電気自動車(EV)の普及が世界的に広がる中、日本におけるEVの現状はどうなっているのでしょうか?
環境への配慮や持続可能な交通手段の重要性がますます高まる中、EV(電気自動車)の導入が世界中で急速に進んでいます。特に欧州や中国などでは、政府の支援やメーカーの積極的な投資によって、EVの普及が加速しています。
一方で、日本におけるEVの普及はまだまだ発展途上。長らくハイブリッド車が主流であり、純粋な電動車のシェアは限られています。ただ、近年では環境への意識の高まりや新たな政策の導入によって、日本でもEVの導入が着実に進んでいます。
しかし、まだまだ課題も多く残っています。高価な購入価格や充電インフラの不足、充電時間の長さなどが挙げられます。これらの問題を解決し、より利用しやすい環境を整えることが、日本におけるEVの普及を促進する鍵となるでしょう。少子化や環境問題への対応として、日本が持つ先端技術を活かし、持続可能な未来の交通手段としてのEV普及が期待されます。
そこで、今回は日本におけるEVの普及についてデータで見ていきます。
日本の自動車産業は、世界的に注目されています。しかし、国内市場での車の売れ行きは減少傾向にあります。一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表している「燃料別販売台数(乗用車)」についての統計データによれば、2022年における日本国内での乗用車の新車販売台数は約220万台です。これは前年比で若干の減少傾向にありますが、それでも膨大な数の車が日本国内で販売されています。
過去5年間の日本国内の乗用車の販売台数をグラフ化したものが以下になります。
2018年には300万台弱あった販売台数は、コロナ禍に伴いぐっと減少し、2019年から2020年にかけて、35万台程度減少。その後も減少傾向は続いています。
ここまで紹介した通り、乗用車の販売台数は減少傾向にあります。これは環境への配慮や交通手段の多様化によるものとされています。一方で、この状況の中でもEVは注目を集めています。EVは従来の内燃車に比べて排出ガスがほとんど出ないため、環境への負荷が少ないという利点があるからです。
そうした中で、日本国内でもEVの普及が着実に進んでいます。先ほどと同じ、一般社団法人日本自動車販売協会連合会の統計データによると、2022年は、前年と比較し、EVの販売台数が大幅に増加し、乗用車の販売台数は3万台と、そのシェア率が拡大しています。
EVもコロナ禍の突入とともに大幅に台数を減らしましたが、コロナ禍の収束とともに大幅に台数を伸ばし、2022年には2020年の倍以上の3万台に到達しました。
この増加の背景には、政府の補助金や税制優遇措置、充電インフラの整備などが挙げられます。
しかし、乗用車の販売台数全体を見ると1%台となっており燃料別で見ても普及率は低いといえます。
EV比率の推移
年度 | EV比率 |
2018 | 0.91% |
2019 | 0.76% |
2020 | 0.59% |
2021 | 0.88% |
2022 | 1.42% |
出典:燃料別販売台数(乗用車) | 統計データ |一般社団法人日本自動車販売協会連合会
また、EUではEVの普及率が10%以上、中国では26%にも及ぶことを考慮するとまだまだ伸び代はあると考えられます。
世界的に見ても、EVは持続可能な未来の交通手段として、ますます重要な役割を果たしています。国内のEVの販売台数は、コロナ禍の影響を受けつつも、2022年には3万台に到達しました。この増加の背景には、政府の補助金や税制優遇措置、充電インフラの整備が寄与しています。しかし、乗用車全体の販売台数に占めるEVの割合は1%強に過ぎません。他国と比較すると普及率はまだ低いといえます。環境への配慮や持続可能な交通手段への需要が高まる中、日本における電気自動車(EV)の普及が着実に進んでいます。
しかし、高価な購入価格や充電インフラの不足、充電時間の長さなどまだまだ課題も残っています。これらの問題を解決し、より利用しやすい環境を整えることが、日本におけるEVの普及を促進する鍵となるでしょう。
(大藤ヨシヲ)
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