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世界経済に関わるニュースなどでよく話題に上る「アメリカ雇用統計」。言葉として聞く機会は多いですが実際どのような指標でどうしてこんなに注目されるのでしょうか?

そこで今回は意外と知らないアメリカの雇用統計について、と題し、その指標の意味から内容、雇用統計から派生した意外な都市伝説までじっくり掘り下げていきます。

アメリカ雇用統計ってどこが発表しているどんな指標?

アメリカ雇用統計は、アメリカの労働省(U.S. Department of Labor Bureau of Labor Statistics)が毎月第1金曜日、日本時間の午後9時半(夏時間では午後10時半)に発表する経済指標のことを指します。

アメリカ国内の雇用情勢を企業や政府機関などに対しサンプル調査を行い、十数項目の統計データを発表しています。項目として例えば

  • 失業率
  • 非農業部門就業者数
  • 建設業就業者数
  • 製造業就業者数
  • 小売業就業者数
  • 金融機関就業者数
  • 週労働時間
  • 平均時給 など

が挙げられます。

その中でも特に、「非農業部門雇用者数(Nonfarm Payroll:NFP)」は、世界中の経済指標の中でも最も注目度の高い指標だと言われています。この指標は農業分野以外の産業で働く労働者の数を、非農業部門に属する事業所の給与支払い帳簿を基に集計したもの。

「失業率」も経済指標として頻繁に活用されています。対象となるのは、軍隊従事者、刑務所の服役者などを除いた16歳以上の就業者です。なお、労働の意思のない人は、労働力人口から外されるため、失業率には反映されないということです。

非農業部門雇用者数や失業率はアメリカの中央銀行にあたる連邦準備理事会(FRB)や連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策にも反映されると言われており、外国為替取引(FX)にも大きな影響を与えているため投資家や金融業界では必見の指標となっています。

また、同様の指標としてADP雇用統計も大きく注目されています。

この指標は2006年から行われている比較的新しい指標で、アメリカの大手給与計算アウトソーシング会社であるADP(Automatic Data Processing社)が約50万社の顧客を対象に毎月雇用者数の動向を調査したものです。

ADP雇用統計は労働省が発表する雇用統計の2営業日前の毎月第1水曜日、日本時間の午後9時15分(夏時間では午後10時15分)に発表され、非農業部門雇用者数や失業率の先行指標として注目されています。

ちなみに、一般的には、このADP雇用統計と労働省が発表する雇用統計が一致する場合には、金融市場の変動は小さく、二つが大きく乖離している場合には変動が大きくなる傾向にあります。

なぜアメリカの雇用統計が世界中から注目されるの?

では、なぜアメリカの雇用統計がこんなにも世界的な金融市場に大きな影響を与えているのでしょうか?

まず第一にアメリカの経済規模が世界で一位であることが挙げられます。アメリカのGDPは世界の累計GDPの実に20%程度を占めています。次にアメリカの経済では個人消費の規模が大きく、GDP全体の7割を占めています。なお、日本において個人消費GDPに占める割合は2020年時点で約50%程度でした。

したがって、アメリカで個人消費が減ることは世界経済に大きな悪影響をもたらすことにつながります。そして、その個人消費を大きく左右するのが雇用の状況です

そして、その変動を受けアメリカ中央銀行の金融政策が決まります。一般的には、景気が良いと政策金利を引上げ、景気が悪いと政策金利を引下げるといわれており、引上げが行われた場合は市場金利が上がり、投資家たちが「ドル買い」を起こし、逆に引き下げの場合は市場金利が下がるため投資家たちによる「ドル売り」が発生すると考えられています。そしてこうした投資家たちの動向が為替市場に大きな変動をもたらすのです。

都市伝説「ジブリの呪い」が物語るアメリカ雇用統計が経済に与える影響の大きさ >>

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