まいどどうも、みなさん、こんにちは。
わたくし世界が誇るハイスペックウサギであり、かのメソポ田宮商事の日本支社長、ウサギ社長であります。先月から隔週でのお届けとなっておりますが、隔週となるとなんとなくルーティンと呼ぶには離れすぎているし、かと言って単発というわけでもないので、この匙加減がまた難しかったりするのですが、みなさまいかがおすごしでしょうか?
さて、前回は人類最古のテクノロジーであり、ヴィンテージ中のヴィンテージである「土器」についてお話しましたが、今回は逆に人類最新のテクノロジーと呼んでも差し支えないであろう、ペットロボットについてお話してみたいと思っております。というのもわたくしの中では最近ペットロボットについてリサーチすることがマイブームと言いますか、旬のトピックとなっておりまして、ウサギの分際で、と思われるかも知れないですが、ちょっと購入してみるなんてのもありかな、と思ったりしているわけです。なので、今回は日本市場に存在するペットロボットについてお話させて頂きます。とは言え、日本市場は他国と比較するとロボットがかなり浸透しているので、世界市場の最先端イコールほぼ日本市場である、と考えてもあまり問題はないかと思います。
まずは、日本市場におけるペットロボットの歴史から見ていきましょう。ペットロボットの先駆者と言えば、なんと言ってもソニーのaiboです。aiboは1999年6月1日に発売され、当時としてはなかなかの高額であった25万円という価格にも関わらず、発売開始後、わずか20分で完売したそうです。このAIBOの登場はペットは「生き物」という常識を覆す存在となり、人類はまだ足を踏み入れたことのない領域へと駒を進めたのです。ペットロボットは単なるおもちゃという括りでは収まらなくなり、家族の一員、あるいは人生のパートナーとして認識されるようになります。しかし、いかんせん時代よりも早すぎた感もありそれ以降のペットロボット市場は伸び悩み、2006年には一旦AIBOの生産は終了となります。
やはりペットロボットは所詮ロボットであり、リアルな動物に勝つことはできない、ペットロボット市場はこれで終わりだ、という意見も多かったはずですが、ペットロボットの研究は水面下で継続されていました。たとえば、あざらしロボットのPAROは医療・福祉現場での使用を前提としたロボットで、40万円以上という立派な価格ながらも2002年にはギネスブックに世界一の癒しロボットとして認定されるなどその実績も認められており、かなりのロングセラーロボットとなっています。PAROには人工知能が搭載されていて、話しかけると反応したり、自分の名前を学習したり、抱き抱えられたことを検知したり、ある程度の体温を保っていたり、とAIBOにはなかった機能性を搭載し、新たな市場へと切り込んでいったのです。
そして、2018年にはAIBOはaiboとして再び市場に復活し、それも大きな話題を呼びました。また、しっぽだけのクッションロボットQooboなどもヒット商品となり、部分的に切り出したかわいさ、というのも人にとって意味を持つ、ということの一つの証になりました。そして、ペットロボット業界はこの5年くらいでまた飛躍的に進化を遂げ、ChatGPTなどの生成AIなどの普及も追い風となり、ペットロボットを家族の一員として迎え入れる、ということがますます現実味を帯びて来ている今日この頃なわけですが、同時にペットロボットの市場競争、および機能性や価格帯別の棲み分けも急速に進んでいます。
ざっくりですが、今の日本市場に存在する主要なペットロボットをまとめると下記のような感じになります。価格は今後もかなり変動することが予想されますし、カスタマイズや月額プランによっても値段は変わってくるのであくまでも参考程度に留めておいてください。
ペットロボットに対する関心が溢れ出んばかりだったわたくしはこの2週間くらいかけて東京近辺を隈なく歩き回り、これらのペットロボットを見てさわって抱き上げて話しかけてみたのですが、aiboにはやはり犬らしさという長所があり、多少の会話ができるけれども動かないromiやNICOBOにはまた違った幼い子供と接する時のような愛らしさがあり、ロボホンにはより実用的な機能性が追加されていて、それぞれに素晴らしい部分がありました。が、しかし、かわいさという意味ではLOVOTがダントツで一位だったように感じました。LOVOTの場合は、価格帯があまりかわいくない、そして、バッテリーが45分しか持たない、という致命的な点もありますが、あらゆる機能性をあえて削ぎ落とし、かわいい、に集約させた戦略は見事としか言いようがなく、ペットロボットが今後かなり普通の存在として受け入れられるであろう、ということをわたくしは確信するに至り、この記事を執筆することを心に決めたわけであります。
しかしながら、LOVOTのように「機能性がないロボット」の方が、特に介護現場や子供が集まる場所などにおいて「かわいいという機能性」を存分に発揮し、実際に人を癒している、というのは特筆に直する点であり、役に立つということはなんと役に立たないのだろう、という人間社会のある種の矛盾までここに凝縮されているようであり、さらなるペットロボットの進化を心待ちにすると同時に、わたくしのようなウサギ型カリスマ経営者というかわいいに特化できていない小動物のような存在が生き残る術がはたしてあるのかどうかということについて考え始めるとわたくしの苦悩は止まらず、昼と夜しか眠れないストレスフルなエブリデイではありますし、暑くて体力的にも大変ですがなんとかわたくしは元気です。
そんなわけで、今回は日本市場に存在するペットロボットについて取り上げてみました。もしかしたら次回以降はウサギ社長featuringLOVOTでこの連載は継続されるかも知れませんが、それはそれとして生暖かく迎えてやってください(笑)。いずれにせよ、LOVOTの開発者である林要氏の言う「温かいテクノロジー」あるいは周囲からのサポートを促す「弱いロボット」は特に高齢化社会に全速力で進み続ける日本の社会において必要不可欠な存在に成長していくように思えてなりません。
というわけで、再来週の水曜日にお会いしましょう。ちょびっとラビットのまとめ読みはこちらからどうぞ!それでは、アデュー、エブリワン!
(ウサギ社長)
メルマガ登録をしていただくと、記事やイベントなどの最新情報をお届けいたします。
30秒で理解!インフォグラフィックや動画で解説!フォローして『1日1記事』インプットしよう!