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「クラウド統合プラットフォーム」とも呼ばれるiPaaSとは?

         

みなさんは日常的にクラウドサービスを利用していますか? 「クラウドサービスって…何?」という人でも、おそらくGmailやDropboxといったサービスをご存知ではないでしょうか?

実は、これらもれっきとしたクラウドサービスなのです。前者は言わずと知れたフリーメールの代表格、後者はオンラインストレージサービスのパイオニアです。

クラウドサービスを使用する企業は年々急増してます。総務省が作成した資料(2019年)によると、2018年時点で「クラウドサービスを導入している」と回答した企業は約60%でした。2014年には約40%だったことを考えると、クラウドサービスの浸透に拍車がかかっていることが分かります。


                                                                                                                             (出典)総務省「通信利用動向調査」

こうしたクラウドサービスの中でも、クラウドでソフトウェアを利用できるサービスはSaaS(Software as a Service=サービス化されたソフトウェア)と呼ばれ、多くの企業が自社開発システムからSaaSに乗り換えています。というのも、クラウドサービスは企業にとって数々の魅力があるのです。

SaaSの主なメリットは以下の通り。

・自社開発システムに比べ、導入や維持にかかるコストが低い
・権限を与えるだけで誰とでも情報共有できる
・使用するデバイスを選ばない
・自動で最新情報にアップデートされる

筆者も翻訳の仕事で日常的にオンライン翻訳ソフトウェアというSaaSを使用しています。こうしたオンライン翻訳ソフトウェアにはMemsource、XTM、MemoQなどがあり、アサインからレビューまでのすべての作業がオンラインで完結します。

使用の流れは、まずソフトウェアの法人アカウントを持つ翻訳代理店が、翻訳者にオンラインプラットフォームのURLとログイン情報をメールで送ります。ログインした翻訳者は、他の翻訳者やエディターとボキャブラリーやフォーマットを共有しながら作業します。

翻訳者が特定のソフトウェアを購入する必要がなく、大人数が一貫性を保ちながら作業できる便利さは、SaaSならではと言えます。

iPaaSの役割とは

一方、SaaSを積極的に使用する企業が増えるに従って、複数のクラウドサービス間でデータをやりとりできない不便さが問題視されるようになりました。そこで登場したサービスが、「iPaaS」です。

iPaaSとはIntegration Platform as a Service(サービス化された統合プラットフォーム)の略で、複数アプリケーション間でのデータのやりとりやシステム連携を可能にするクラウドサービスです。自社開発システムとSaaSの連携や、異なるSaaS間でのシステム連携を行います。

1. 自社開発システムとSaaSのデータ共有


企業がSaaSに乗り換え始めたのは最近のことで、それ以前は自社開発システムを使用していました。自社システムは閉じたシステムですから、そこに蓄積されたデータを他と共有することはできません。つまり、SaaSに過去データを移行したければマニュアルで行うか、データ移行プログラムを開発する必要があります。しかしこれは費用と時間の面から見て現実的ではありません。

こうした場面でiPaaSを導入すると、自社開発システムに蓄積されているデータをSaaSで利用することができるようになります。

2. 複数のSaaS間でのデータ連携


各種SaaS上に分散されたデータを統合することで、作業効率の最適化が図れます。また、ひとつのSaaS上でデータを更新すると自動的に他のSaaSでも同期されるように設定ができます。こうすることで、ひとつのSaaSに入力されたデータが他のSaaSにも同時に登録されるので、二度手間が省けます。

ニーズが高まる国産iPaaS

ちなみにiPaaSはアメリカ発のサービスなので、現在流通している主要なiPaaSはアメリカ製のものがほとんど。

例えば、カリフォルニア発のiPaaS、Workatoは350以上のアプリケーションに対応。プログラミングいらずでクラウドサービスを接続でき、ブラウザ上で「レシピ」と呼ばれる活用方法を選ぶだけでOKという優れものです。しかしこうしたアメリカ製iPaaSは、日本製SaaSへの対応がそれほど進んでいないのが現状です。

その中で注目を集めるのが、日本製SaaSに対応しており、プログラミングいらずで使用できる国産iPaaS、Anyflow。例えばkintoneやChatwork、クラウドサイン、freeeなどの国内SaaSの他、SlackやSalesforceなどの海外大手SaaSにも対応しています。現在のところ対応しているのは10種類程度のSaaSですが、今後さらに種類を増やしていく予定です。

エンジニアでなくても簡単に使用できる設計日本語サポートといったサービスが好評を博し、2020年1月には約2.2億円の資金調達に成功。2019年10月にβ版が発表され、現在は約10社に導入されています。海外iPaaSとの併用も可能なので、組み合わせ次第でさまざまなビジネスシーンでの活躍が期待できます。

iPaaSのこれから

日本でも勢いを増しているクラウドサービスに欠かせない存在として、国産iPaaSが次々に登場することが予想されます。各社のサービスがしのぎを削る中で性能が磨かれ、企業が新しい価値を生み出す原動力となるのではないでしょうか。

参考リンク:
・ 【やさしく解説】iPaaSとは?なぜ注目されているのか?複数SaaSを繋ぎ定型業務を自動化、“プログラミング不要”のiPaaS「Anyflow」が約2.2億円を調達

佐藤ちひろ

データ活用 Data utilization テクノロジー technology 社会 society ビジネス business ライフ life 特集 Special feature

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