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IT用語の「クラウド」は、情報端末機器(パソコン、スマホ)同士が繋がることや、便利なアプリ、ITツールを提供するクラウドサービスのことで、個人、企業問わず、多くの人に活用されています。
「雲」のようにぼんやりと不鮮明な「クラウド」は、技術、インフラ、ツール、サービスなど様々な要素を含んでいるため、「わかるようでわからない」といったイメージを多くの人が抱えているのではないでしょうか?
このまとめでは、「クラウド」という言葉の位置づけを起点に、クラウドサービスの種類(タイプ、ジャンル)、メリット・デメリット、そして実際にどのように活用されているか?について、順を追ってご紹介させて頂きます。
ITやコンピューターの分野で昨今良く耳にする「クラウド」
ITやコンピューターの分野では、様々な情報機器がネットワークでつながることや、それによって実現される便利なアプリ、ITツール、サービスである「クラウドコンピューティング」の略語としても使われています。
英語の直訳では「雲」を意味しますが、膨大な数のコンピューターが繋がるインターネットをモヤモヤとした雲(=クラウド)にネットワークエンジニアが例えたとこをきっかけに、これらはいつしか「クラウド」と呼ばれるようになりました。
一昔前はクラウドのことをネットワークやインターネットと呼んでいましたが、昨今では様々な機器、アプリ、ITツール、サービスと連携することで規模が膨張し続けることから、より包括的な意味を込めて、「クラウド」という言葉で表現されています。
コンピューターは単一の機器としては、本体のストレージ領域にインストールされているアプリのみの機能しか使えませんが、クラウドと繋がることで膨大な情報の入出力、共有、連携、負荷の高い処理の代行、ITツール・サービスなどが利用できるようにしてくれます。
クラウトコンピューティングは通信、機器(サーバー)、情報端末機器の技術の向上、広域インフラの構築などで実現された世界で、個人の生活や企業の業務に利便性をもたらす様々なアプリ、ITツール、サービスを提供しています。
クラウドは、世界中に張り巡らされているWAN(ワイドエリアネットワーク)と企業内に敷かれたLAN(ローカルエリアネットワーク)の通信ケーブルで形成された網(ネットワーク)を土台にしています。
人間の身体に例えると、WANは動脈・静脈、LANが毛細血管のようなもので、血管を流れる血液がデータに相当します。
毛細血管(LAN)の先端に、パソコンやスマホ、クラウド事業者のサーバーが繋がり、これらは人間の身体に例えると細胞や臓器に相当します。
クラウドのアプリ、ITツール、サービスに必要な処理の大半は、端末機器ではなく、クラウドの中にあるアプリケーションサーバーで実行されています。
端末からアプリケーションサーバーへは支持・操作、アプリケーションサーバーから端末へは、端末のディスプレイに表示するためのデータの送受信で利用します。
そのためPCの場合、インストールのためのディスク容量、CPUの処理能力に依存することなく、高機能なアプリ・ITツールを利用することができます。
昨今のクラウドサービスのアプリ、ITツールの多くは、インターネットのブラウザと専用アプリの両方でリリースされており、ブラウザから余分な機能を割愛した専用アプリで使用するケースが大半を占めています。
クラウドに繋がったパソコン、スマホは、クラウドのアプリ、ITツール、サービスを介して、お互いの情報が共有できるようになります。
共有する情報は端末で作成したファイルそのもの、音声・画像・動画といったマルチメディア、クラウドツールに集約したデータなど様々なで、目的や用途に応じて様々な形式(フォーマット)で端末側は使用します。
クラウドではアプリやITツールだけでなく、データもクラウド上のデータサーバーに保存して使用するため、端末の故障や災害などで大切なデータを失ってしまうリスクを回避してくれます。
従来のデータのバックアップ方法では、HDDの故障、大容量メディア(DAT、CD-R、BD-R、SDカード)の損傷や劣化などでデータの損失を100%回避することが困難でした。
個人や企業の業務で使用するデータを冗長性に優れたクラウドのデータストレージに保存することで、大切なデータを失うことなく、また、様々な端末からの利用、機器や世代を超えての継承など、資産価値が高まり続けているデータの保存・管理手段としても活用されています。
アプリ、ITツール、サービスには利用する側の用途・利便性に沿えるよう、「デプロイ方法」という選択肢があります。
「デプロイ方法」とは、アプリ、ITツール、サービスを運用するためのインフラ、機器の設置、構築方法のことで、「クラウド」はいくつかあるデプロイ方法のうちの一つに位置づけられています。
クラウド事業が提供するSaaS(アプリ・ITツール・サービス)、PaaS(プラットフォーム化されたプログラム実行環境)、IaaS(インフラ、サーバー)を利用してアプリ、ITツール、サービスを利用するデプロイ方法
外部の広域ネットワークを使用するため、機密性の高いデータや大容量のデータ転送、リアルタイム性を必要とする用途には不向き
インフラ、サーバー、機器を自身で設置・構築してアプリ、ITツール、サービスを運用するデプロイ方法
ファイアウォール内のローカルネットワークで構築するため、セキュリティが高く、大容量のデータ転送やリアルタイム性を必要とする用途に適用
クラウドとオンプレミスを併用するデプロイ方法
負荷、データの転送量が少ない、リアルタイム性を問わない、取り扱うデータのセキュリティレベルが低い用途にはクラウドを、その反対の特性の用途にはオンプレミスを割り当てるデプロイ方法
なお、デプロイ方法については以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ併せてお読みください。
「クラウド」はネットワークやインターネットでパソコンやスマホ同士が繋がる技術だけでなく、それによって利用できる「サービス」そのものを示す言葉としても使われています。
後者に関してはインフラや機器といった技術領域との混同を避けるため、「クラウドサービス」と呼ぶことが多く、これらはクラウド事業者が提供しています。
サービスとしてのクラウドは、
に大別され、前者はパブリッククラウド、後者はプライベートクラウドとしてクラウド事業者は提供しています。
パブリッククラウドは、専用のハードウェアなどを所有することなく、企業、個人問わず、どなたでも、いつでもどこでも自由にアプリ、ITサービス、サーバーなどが利用できるサービスです。
一方、プライベートクラウドは、企業が専用のクラウドを構築し、企業の各部署やグループ会社など、利用者を限定したクラウドことを指します。
クラウドサービスの「種類」はSaaS、PaaS、IaaSといったサービスの提供形態である「タイプ」とグループウェア、SNS、オンラインストレージなどの「ジャンル」で分類されます。
両者は混同して取り扱われる場合が多々あり、誤解を解くために、ここではクラウドの「タイプ」と「ジャンル」について個別に紹介します。
クラウドは、WANとLANという網(ネットワーク)の上にあるクラウド事業者のサーバーが提供するサービスですが、利用する側の目的・用途に沿えるよう、クラウド事業者は、サービスをタイプで分類した形で提供しています。
個人の場合、既に完成されたソフトウェア、企業の場合、それに加えて、自社が独自に作ったプログラムを実行するための実行環境、もしくは機器・インフラ・サーバーと用途や目的によって利用範囲が異なるからです。
クラウドで利用するアプリケーションソフトを提供するサービス
アプリケーションソフトを稼働するためのデータベースやプログラム実行環境を提供するサービス
情報システムの稼働に必要な仮想サーバーやハードディスク、ファイアウォールといったインフラを提供するサービス
これらのクラウドのタイプについては以下の記事で詳しく紹介していますので、こちらもぜひ、併せてお読みください。
クラウドサービスのジャンルとは、用途や目的に応じたサービスの分類のことで、具体的には、以下のようなアプリ、ITツール、サービスの種類などで示されます。
これらのサービスは先ほど紹介したクラウドサービスのタイプのいずれかで運用されており、オンラインストレージ、SNSなどはパブリッククラウドで、BI、MAといった企業業務に特化したものは、プライベートクラウドで提供されています。
クラウドサービスのジャンルについては以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ併せてお読みください。
クラウドは個人や企業に多くのメリットをもたらしてくれますが、どうしても拭うことが出来ないデメリットもあり、導入にあたってはこれらを十分に熟慮しておく必要があります。
また、クラウドサービスはオンプレミス型、パブリッククラウド・プライベートクラウド、タイプ(SaaS・PaaS・IaaS)など、様々な形態で提供されているため、現状、どの形態でアプリやITツールを運用しているかによってメリットやデメリットも変わってきます。
これまでアプリ、ITツールの設置・構築(デプロイ)、クラウドサービスのタイプ、ジャンルについて紹介しましたが、具体的にどのように活用されているの?といったイメージを理解して頂くために、具体的な活用例をいくつか紹介します。
多くの人が利用しているSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)はクラウドサービスの一種で、Facebook、Twitter、Instagramなどはその代表格です。
活用範囲の社内に限定したSNSを導入する企業も増えており、テレワークで難しくなった人間関係の構築などに活用されています。
膨張し続ける帳票(紙業務)、管理などの業務にエクセルや手作業で対応している企業はまだまだ多く、企業の経理、人事、総務の担当者の負担は日々増加し続けています。
昨今では、電子帳票、採用・勤怠管理、経費精算、給料計算、決済代行に対応したクラウドサービスが登場しており、バックオフィス業務の在り方に変革をもたらしています。
消費者の動向、ニーズが複雑化する昨今において、企業はビジネス戦略の構想に苦戦をしいられています。
従来の勘や経験に基づいたエビデンスレスなプロセスではなく、クラウドツールによって適切に数値化、可視化されたデータを活用した意思決定は企業の経営戦略の成功率を大幅に高めてくれます。
そのため、ビックデータに蓄積されたデータを集計・分析するBI(ビジネスインテリジェンス)ツールを導入する企業が急増しています。
今回は、「クラウド」とクラウド事業者が提供する「サービス」について紹介させて頂きましたが、「クラウドサービス」の種類、活用方法についてご理解頂けたでしょうか?
最後に今回紹介させて頂いた要約をまとめとして、以下に記載させて頂きます。
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