採用されている現場主義の考え方に基づいた判断基準です。
良品条件は工程ごとに設備やソフトウェア、人の能力や作業方法などに細かく分けて整備される必要があります。良品条件を整備することで、作業担当者は自分が担当する工程の中で、その場において自分の作業の良しあしを判断することが可能です。これを「自工程完結」と呼び、ある工程で問題が発生した場合に、担当者自身による早期発見が可能になります。
また、その後の工程にトラブルを持ち込まないことで、被害を最小限に食い止めることもできます。それにより担当者が自分の工程における業務の品質を保証できるようになり、作業や製品の品質向上につながります。
良品条件や自工程完結の考え方は、製造業に限らずどの分野の仕事にも取り入れることができます。
良品条件の整備には、ミスやトラブルが発生したときに問題が起こった事実を明らかにして、どのステップでなぜ問題が発生したのか原因を特定し、そのデータを蓄積していく作業が欠かせません。収集したビッグデータを分析し、その内容を反映しつつ、良品条件を常にブラッシュアップしていくことが必要になります。良品条件や自工程完結はコストをかけずに、作業の品質向上を可能にする方法として注目を集めています。 また良品条件の「見える化」をはかることで、担当者の勘や経験に頼らず、作業をチェックしやすくし、作業の目的や技術のノウハウを共有することができます。
良品条件の見える化の方法は、各業務の良品条件をチェックシートに落とし込み、そのチェックシートを担当者やその上司だけでなく部内や社内で閲覧し共有できるようにするやり方が一般的です。
良品条件の見える化は、人材の育成に悩む企業の問題解決の糸口になるとして期待されています。 ただし、製品や作業の品質向上に結びつく良品条件を作るためには、膨大な蓄積データからノイズを取りのぞいて適切に分析する専門知識と能力が必要とされます。データを収集するためのネットワークの構築や、ときには従来の手法を否定することもある良品条件を、受容・共有できる職場環境づくりも不可欠です。
(データのじかん編集部)
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