

目次

まずは「データ界隈100人カイギ」発起人であるウイングアーク1stの野島光太郎さんによる挨拶からスタート。「データ界隈100人カイギ」の開催背景と、目指しているコンセプトについて語りました。
「データ界隈100人カイギ」は、100人の登壇者を迎えたら解散する「100人カイギ」のフォーマットを導入した、期間限定の学びの場となっています。
「データを捨てよ、街へ出よう」を合言葉に、データに関わるさまざまな人材が集い、立場や業界を超えてつながる共創のきっかけとして、存在していることに言及しました。
それぞれの組織の中でサイロ化されている知見を乗り越え、現場のリアルな声と出会い、新たな発見や連携を生み出していこうとしています。

ウイングアーク1st 野島光太郎さん
また、会場にはセレンディピティ(偶然の出会い)のきっかけとなる書籍をご用意し、お好きな1冊を参加者にプレゼントしました。

今回は、登壇者やキュレーターのおすすめ書籍を集めました
ここで「データ界隈100人カイギ」の目的である「立場や業界を超えたつながりの創出」に向けて、アイスブレイクをはさみました。
会場内の同じテーブルに着席していた参加者同士で自己紹介と名刺交換をしながら、挨拶を交わします。初めて参加した方も多く「職場以外のコミュニティで学びたい」「知人に誘われて初めて来た」という声が聞かれました。


株式会社データパレード 石井 亮介さん
10分ほどのアイスブレイクの後、いよいよ本日のキュレーターである株式会社データパレード 石井 亮介さんが登壇。石井さんはデータ分析専門企業である株式会社データパレードの代表取締役を務める一方で、幼なじみが経営している中華料理店「一番飯店」のデータ分析・活用にも携わっています。
きっかけは「一番飯店のHPを作ってほしい」という幼なじみからの依頼でした。Google Analyticsでアクセスデータを可視化し、改めてデータ分析のおもしろさを実感した石井さん。「好きな題材をテーマにすると、遊び心が持てる!」と気づき、「町中華×データプロジェクト」を自ら立ち上げることに。
幼い頃から通っていた町中華「一番飯店」は愛着があり、今までに何千回もラーメンを食べさせてもらった思い出のある店。そんな店への恩返しとして、楽しみながらデータ分析・活用を進めることになりました。
最初に取り組んだプロジェクトは、デジタルオーダーシステムの開発です。これまでは手書きの紙伝票を使用していたため、「読めない」「オーダーと違うメニューになっている」などの課題が発生していました。
システム導入によって、誤発注の減少はもちろん、料理の提供時間の詳細な分析が可能に。さらに詳細なデータによって売上拡大を狙うなど、経営戦略への貢献にもつながっていきました。
他にもInstagramの投稿データを分析し、来店意欲の高いファン獲得を目指したKPIを設計。数字の推移を見ながら、改善を続けています。
さらに大学でデータサイエンスの講師も務める石井さんは、こうした活動から得た知見を授業に還元。“町中華”という身近なテーマを教材に、実践的なスキルを身につける教育の機会を生み出しています。
石井さんの次なる野望は、すべての町中華に開発したデジタルオーダーシステムを使ってもらうこと。全国の町中華文化をデータとして可視化する、オープンデータを構想中です。


株式会社東急コミュニティー 鎗野 真次(やりの しんじ)さん
続いて登壇したのは、株式会社東急コミュニティーの鎗野 真次さん。オフィスや商業施設、スポーツクラブ、空港などの大型施設での設備管理に従事しています。
鎗野さんが挑んでいるのは、センサーやカメラによる遠隔操作を可能にするIoTと、情報を分かりやすく伝えるICTをかけ合わせた「DXによる管理業務の変革」です。
ご紹介いただいたのは大阪・関西万博「ハンガリーパビリオン」におけるDXプロジェクト。ハンガリーパビリオンには厨房が入っており、排水を工夫する必要がありました。
そこでパビリオンをスムーズに運営するために、IoTセンサーを導入。油分を分離させて排水するグリストラップの満水検知や、冷蔵庫の故障検知、給湯器温度の異常検知などに使用し、クラウドを通じて異常を検知する通知システムを構築しました。
さらにデジタルツイン技術を活用し、建物の3D可視化を実施。異常が発生している場所をGoogle ストリートビューのように画像で表示させ、Teamsで情報を共有します。すぐに確認できるため、現場と管理者である鎗野さんとのコミュニケーション効率が高まりました。
建物管理業界では、人材不足が大きな課題です。現場で起こっていることがダイレクトに管理者にも伝われば、解決スピードも加速していきます。鎗野さんは「DXを活用し、新たな建物管理の手法を提案しながら、変革を進めていきたい」と語りました。



日本Tableauユーザー会 永瀬 宗彦さん
次に登壇したのは、日本Tableauユーザー会の永瀬 宗彦さん。ビジネスで扱うデータを多様なグラフやダッシュボードに可視化するツール「Tableau」のユーザー会で、コミュニティを主催しています。
Tableauコミュニティは熱狂的な参加者が多く、活動も活発ですが、以前は地方のユーザーと都心のユーザーの取り組み方に“温度差”がありました。そこで、全国のTableauユーザーで集まって「Tableauを使い、共通のテーマで何かを作ろう」と声が上がり、「ラーメンマップを作るのはどうだろう?」ということに。こうして、世界ラーメンマップ作成プロジェクトが誕生しました。
そこで130ヶ国以上からラーメンの好み、食習慣に関するアンケートデータを収集。GoogleマップのAPIによってラーメン店の分布も調査し、高評価・低評価も表示できるようにしています。グローバル視点で見ると海外では「豚骨・しょうゆ味」のラーメンに人気があり、夕食時にラーメンを食べる傾向にあることも分かりました。
ユーザー会同士の連携と、オープンデータ活用のためにスタートした「ラーメンマップ作成」でしたが、現在はその役割を終えています。
しかし、永瀬さんはひとりでマップ作成を継続。「今日はデータはおもしろいものなのだと、お伝えしたかった!」と笑顔を見せながら、発表を終えました。



自治体職員 矢部 弦也さん
3人目の登壇者は自治体職員の矢部 弦也さん。データビジュアライゼーションを趣味とし、日常の興味や疑問をデータで探っています。
矢部さんが今回共有した事例は、ラブホテルの分布データ。東京都23区内での密集地域や、都道府県別の人口あたりの店舗数を可視化するだけでなく、各地の出生率との相関関係を散布図に示して比較しました。
加えて全国約5000件のラブホテルの名称をテキストマイニングで分析。生成AIで新たなラブホテル名を生成してみるなど、何気ない好奇心をデータという切り口で追いかけています。
矢部さんは、こうした結果をSNSで発信し、一歩踏み出してみたことで「人生がおもしろくなった」と述べました。
noteに分析記事を投稿した当初は月106PVでしたが、3年後には16万PVを達成。発信内容にも自信が付き、コミュニティへやLT(ライトニングトーク)にも積極的に参加するようになりました。
さらにオープンデータハッカソンへの参戦、民間企業への兼業などのチャンスにも恵まれ、新たな扉が開き始めています。今後は矢部さん自身の「挑戦する姿勢」を見てもらい、自治体全体の活性化につなげていきたいと考えています。



TFHD digital 株式会社 BeesConnectグループ 福村 英之さん
そして、TFHD digital 株式会社 BeesConnectグループの福村 英之さんが登壇。フィットネスクラブのフロントスタッフだった福村さんが、どのように専門外のIoTと出会い、自作センサー開発に至ったのかについて語りました。
フロントスタッフは、会員からさまざまな要望を突きつけられます。中でも設備トラブルに関する対応件数が非常に多く、福村さんは自ら対応に追われていました。自主的な仕事ぶりが評価され、福村さんは設備管理部門へ異動。そこで本格的にIoTを活用することになり、プール・浴槽の水質管理や、水光熱費の削減に取り組みました。
当初は失敗も多く、異常検知が自分だけに通知されて、他は誰も異常に気づいていなかったことも。週末になると自宅のベランダでハンダづけを繰り返し、IoTシステムの開発に取り組みました。
最近ではハンダづけのスキルも大幅に向上。センサーから取得したデータを処理し、可視化しているほか、カメラを使った画像処理によるIoTシステムも開発しています。
最後は、この日のために新たに作った「人感知センサーによるデモ」を実演していただきました。人の動きや呼吸をリアルタイムで検知し、可視化画面に表示されるデバイスが登場すると、会場からは驚きの声が。「興味があれば、絶対できるようになる。ぜひ、ハンダにチャレンジしてほしい」と語る福村さんに、大きな拍手が送られました。


誰でも手に入る材料で作成した「人感知センサー」
講演終了後には、株式会社ギミックプロジェクト 代表取締役 山口 純平さんによる振り返りと、ご挨拶がありました。
中堅・中小企業向けのITツール導入を通じて、企業経営のサポートに携わっている山口さんは、関西エリアでSalesforceユーザー会を立ち上げた第一人者でもあります。
町中華への想いや、大阪・関西万博での創意工夫。ラーメンデータへのこだわり、ラブホテルから見る独自の世界観。そして、センサーを手作りする情熱──1人ひとりが大切にしてきた”おもしろさ”への共感と、激励のメッセージをいただきました。

株式会社ギミックプロジェクト 山口 純平さん。「京都出身なのでラーメンは天下一品で!」

講演後には毎回「データ界隈懇親会」として、ネットワーキングの時間が設けられています。山口さんが乾杯の音頭を取り、参加者、登壇者、キュレーターが一体となって交流を深めました。

初回の開催から3回目を迎えた「データ界隈100人カイギ」。テクノロジーやDXの発展を促し、データの価値を最大化するには「人と文化」が欠かせません。
会場では、高い熱量でデータに携わる登壇者の姿に刺激を受け、「さっそく何か始めてみたい」と語り合う様子もありました。
多様な立場の実践者がアウトプットを重ねていくことで、新たなイノベーションが生まれる可能性を感じた1日となりました。
次回の開催は、少し期間が空いて3月19日(木)に開催いたします。次回は法人番号株式会社 吉田裕宣(マエス)さんをキュレーターに、テーマを「オープンデータ界隈」として開催。
石井亮介さんの中華料理店のオーダーシステムから始まり、趣味と実益半々でデータに触れることが多い石井さんの周囲には、データを面白く活用している方がたくさんいます。そんなデータのオモシロさに夢中な方々をゲストに、データの活用方法やデータとともにある遊び心を紐解きます。データの活用の仕方を知りたい方、生活の中にあるデータに関心のある方、必見の会です。
書き手:林 美夢
データ界隈100人カイギ コミュニティマネージャー/ライター
合同会社キクカクCEO。エン・ジャパン株式会社を経て、ライターとして独立。採用広報やコンテンツマーケティング領域でのインタビュー記事・コラム執筆などに携わる。2021年から4年間、オンラインコミュニティ内限定の音声コンテンツを平日毎日配信。「人の語りを聞き続ける」ことで、コミュニティ内の関係性にポジティブな変化が生まれると気づき「聞くこと/書くこと」に一層の関心を抱くように。2025年5月合同会社キクカクを設立。引き続きコンテンツマーケティング、実践コミュニティの企画運営に携わっている。

| イベント名 | データ界隈100人カイギ#04「オープンデータ界隈」 |
|---|---|
| 開催日時 | 2026年3月19日(金) 18:30~21:00 |
| 会場 | ウイングアーク1st株式会社コラボスペース 〒106-0032 東京都港区六本木三丁目2番1号 六本木グランドタワー36階 |
| 主催 | データ界隈100人カイギ運営事務局 |
| 対象者 | データに携わる全ての方 ・ITツールベンダー ・コンサルタント ・Chief Data Officer(CDO) ・データサイエンティスト ・エンジニア ・ビジネストランスレーター など |
| 参加費・定員 | ・現地参加:1,000円(定員:40名) ・学生の方:現地無料(定員:10名 ※各5名) |
| URL | 2026年3月19日開催|データ界隈100人カイギ#04|オープンデータ界隈 |
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