地球6.5周分の長さ。米国のハイウェイの各地で使われるETC–世界の一次情報からDXの光を照らす「World DX Journal vol.11」 | データで越境者に寄り添うメディア データのじかん
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地球6.5周分の長さ。米国のハイウェイの各地で使われるETC–世界の一次情報からDXの光を照らす「World DX Journal vol.11」

「データのじかん」の新特集、「World DX Journal」へようこそ!世界中で巻き起こるデジタル変革(DX)のリアルな声を、まるでそこにいるかのように届けます。報道におけるバイアスをそぎ落とし、生の一次情報を根拠に、日本から世界のDX動向をリアルタイムでキャッチ。読者のみなさん、各地のデジタル最前線の情報を通して、世界がどんな風に様変わりしているのか、目撃してみませんか?情報をシェアするだけじゃない、世界を「読む」ことで、これからを生きるヒントを一緒に探していきましょう。さあ、この冒険に、あなたも参加しませんか?第11弾はアメリカ アトランタ在住のデータのじかんFRIENDの原田朋さんがレポート。

         

車社会のアメリカ

「アメリカは車社会」よく聞くフレーズなので、何をいまさらと思うかもしれません。
その車社会を支えてるものが全米に張り巡らされた道路網です。中でも各都市をつなぐハイウェイは、なくてはならないインフラです。

National Highway System (NHS)のハイウェイの総距離は約160,000 マイル(約260,000キロ)だそうです。これは地球を約6.5周する距離に相当します。数字が大きすぎるとイメージができませんが、広大な国を網羅していることがわかります。

今回は全米を網羅しているハイウェイの中の有料道路で使われているテクノロジーについてお伝えします。

時速約90キロで移動する車に課金

アメリカの道路網のうち、有料道路は5,000マイル(約8,000キロ)以上あるようです。
州によってシステムが違うのですが、今回はジョージア州のPeach Passについてお伝えします。アトランタ近郊では55-65マイル(約88-104キロ)ほどの高速移動している車に対してハイウェイ料金の課金をしています。

この課金にはRFIDというテクノロジーが使われています。

RFID(Radio Frequency Identification)について

RFID(Redio Frequency Identification)とは、電波を用いてRFタグのデータを非接触で読み書きするシステムです。

Nexqo.comのHPより引用)

この図にあるように、RFIDのシステムは、以下で構成されています。

・電波を送信し、データを受信するゲートに取り付けられたデバイス
・電波を受信し、データを送信するRFIDタグ
・ゲートで受け取ったデータを処理するコントロールセンター

車のフロントガラスに貼った小さなステッカーの情報を読み取り、ハイウェイの料金が課金されます。

(Peach Passのアプリ)

ユーザーはアプリを通して、アカウントへの残高の入金や、課金された料金の履歴などを見ることができます。

RFIDのメリット

ユーザーのメリット:

・スピードを落とさず課金ゲートを通過できる。
・RFIDタグをフロントガラスに貼るだけ。

運用側のメリット:

コストと正確性が大きなメリットと言えるでしょう。

・精度が高い
・低コスト(料金ブース設置と比較して)
・交通量などのデータがとれる

有料道路の特徴

アトランタ近郊の有料道路には、料金が交通量に応じて変動する『可変料金』と、課金区間が部分的であるという特徴があります。料金は、交通量や道路のキャパシティーなどの要素で変動します。

詳細は、以下URLをご参照ください。

課金区間は部分的で、無料区間と有料区間が交互に続きます。有料レーンと通常レーンの間には仕切りがないため、事前に道路標識を確認し、通常レーンに車線変更する必要があります。

このように、料金が可変し、区間も「一部」なので、RFIDのテクノロジーで、高速移動でも課金されるシステムは運用側にもユーザーにもメリットがあると思います。

ハイウェイの他にも倉庫など在庫管理にも使われているようです。

地球6.5周分の長さ。米国のハイウェイの各地で使われるETCのまとめ

車社会のアメリカを支えるのは地球6.5周分にもなる全米に張り巡らされたハイウェイです。その中の有料道路では、RFIDという技術が使われています。昔ながらの料金所のように支払いのためにスピードを落とすことなく課金できるシステムは、手軽に利用できるメリットがあります。倉庫の在庫管理などにも使われています。使用感を体験してみるのもいいかもしれません。

データのじかんFRIEND:原田朋|Tomoo Harada
在米コンサルタント。商社、メーカー現地勤務など約25年の会社員生活を経て独立。DRM他、多種のマーケティングスキルと実践を通じて培った知見をもとに、企業のアメリカ進出や日米企業の業務改善をサポート。アメリカ生活、ビジネスに関する情報をサイトで発信。
https://atl-concierge.com/(アメリカ生活)
https://excf.atl-concierge.com/(ビジネス)
 
 

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