新しい商品、新しいサービス。さまざまな企業は、常に新しいイノベーションを起こそうと取り組んでいる。
しかし、ただ「売り上げを伸ばしたい」という自社の利益だけを追い求めているだけでは、真のイノベーションは起こせない。今、この社会が何を望んでいるのか。それがわからない限りは、ほんとうのイノベーションは起こらないのだ。
そこで、2017年11月22日、株式会社フューチャーセッションズとCCCマーケティング株式会社がセッションを開催。両社が実際にコラボレーションし、共創型の商品開発を行った経緯と、その内容について明らかにしていった。
今回のファシリテーターは、株式会社フューチャーセッションズの芝池玲奈さん。
フューチャーセッションズは、商品開発や街作りなどのテーマに沿って、多様な人材を招き対話型のプロジェクトを運営するイノベーションプログラム「Future Session」を提供する企業。従来の「会議」ではなく「対話」を中心とすることで、企業や社会が抱えている課題を解決していくという、新しいイノベーションの場を提供している。
CCCマーケティング株式会社は、TSUTAYAや蔦屋書店、Tポイントなどを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブのグループ企業。6,500万人のT会員の購買データを活用したデータベース・マーケティング事業を行っている。
リアルな場での対話というアナログな手法に、データベース・マーケティングという手法を導入することで、どのようなイノベーションが起こるのだろうか。
フューチャーセッションズが得意とするのは、リアルな場を作り、人と人との関係性を紡ぎ、エンゲージメントを高め、実際に行動を起こしていくところ。参加者同士が刺激しあい、新しい発想が生まれ、そこから新しいものにつながっていくことを先導するのが、フューチャーセッションズの役割だ。
イノベーションプログラム「Future Session」は、一見するとアイデアソンやワークショップのようだが、大きな違いがあると芝池さんは語る。
「Future Sessionは、未来に向かって共創し、協力して行動できる状況を生み出す場です。ポイントは「新しい」関係性と「新しい」アイデア。この2つを一緒に生み出すところが大きな特徴です」
アイデアソンやワークショップは、アイデアを出すことを最終目的としていることがほとんどだ。しかし、フューチャーセッションズとしては、アイデアを出すだけでは問題解決にはならないと考えている。
Future Sessionでは、アイデアを実現するためには、一緒に取り組んでいくステークホルダーが必要と考え、参加者同士がいい関係性を築けるようにすることも大事だと考えている。
その際、多様なステークホルダーが集まるということがポイントだが、そのために重要なことは「問いを変える」ということ。
たとえば、子育て環境をよくしたいと問いかけると、子育て中の方はなんとかしたいと自分ごととして考えられる。しかし、子育てをしていない若い世代や、子育てに関心のない男性などには届かない。そこで「問いを変える」のだ。
「子育て環境をどうすればよいだろうか、という問いでは当事者しか集まりません。しかし、子どもが真ん中で輝く街をデザインするにはどうすればいいのだろうか、というように、子育て環境の話から街のデザインの話に少し抽象度を上げることによって、街づくりの話だったら自分も一緒に何かできるのではないかというように、幅広い人が興味を持てるようになります」
もうひとつのポイントが「未来思考で考える」ということだ。
「現状の問題解決をするのではなく、こんな未来を作りたいというビジョンを描き、未来から逆算して考えることで、創造的に戦略を作っていくことを行っています」
現状だけを見渡すと、お金がない、人がいないなど、さまざまな理由によって頓挫してしまうことがある。
しかし「こんな未来を作りたい」と絵を描き、そこから逆算して成立条件を探し、それを実現するために何ができるのか。そのような未来思考の考え方が重要だと芝池さんは語る。
多様な人を招き入れ、対話のなかでお互いを理解し、アイデアとアクションを生み出す。そこに、CCCマーケティングのデータベース・マーケティングを活用していこうというのだ。
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