CIO Japan Summit 2024/CISO Japan Summit 2024|日本のITリーダーたちが描くデータが紡ぐ社会とは? | データで越境者に寄り添うメディア データのじかん
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CIO Japan Summit 2024/CISO Japan Summit 2024|日本のITリーダーたちが描くデータが紡ぐ社会とは?

企業や組織の情報戦略を担当する「CIO」は、IT(情報技術)の戦略、システム導入、IT関連の経営方針や資源の最適化などを統括する重要な役割を持つ役職です。近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)が経営課題として注目される中、CIOの役割はさらに重要となっており、ITだけでなくビジネス全体の戦略や方向性に影響を及ぼす存在として位置づけられています。そんな中、今回は悩めるCIOのために、2024年5月14日と15日に開催される、日本の情報システム部門の統括責任者が集うITリーダーのための首脳会議「CIO Japan Summit 2024」について紹介します。

         

「CIO Japan Summit 2024」とは?

「CIO Japan Summit 2024」は、環境や時代の変化に合わせて進化し続ける経営課題に焦点を当て、競争力を強化し課題解決へ導く事業戦略の支援を目的としています。講演を通じて最新の情報や知識を学ぶだけでなく、One-to-One meetingsを通じて企業間の成長を促す連携の可能性を探ることもこのイベントの目的です。

このイベントは、2024年5月14日(火)と15日(水)に、東京都文京区のホテル椿山荘東京で開催されます。今回で17回目を迎えるCIO Japan Summitでは、講演者14名と、企業のIT部門責任者やIT関連サービスを提供するソリューションプロバイダーが一堂に会し、「密な連携と多様な視点」をテーマに現在の市場環境下での課題やビジネスチャンスについて議論します。

開催中は、講演、ディスカッション、One-to-One Meetings(商談会)、およびお食事交流会を通じて、現在取り組んでいる課題や問題の解決を図りつつ、国内有数の企業のCIOやIT・情報システム部門の統括責任者との繋がりを深める絶好の機会となります。

参加資格は、IT部門の統括責任者、またはソリューションプロバイダー企業としてであり、双方が交流を深めることで得られるメリットが期待されます。

IT部門統括責任者

日本を代表する企業のIT部門の責任者の方が対象です。講演、食事会、参加者同士のディスカッション、ソリューションプロバイダー企業とのミーティング等を通じて最新の知見を得ると共に新たな人脈の拡大に活用できます。

ソリューションプロバイダー企業

IT関連のソリューションをもつ企業が対象です。聴講者側として参加されているトップ企業のIT部門の決裁権者と一対一で商談できる機会があります。

「CIO Japan Summit 2024」の主要議題

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「CIO Japan Summit」は、毎回主要な議題を設定し、回を重ねるごとにそのテーマを日本のデジタルトランスフォーメーション(DX)の進化に合わせて高度化していきます。しばしば遅れていると見なされる日本のDXですが、黎明期を終え、守りの姿勢から攻めのDXへと移行する過渡期に入ろうとしています。

・データが紡ぐ社会:

都市集中から地域・海外分散へと進む中、データで人や事業を結んでいく

・DX時代のリスキリング:

未来の事業に必要なスキルを持ち、価値を発揮し続けることができるよう再開発する

・生成AIとの共存:

技術とビジネスの融合を通じて革新的な成果を生み出す

・データで示す経営指標:

経営戦略の主軸にデータを据え、CIOが企業の舵取りを担う

・未来を彩るダイバーシティ:

デジタル変革の中で組織やビジネスに新しい視点や力をもたらす可能性を探る

・情報の国境のない世界:

データの囲い込みから流動的な活用へ転換し、グローバル標準に基づくデジタルの発展を促進する

豪華な登壇者による特色豊かなプログラムが2日間にわたって開催

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最新の動向と展望に精通しているだけでなく、鋭い洞察力を持つCIOの専門家たちが、現在の市場環境下で直面している課題や、潜在的なビジネスチャンスについて、講演、ケーススタディプレゼンテーション、パネルディスカッションを通じて活発に議論を展開します。

議長

JNSA(日本ネットワークセキュリティ協会)
CISO支援ワーキンググループ リーダー、副会長
高橋 正和 氏

[プロフィール]
ソフトウェア開発、品質管理などを経て、1999年よりセキュリティベンダ(ISS社)でコンサル事業、MSSの立上げ等を担当。2006年よりマイクロソフト社でCSAとして企業や公共機関のセキュリティ対策を支援。2016年 自ら対策を実践することを決断し、Preferred Networks社CSOに就任。2023年よりセキュリティアークテクト、シニアアドバイザー。2006年 JNSA副会長。2016年CISO支援WGを設立。2021年「CISOハンドブック」、2023年「CISOのための情報セキュリティ戦略」を出版。

 

 

フジテック株式会社 デジタルイノベーション本部 専務執行役員
友岡 賢二 氏

[プロフィール]
1989年3月早稲田大学商学部卒業。同年4月松下電器産業(現パナソニック)入社。独英米に計12年間駐在。2012年ファーストリテイリング入社、業務情報システム部 部長。2014 年フジテック入社、現職。

 

 

基調講演

サイバー攻撃の侵入手口の変化に関する「時系列」と「図解」

サイバーディフェンス研究所 専務理事 / 上級分析官
名和 利男 氏

[プロフィール]
海上自衛隊において護衛艦の戦闘情報中枢の業務に従事した後、航空自衛隊において防空指揮システムのセキュリティ担当業務等に従事。その後JPCERT/CC等での経験を経て、サイバーディフェンス研究所に参加。専門分野であるインシデントハンドリングの経験と実績を活かし、CSIRT構築、サイバー演習の支援サービスを提供。最近は、サイバーインテリジェンスやアクティブディフェンスに関する活動を強化中。

 

[プログラム概要]
コロナ禍を通じて、サイバー攻撃者の侵入手口が大きく変容し、VPN脆弱性や多要素認証の回避などが横行しています。このような変容するサイバー脅威を適切に把握および理解し、対策の検討に資するべく、「時系列」と「図解」を交えて攻撃の戦術・技術・手順の変化を分かりやすく解説いただく貴重なセッションです。近年、地政学リスクに起因するサイバー脅威の増加、デジタル化・DX推進と比例する不正侵入を許す領域の拡大、多種多様なサイバー攻撃の頻発が常態化しています。しかし、これらに関する行政機関や報道機関からの信頼できる情報が乏しいため、経営層や政治家自らが、サイバー脅威を網羅的かつ適切に理解する努力をすることが極めて重要です。講演では、サイバー攻撃者による検知回避を進展させている実態や、異なる能力と得意分野を持つランサムウェア攻撃グループによる被害組織に身代金を支払わせる創意工夫などを率直にお伝えします。その上で、デジタル化が加速する世の中では、不正侵入を許す領域が拡大し、サイバー攻撃が事業・業務に深刻な影響を与える実態をCIO, CISOこそ強く認識し、組織を守るための覚悟と努力が急務だとメッセージを放ちます。

・「地政学リスク」に起因するサイバー脅威
・セキュリティ検知を回避する「戦術・技術・手順」
・「CISO」の苦悩と打開(周囲の巻き込み方)

 

借金10億円の旅館再建:女将のIT奮闘劇

株式会社 陣屋 鶴巻温泉 元湯 陣屋 代表取締役 女将
宮崎 知子 氏

[プロフィール]
大学卒業後メーカー系リース会社にて営業職に7年間従事し、結婚を機に退職。 サービス業未経験のまま2人目の出産2ヶ月後の 2009 年 10 月に、倒産の危機 にあった鶴巻温泉元湯陣屋の女将に就任。夫・宮﨑富夫氏とともに業務改善のため、クラウド型ホテルシステム「陣屋コネクト」を独自開発し、ICT を活用した データ分析とおもてなし向上を実現。2012 年 CRM ベストプラクティス賞受賞(CRM 協議会)。2015 年 攻めの IT 経営中小企業百選 選定(経済産業省)*宿泊業では唯一。 2018年はばたく中小企業・小規模事業者300社 選定(中小企業庁) 。2018 年 日本サービス大賞 総務大臣賞受賞(日本生産性本部)。

 

[プログラム概要]
神奈川県鶴巻温泉の旅館「元湯 陣屋」の4代目女将、宮崎知子氏は元々サラリーマンの妻でしたが、ある日突然創業100年を超える老舗の「女将」として新たな人生の舞台に立ちました。当時の陣屋には10億円もの借金があり、半年後には倒産するかもしれないという危機に瀕していました。崖っぷちから、わずか3年でITをフル活用し経営を立て直すことに成功しました。

旅館内に残っていた古き伝統を一掃。紙ベースの伝言、昔ながらの持ち場制等の問題に焦点をあて、情報共有のIT化による情報格差をなくし、従業員のマルチタスク化を図りました。加えて旅館業では異例の週休3日制や有休完全消化など驚くべき働き方改革を実施しました。

本講演では、宮崎氏がどのようにしてITを駆使して経営を変革したのか、泥臭いお取組み内容も含め、全貌をお話し頂きます。

200年、300年と続く旅館業が時代に合わせてITを駆使し進化したエピソードは、IT改革に奮闘するものたちへ勇気や気づきを与えてくれるでしょう。

 

町工場のDX: 元主婦2代目女性社長の奮闘物語

ダイヤ精機株式会社 代表取締役
諏訪 貴子 氏

[プロフィール]
1971年東京都生まれ。成蹊大学工学部卒業後、ユニシアジェックス(現・日立Astemo)でエンジニアとして働く。32歳(2004年)で父の逝去に伴いダイヤ精機社長に就任。新しい社風を構築し、育児と経営を両立させる若手女性経営者として活躍中。日経BP社「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2013」大賞を受賞。NEWS ZERO」や「日曜討論」等のメディアに多数出演し、中小企業の現状を伝えている。

 

[プログラム概要]
精密金属加工のダイヤ精機は東京都大田区の小さな町工場です。2代目社長、諏訪貴子氏は先代の父の急逝に伴い、主婦から経営者に転身した異色の経歴の持ち主です。企業の未来を切り拓くための興味深い挑戦に取り組んでいます。本講演では、社内のIT改革により低コストで収益改善に成功した実践事例や、中小企業が生産性向上のために不可欠なDX化の推進、デジタルと経営の融合を実現する手法についてご紹介いただきます。また従業員半数以上を若手にし、風通しの良い環境づくり、技術の継承、経営情報の共有など、成功の鍵を余すことなく語って頂きます。同社はいまや、受け身の「待ち工場」ではなく「積極的に発信する町工場」として存在感を高め、政府会議での発言まで果たしています。普通の主婦から社長への転身、ピンチの乗り越え方、20年にわたる社長業の取り組みは、中小企業だけでなく、あらゆる組織・経営にとって示唆に富んだ内容となるでしょう。

・町工場のDX化について
・風通しの良い職場環境づくりについて
・中小企業の活性化とこれからの企業経営について

 

ケーススタディプレゼンテーション

企業が提供する価値×デジタル化:本質的変革の奥深さについて語る

ロート製薬株式会社 CIO
板橋 祐一 氏

[プロフィール]
1985年化学系エンジニアとして富士フイルム入社。R&Dにてマイクロカプセルを使った画期的デジタルカラープリント技術を開発。 事業化のためR&Dからイメージング事業部に移り、写真のデジタル化に伴う本業喪失の危機の中でデジカメやデジタルプリントシステムの商品化・マーケティングを経て事業変革に取り組み、チェキ事業の再生もけん引。 その後デジタルマーケティング戦略室長としてデジタルを活用した同社の経営変革に貢献。 2021年ロート製薬入社、執行役員CIO/DX推進オフィサーとして同社のデジタル変革を推進。

 

[プログラム概要]
板橋氏は富士フイルムで事業そのものが写真フィルムからデジタルカメラに移行し、企業として提供する価値がデジタル化する経験を得ました。現在はロート製薬のCIOとしてDXの推進を担っています。しかし同社主力製品のようなアイケアやスキンケアなどの商品やビジネスモデルそのものの直接デジタル化は困難です。板橋氏はデジタルを活用して社員の働き方や仕事の仕組みを変革し、またデジタルを既存製品やサービスと組み合わせることで新たな価値を加えることが今の同社にとってのデジタル化であると捉えています。デジタル化可能な事業と不可能な事業の双方からの視点で、本質的なデジタル化について深く考察します。

・デジタル化によっておこるイノベーションのプロセス
・デジタルトランスフォーメーションとは
・生成AIなどの新しい技術との向き合い方

 

選ばれる都市を目指して:DX推進によるさいたま市の展望

都市戦略本部 情報統括監
小泉 浩之 氏

[プロフィール]
1989年さいたま市(当時:大宮市)に入庁。行財政改革、出納部門や区役所等を経て、2024年4月にCIOである情報統括監に就任。昨年度まで在籍していた都市経営戦略部では、市の重要施策に関する庁内の総合調整等に携わってきたところであり、現在、あらゆる施策に精通した幅広い視点を活かして、DX推進の陣頭指揮を執っている。より一層の「住民サービスの向上」と「業務の効率化」に向けて、本市におけるDXの歩みをさらに加速させるため、デジタル技術の活用による「変革」を意識し日々奮闘している。

 

[プログラム概要]
「全国自治体DX推進度ランキング2023」で1位を獲得したさいたま市がご登壇します。コロナ禍で顕在化したデジタル化の遅れや、社会全体のデジタル活用に対応するため、市長をトップとする全庁横断のDX推進本部が設立され、デジタルを活用した効率的で的確な行政を目指しています。行政手続の市民負担軽減やデータの蓄積・活用による市民ニーズの課題解決、スマートシティ構築などに積極的に取り組んでいます。庁内向けにはRPA導入による年間8800時間分の業務効率化やAIの活用、ペーパレス活動など、バランスよく広範な施策を展開。まさに「データが紡ぐ社会」の模範例となるさいたま市より、DX取り組みのきっかけ、8つの方針に基づくデジタル推進の具体事例、そして次なる目標についてお話頂きます。

・本市のDXコンセプトである「さいたまデジタル八策」
・デジタルデバイド対策の取組について
・EBPMに資する「さいたまシティスタット」について

 

全社文化改革:デジタル・AIを駆使し、お客様へ新たな付加価値を創造したい

ヤンマーホールディングス株式会社 取締役 CDO
奥山 博史 氏

[プロフィール]
総合商社にて化学品の営業、スイスにある化学品トレーディング会社でCFO、外資系戦略コンサルティングファームを経て2015年ヤンマーホールデングスに入社。グループ全体の経営企画・マーケティング部門を担当したのち、建機事業を4年間率い、その後ヤンマーホールディングスに戻り2022年6月取締役CDO(新設)に就任。東京大学理学修士・コロンビア大学経営学修士(MBA)

 

[プログラム概要]
「デジタル・AIを最大限活用しないとお届けできないような付加価値をつくり出し、それを通じてお客様に貢献する。」というデジタル戦略を掲げるヤンマーホールディングス。同社の取締役CDOである奥山氏より、事業戦略・オペレーションを起点とした現場主体のアプリ・分析手法の開発推進や、そのグローバル展開に加え、現場のアーリーアダプターを中心としてデジタルマインドやデータ活用・分析のケイパビリティーを全社的に向上させ、文化の変革までつなげようとする取り組みについて語って頂きます。注目すべきは、製造現場や営業・サービスの拠点での草の根のDX活動。デジタルに意欲的な社員・アーリーアダプターを集中的に育成し、そこで自社のユースケースを作って横展開し、裾野を広げるための様々な活動を展開します。デジタルリテラシーの低い中間層や経営層に対しても、トレーニングやマインドセットの変革を含む総合的なサポート体制を整え、勉強会や各成功事例の共有会を行い、会社全体をデジタル化へと導いています。本講演は、デジタル・イノベーションを推進する方法についての一つの取り組み事例となることでしょう。

・全社の文化変革
・現場のアーリーアダプターの集中育成
・自社のユースケースを中心とした裾野拡大

 

DXトップ企業の秘密解剖:業界最後発が生むデジタル戦略

トラスコ中山株式会社 取締役 経営管理本部 本部長 兼 デジタル戦略本部 本部長 兼
オレンジブック本部 本部長
数見 篤 氏

[プロフィール]
1993年トラスコ中山に入社。約13年営業畑を歩み、2006年大阪支店支店長、2014年eビジネス営業部部長、2017年執行役員情報システム部部長に就任。2024年4月からは取締役として経営管理本部、デジタル戦略本部、オレンジブック本部の3つの部署を率いる傍ら、JSUG(ジャパンSAPユーザーグループ)会長、名古屋大学准教授も務める。

 

[プログラム概要]
デジタル変革の頂点に輝くDXトップ企業、トラスコ中山。そのリーディングカンパニーのデジタル部門をけん引する数見氏に、変革組織風土や人材、データドリブンなど、余すことなくお話し頂きます。同社は「がんばれ‼日本のモノづくり」を企業メッセージに掲げる機械工具の卸売業。お客様に「必要なときに」「必要なモノを」「必要なだけ」お届けするため、全国に28か所の物流センターを構え、約60万アイテムという業界でも圧倒的な在庫を保有。商品・物流・販売にデジタルを掛け合わすことで自社のみならず、サプライチェーン全体の利便性の向上に努めています。「デジタルはあくまでも手段であって目的ではない」と語る数見氏のデジタル戦略についてご解説頂きます。

 

「豊かでかっこいい国」を目指して:日本変革リスキリング

住友生命保険相互会社 エグゼクティブ・フェロー デジタル共創オフィサー
デジタル&データ本部 事務局長
岸 和良 氏

[プロフィール]
住友生命に入社後、生命保険事業に従事しながらオープンイノベーションの一環として週末に教育研究、プロボノ活動、執筆、講演、実家を継いだ週末兼業農業を行う。2016年から健康増進型保険“住友生命「Vitality」”の開発責任者を担当。現在はデジタル共創オフィサーとして、デジタル戦略の立案・執行、パートナー企業や自治体などとの共創活動、社内外のDX人材の育成活動などを行う。「1日でDXが語れる」がキャッチのDXマインドセット研修の受講者は全国1000人以上、プロデュースする「DXビジネス検定」の受講者は年1万人。著書に『DX人材の育て方』(翔泳社)、『実践リスキリング』(日経BP社)などがある。

 

[プログラム概要]
デジタルの進化がサービスや商品設計のあり方を変え、新たな価値を求められるグローバルなビジネス時代。しかしながら、特に伝統的な大企業では変化に鈍感であり、人材の流動性の低さや縦割りの組織体制が変革への大きなハードルとなっています。この状況下で、日本が変革にどう対応していくべきか、その具体的な事例を紐解く中で、新しいビジョンへのヒントを得ることができるでしょう。今回ご登壇いただく岸氏は、伝統的な枠にとらわれず、デジタルとAIの力を駆使して、保険業界の常識を覆す新しい保険サービスを開発しました。 成功に導くためには、「ビジネスの観点(消費者視点)で商品開発のできるデジタル人材」が必要であると捉え、社内リクルートや教育プログラムの開発を通じて、デジタルとビジネスの融合、そして消費者の視点を結び付けて考えることのできる優れた人材を育成しています。加えて、新しいアイデアや知識を柔軟に発想できるよう、自分自身も大企業の枠組みにとらわれず、部門の壁を越え、時には組織の壁も越え、越境して学び続けます。まさに今は攻めのDX、つまり事業拡大、商品の価値拡大を真剣に考えるときです。高度な企画力、ビジネス力を付けるための人材育成について”越境人材”であり”変革者”の岸氏より日本の未来について語って頂きます。

 

インタラクティブセッション

挑戦者集う:日本をリスキリングせよ

住友生命保険相互会社 エグゼクティブ・フェロー デジタル共創オフィサー
デジタル&データ本部 事務局長
岸 和良 氏

[プロフィール]
住友生命に入社後、生命保険事業に従事しながらオープンイノベーションの一環として週末に教育研究、プロボノ活動、執筆、講演、実家を継いだ週末兼業農業を行う。2016年から健康増進型保険“住友生命「Vitality」”の開発責任者を担当。現在はデジタル共創オフィサーとして、デジタル戦略の立案・執行、パートナー企業や自治体などとの共創活動、社内外のDX人材の育成活動などを行う。「1日でDXが語れる」がキャッチのDXマインドセット研修の受講者は全国1000人以上、プロデュースする「DXビジネス検定」の受講者は年1万人。著書に『DX人材の育て方』(翔泳社)、『実践リスキリング』(日経BP社)などがある。

 

ツネイシホールディングス株式会社 情報戦略部&広報部 取締役
森 悟志 氏

[プロフィール]
1989年にトランスコスモスでキャリアを開始。事業企画部門でインターネットビジネス部門の立ち上げ、1997年には動画配信サービス会社「Jストリーム」の設立に参画。2003年に常石造船に移籍し移籍後はIT部門長を拝命。その後グループの事業再編に伴い、ツネイシホールディングス経営企画部門にて、常石グループIT、広報、新規事業を担当。2023年1月よりツネイシホールディングス取締役及び常石造船執行役員に就任。現在の担当はグループのIT、DX部門と広報部門及び常石造船のIT部門を担当。

 

一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ
代表理事 チーフ・リスキリング・オフィサー
後藤 宗明 氏

[プロフィール]
早稲田大学政治経済学部卒業後、1995年に富士銀行(現みずほ 銀行)入行。営業、マーケティング、教育研修事業を担当。2001年ニューヨークへ移住直後の9月11日、ワールドトレードセンターへの飛行機の衝突と崩壊を肉眼で目撃し、翌日からグラウンドゼロの救済ボランティアに参加。2002年、グローバル人材育成を行うスタートアップをニューヨークにて起業、卒業生約 2,000名を輩出。2008年に帰国し、米国の社会起業家支援NPO アショカの日本法人を2011年に設立後、米国フィンテック企業の日本法人代表、通信ベンチャーの国際部門取締役を経て、アクセンチュアにて人事領域のDXと採用戦略を担当。2019年AIスタートアップのABEJAにて事業開発、AI研修の企画運営、シリコンバレー拠点を設立。2020年、10年かけて自らを「リスキリング」した経験を基に、リクルートワークス研究所にて「リスキリング~デジタル時代の人材戦略~」「リスキリングする組織」を共同執筆。2021年、日本初のリスキリングに特化した非営利団体、一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブを設立。2022年、AIを利用してスキル可視化を可能にするリスキリングプラットフォーム、SkyHive Technologiesの日本代表に就任。

 

株式会社学研ホールディングス 取締役
細谷 仁詩 氏

[プロフィール]
1986年生まれ。大学卒業後の2008年にJPモルガン証券に入社。13年にマッキンゼーアンドカンパニーに入社。同社パートナー就任後、21年4月に学研ホールディングス執行役員に就任、22年に上席執行役員、23年に取締役就任。21年12月にはGakken LEAPを設立し、代表取締役CEOに就任した。

 

[プログラム概要]
デジタル変革(DX)が進む現代において、組織や個人が必要なスキルにどれだけ迅速かつ効果的に適応できるかが、持続的な成功に不可欠です。このディスカッションでは、日本がリスキリング立国としての地位を確立するための課題や戦略に焦点を当てます。ディスカッションポイントは

  • DX時代のスキル要件:デジタル時代において求められるスキルや資質について。これからの職業やビジネス環境で成功するために必要なスキルは何かを説く。
  • 日本の課題とポテンシャル:日本が他国に比べてデジタル変革にどれだけ迅速に適応できているか、また、その適応のための課題やボトルネックは何か。
  • 現行教育体系との調和:既存の教育体系とデジタル時代のスキル要件とのギャップ。リスキリングが効果的に進むための教育改革や提案。
  • 企業の役割:企業が従業員のリスキリングをどのように進め、サポートできるか。企業文化の変革がリスキリングの成功にどれだけ影響を与えるか。
  • 政府の支援策:日本政府がデジタルスキルの向上やリスキリングにどのように関与すべきか。海外の成功事例や政策との比較も触れる。
  • 未来への展望:リスキリングが進んだ未来の労働市場や経済についての予測。成功したリスキリングがもたらす社会的な影響やメリット。

パネリストは、若手、中堅、経営層、社長や会長と、グループ全体でDXビジネスでリスキリングを実施し、業界内でも高い評価を得るツネイシホールディングスがノウハウをご共有します。教育や出版業界をリードしてきた「学び」のプロ:学研ホールディングス。「社会人の学び直しはまだ空白市場」だと語る、全世代教育改革の触れてお話しいただきます。そして、日本で初めてリスキリングに特化をした非営利団体、一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブから、世界と日本、大企業と中小企業、リスキリングの正しい定義などを解説します。

 

未来を彩るダイバーシティ:デジタル時代における多様性と変革のカギ

ソニーフィナンシャルグループ株式会社
執行役員グループDX・CX推進担当兼チーフデータオフィサー
齋藤 裕美 氏

[プロフィール]
新卒で三和総合研究所に研究員として入社後、三和銀行に出向しインターネットビジネスに携わる。以後、ソニー銀行、サイバーエージェント、メットライフ生命等で インターネットを活用した新規事業開発およびデジタルマーケティング全般に従事。2016年にアクサ生命に入社し、2019年より執行役員デジタル&マーケティング本部長兼チーフデータオフィサーとして、デジタル・データ・カスタマーエクスペリエンス・ブランド等の領域を担当。2022年2月よりソニーフィナンシャルグループ執行役員グループDX・CX推進担当 兼 チーフデータオフィサー。

 

パーソルホールディングス株式会社
グループデジタル変革推進本部 本部長
朝比奈 ゆり子 氏

[プロフィール]
外資系プロジェクトマネジメントソリューションベンダーにて、製品開発、マーケティング、経理などを幅広く担当。外資系ITセキュリティ会社2社でのコーポレートIT部門長を経て、2014年、パーソルキャリア入社。アルバイトサービスのIT責任者に就任。2018年、パーソルホールディングスへ転籍し、新規事業創造・オープンイノベーション推進を担う新会社パーソルイノベーションの法人設立に従事。2020年、パーソルホールディングス グループデジタル変革推進本部 ビジネスITアーキテクト部 部長としてコーポレートIT部門の組織変革を推進。2021年より、現職。

 

株式会社 荏原製作所
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進部 兼 CIO Office 部長
入江 哲子 氏

[プロフィール]
慶応義塾大学卒業。日本HP、花王にて、アジアEPR導入教育(E&C)、アジア・スイス等での半数以上海外メンバーで構成されるグローバルリーダーシップ開発研修の企画立案、欧米ASEAN中華圏での新規事業創造プロジェクトに従事。その後DX推進組織を経て、ソニーグループのグローバルHRプラットフォーム推進。現職ではダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)及び、ERP導入グローバルチェンジマネジメント他、推進。

 

[プログラム概要]
「一人一人違う多様な働き方や価値観に寄り添い、自分の働き方を自分で決めて豊かな人生を送ることができる。」デジタル時代において、この理念こそが変革の新たなトリガーとなり得ます。特に女性活躍や多様な視点が、デジタル技術と掛け合わさることで、ビジネスや組織に革新的なアプローチをもたらすことが期待されます。

本パネルディスカッションでは、多様性、公平性、包括性をテーマに、IT部門やデジタル分野で活躍する強くしなやかな素晴らしい女性たちが一堂に会する華やかな講演です。エンジニアリングからプロジェクトマネジメント、組織・仕組みづくりまで、各分野で多様な経験を積んだパーソルホールディングス朝比奈氏、CIOとしての視点と人事(D&I)を同時に見つめる荏原製作所の入江氏、そしてデジタル戦略の推進やデジタルマーケティングの業務に約20年従事し、まさにデジタルのプロであるソニーフィナンシャルグループの齋藤氏からの貴重な視点と経験によって、「ダイバーシティ」についての深い洞察が得られることでしょう。

日本企業のCIOたちに向けて、未来の働き方や組織文化の変革においてダイバーシティが果たす重要な役割についての魅力的なメッセージをお届けします。

 

開催情報

「CIO Japan Summit 2024」は主催社の厳選な審査を経たITリーダーの方々と最先端のソリューションプロバイダーの方々のみ参加されるサミットです。

そのため、参加基準を設けていない一般のイベントと違い、利害関係が一致する将来のビジネスパートナーや問題解決策の提供者との高いマッチングも実現します。

企業が抱える課題解決に取り組むCIOたちの視点に直接触れられるの機会。ビジネス変革の課題・問題の解決、ビジネスチャンスの獲得の場にぜひともご活用下さい。

開催情報詳細

イベント名CIO Japan Summit 2024
開催日時2024年5月14日(火)・15日(水)
開催場所ホテル椿山荘東京 〒112-8680 東京都文京区関口2−10−8
主催マーカスエバンズ
URLhttps://www.may24.ciojapansummit.com/
 

IT部門長とITベンダー企業が一堂に会する 「CIO Japan Summit 2024」開催!

第17回『CIO Japan Summit 2024』のメインテーマは「データが紡ぐ社会」。ビジネスや社会を左右するデータを戦略的に活用し、より良い未来を築くために必要な視点とは何か、各業界のITリーダー14名にお話しいただきます。

本サミットは、企業のIT部門責任者・最先端のIT部門関連のサービスを持つソリューション企業が一堂に会し、2日間にわたり講演・ディスカッション・1to1ミーティング・ネットワーキングなどを通じて、IT業界における課題や解決策について議論をしていただくイベントです。

なお、本サミットは『CISO Japan Summit 2024』と同時開催します。

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