スマートフォンの普及に伴ってフリマアプリを中心に消費者同士の取引を基盤にしたサービスが増えてきているように感じます。こうした個人間で行われる取引は CtoC(Consumer-to-Consumerの略称、C2Cと表記することも)と呼ばれています。
CtoCのサービスは「場所」や「モノ」をシェアするシェアリングエコノミーやキャッシュレス決済の推進が後押しする個人間送金などの流通に伴い、サービスの形態が多様化し、市場も拡大しています。
誰もが取引の当事者となりうるCtoCサービスが今後どのように発展して行くのかを考えるべく、用語の説明から市場規模、具体的なサービスまでかんたんにご紹介いたします。
CtoCと一口に言ってもそのサービス形態は多彩な進化を遂げています。
一般的によく知られているのは、「メルカリ」や「フリル」などのフリーマーケットサービスです。
フリーマーケット自体はインターネットの流通以前から盛んに行われていましたが、2012年にインターネットを通じて取引ができるプラットフォームが生まれたことでより気軽に個人間で取引が出来るようになりました。
最近では、サービスの運営側が宅配業者と提携することで、発送のプロセスが簡易化されたり、画像解析機能の向上によって写真1枚から簡単に出品できるようになったりしています。
また、この数年で注目度を増してきているのが、シェアリングエコノミーを基盤としたサービスです。シェアリングエコノミーとはその名の通り、「場所」や「モノ」などを個人が所有するのではなく、複数人で共有するという仕組みで、必要な時に必要な分だけ安価に利用できるというメリットがあります。
例えば、「Airbnb」をはじめとした住居を宿泊地として提供する民泊サービスや「Anyca」などの個人間カーシェアサービスなどがシェアリングエコノミーサービスとして知られています。
その他にも近年では、個人のスキルを売ると言うスキルシェアサービスも生まれています。「イラスト制作」や「動画編集」、「ビジネスコンサルティング」など様々なスキルを販売できるこのサービスは、近年、副業などとして取り組む人も増えてきています。
ここまでご紹介してきたように、CtoC サービスは今あるものを活用してミニマムで始められる商売のひとつとして、多くの人が関心を寄せています。
続いてCtoCサービスの市場規模について見ていきましょう。
経済産業省が作成している「電子商取引に関する市場調査」によると、CtoCサービスの中でも市場規模の大きいフリマアプリの市場は拡大しており、2016年から2018年の2年間の間に2倍近い成長を遂げ、2018年には、6400億円規模にまで上ると推計されています。
また、「ヤフオク」などをはじめ、CtoCのサービスも多いインターネットオークションの市場はこの数年で1兆円規模まで拡大しました。
日本以外にも、EC大国として有名なアメリカや中国でも、市場の拡大は続いており、アメリカ最大手の CtoCサービス eBayのネットオークションの2018年の流通総額は945億ドル(約10兆円)、一方の中国の市場取引規模も2018年時点で7400億元(約11兆円)、前年度と比較しても30%の成長率となっています。
個人間のオークションやフリマ以外では、民泊事業が、訪日観光客のインバウンド需要の増加によって急成長をとげており、2016年には460億円規模だった市場が2020年までに1900億円規模まで成長することが見込まれているということです。
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