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引越しシーズン!“見えない値上げ”が進行中?家賃より厄介な「共益費・管理費・修繕積立金」の話

引越しシーズン!“見えない値上げ”が進行中?家賃より厄介な「共益費・管理費・修繕積立金」の話

「家賃は上がっていないはずなのに、毎月の支払いがなんだか増えている気がする」
そんな実感はありませんか?

実は今、家賃そのものよりも、共益費・管理費・修繕積立金といった“周辺コスト”がじわじわ上がっているのです。この“見えにくい値上げ”が、都市部に住む人の家計に少しずつ負担を与えています。

さまざまなデータから、住宅費のリアルな変化を読み解いてみましょう。

         

共益費込みで見ると、家賃の上昇幅はもっと大きい?

まずは賃貸から見てみましょう。

家賃情報サイト「アットホーム」の調査によると、2015年を100とした家賃指数は主要都市の多くで過去最高を更新。東京23区では単身向け・ファミリー向けともに上昇が続き、平均募集家賃は2015年以降で初めて月10万円を突破しました。

この家賃上昇は家賃本体(賃料)だけでなく共益費・管理費の影響が大きいのです。

リクルートの「2024年度 賃貸契約者動向調査(首都圏)」によると、首都圏の平均家賃は96,082円(前年より+3,500円)、共益費・管理費は6,177円(同+600円)
両者を合わせた総支払額は10万2千円に達し、2005年度以降で過去最高を記録しました。

しかも共益費を“別途徴収”する物件の割合は増えています。

2005年度には約30%あった「共益費なし物件」が、2024年度には17.4%まで減少。つまり8割以上の賃貸物件で家賃以外の支払いが発生しているのです。

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なぜ共益費が上がるのか?

共益費とは、建物の共用部(エントランス・廊下・エレベーターなど)の光熱費や清掃費、管理人の人件費などをまかなう費用です。

ここ数年、この共益費が静かに上昇しています。理由は3つあります。

1. 電気代・水道代など光熱費の高騰

共用部分の電気や水道もエネルギー価格の上昇に直撃。管理会社が料金を据え置けず、共益費の値上げを余儀なくされています。

2. 人手不足による人件費アップ

清掃・管理人業務の人手不足により、委託費が上昇。管理業者がオーナーへ値上げを提案するケースが増えています。

3. 管理会社の統合・再編によるコスト構造の変化

管理会社が再編を進める中、一定のサービス品質を維持するために契約単価が上がる傾向があります。

オーナー側が「家賃は上げにくいが共益費なら調整しやすい」と判断し、共益費だけ数千円上げる事例も見られます。これが、入居者の「家賃は変わらないのに支払いが増えている」という体感につながっています。

分譲マンションも“管理費・修繕積立金”が上昇中

次に、持ち家(分譲マンション)のケースを見てみましょう。

こちらも家を買った後の「ランニングコスト」が確実に上がっています。LIFULL HOME’S不動産総研によると、首都圏(1都3県)の中古マンション(築11~20年)では、修繕積立金が2010年から15年で月約4,000~5,000円上昇。築30年前後のマンションでは管理費+積立金の合計がピークを迎える傾向があります。

国土交通省の調査では、

「新築時の修繕積立金から最終段階までに平均3.6倍に増額」
「一部では当初の10倍超に達する事例も」

と報告されています。

つまり、新築購入時には月7,000~8,000円だった積立金が、築20年で2万円を超えることも珍しくないのです。

さらに修繕に必要な人件費や原材料の値上げも続いており、国交省の推計によると、全国のマンションの約37%が将来的に修繕積立金不足に陥るリスクがあるとされ、今後も管理費・修繕積立金の増加トレンドは続きそうです。

築年数によって異なるコストカーブ

マンションの管理費・積立金には“典型的なパターン”があります。

特に築25~30年を超えるマンションでは、管理会社の人件費・資材高騰が再びコストを押し上げています。

首都圏では築30年を境に管理費が再上昇する「U字カーブ」を描くことが多く、
古い建物ほど共用設備の更新費・修繕費が増えるため、結果的に月々の支払額が下がらない構造になっています。

管理費値上げが止まらない?管理会社の“コスト構造”

マンションの管理費の値上げも進んでいます。

その背景には、下記の三つの理由が挙げられます。

● 清掃・警備などの外部委託費上昇
● 人件費・資材費の高騰
● 管理人確保の難しさ

それでも値上げが実現しない場合、修繕工事の先送りや管理品質の低下に直面するマンションもあります。

今後も管理費・積立金の増額が避けられない見通しです。

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「支払い総額」で見ないと実態が見えない

ここまで見てきたように、家賃や管理費などの“本体価格”では見えないところで、
実質的な負担は確実に増えています。

● 賃貸では、共益費込みの総支払額が2015年比で約10~15%上昇
● 分譲では、修繕積立金が新築時の3~4倍に
● 管理費・共益費の“徴収なし物件”は2割未満に減少

家を借りるにも、買うにも、いま必要なの「総額で見る視点」です。家賃検索サイトで「管理費込み」と明記している物件が増えているのも、その流れを反映しています。

支払い総額は上がってもサービス品質は上がらない

ここまでご紹介したとおり、管理費や修繕積立金、共益費の値上げは、人件費や電気代、原材料費などの値上げによるものです。つまり、値段が上がったからといってサービスの品質が向上するわけではない点に注意が必要です。

基盤となるコストの高騰に、管理費や共益費の値上げが追いつかない場合は「値段は上がったのにサービスの品質は悪くなる」という可能性も。インフレが進む中、この傾向はまだまだ続きそうです。

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“トータルコスト”で住まいを考える時代へ

これから家を借りる人・買う人にとって重要なのは、「家賃や物件価格」ではなく「総支払額(ランニングコスト含む)」で判断することです。

賃貸なら、家賃+共益費・更新料・火災保険料まで含めた月平均コストを。
分譲なら、管理費・修繕積立金・駐車場代・固定資産税まで視野に入れて。

いまの住宅市場は、「安い家賃・安い管理費」は“今だけ”というケースが増えています。
長く暮らすほどに差が出るのは、“初期費用”より“維持費”なのです

物価や人件費が上がり続ける中、住宅コストも例外ではありません。家賃という単語の裏に隠れた「共益費」「管理費」「修繕積立金」の動きを知ることが、これからの住まい選びの第一歩です。

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(大藤ヨシヲ)

 

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