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最近ニュースでよく聞くデータセンターとは?
国内のデータセンターはどこにある?

         

金であれ、石油であれ、データであれ、貴重な資産を管理するにあたって重要なのが‟それをどこで管理するのか”です。

データの保管施設といえば「データセンター」。クラウドの普及に伴い、その市場や規模は広がり続けています。現代のデータセンターはどう活用されており、今後どのような役割を担っていくのでしょうか。

最新のデータやニュースを参照しつつ、データセンターの現在の姿を解き明かします!

データセンターとは? どんなメリットが得られるの? 

データセンターとは、サーバやネットワーク機器を設置し、データを格納するための施設です。オフィスの一部であるサーバルームを、専用施設として独立させたものと捉えても良いでしょう。

データをデータセンターに集約することで期待できるのが、以下のようなメリットです。

建物自体をデータを管理することに特化して設計できる


大量の電力やネットワークを消費するICT機器と価値あるデータの双方を管理することに特化して建物や設備、ルールを設計できるのがデータセンターの第一のメリットです。

具体的な設備の特徴としては、大量のデータ送受信に対応するための通信回線、ネットワーク機器・サーバを維持するための電源、機器の高発熱にも対応するための冷却システム、セキュリティ性を高めるための入室監視や、そもそもの場所が非公開になっている、など、が挙げられます。

災害・事故に備えた対策が施せる


データセンターはBCP(事業継続計画)においても大きな意味を持ちます。予備電源やUPS(無停電電源装置)による停電対策、免震・耐震構造、火災発生時にもデータを守るための不活性ガス消火設備など、堅牢な備えが行われているのがポイントです。

企業がデータセンターを活用する場合、通常は「自社データセンターを持つ」「サービスとして利用する」という2つの選択肢があります。後者の場合は、以下のメリットが得られると考えられます。

サーバ管理にかかるコスト・手間の削減につながる


サーバやネットワークの管理には当然それ双方の人員が必要となり、規模に応じてコストも発生します。サービスとしてデータセンターを利用することで専門の人材による24時間・365日の管理体制が提供され、障害発生時も素早い対応が期待できます。

また、データセンターをサービスとして利用する形態は「ハウジング(コロケーション)」「ホスティング」のざっくり2つにわかれます。前者は自社所有のサーバをデータセンターの場所を間借りして設置すること、後者はサーバやネットワーク機器ごとレンタルすることを意味します。細かく見ればハウジングでもただ場所を借りるだけなのか、導入や運用・メンテナンスまで任せるのかなどサービス内容には複数のプランが存在します。

自社で対応した場合のコストやケイパビリティと、サービスの内容やコストを比較する作業が最適なデータセンターの利用計画を立てるにあたっては不可欠でしょう。

データセンターの市場規模は拡大中! 国内のデータセンターはどこにある?

日本国内のデータセンターの実情について詳しく見ていきましょう。

IDC Japan 株式会社の調査によると、2021年の国内データセンターサービスの市場規模予測値は1兆7,341億円。同市場の前年比成長率は1.5%以上をキープし続けることが予測されており、2025年には2兆7,987億円に達することが予想されています。


引用元:国内データセンターサービス市場予測を発表┃IDC Japan

また、延床面積も拡大を続けており、2021年の263万400平方メートルは2026年には390万5,100平方メートルに達するとの見込みです。なかでもハイパースケールデータセンター(ビッグデータやクラウドでの活用を想定した電力やスペースを持つデータセンター)の成長は著しく、クラウドの普及・発展に伴いデータセンターも拡大していることが見て取れます。

それを裏付けるデータはほかにもあり、「2022年 国内データセンター(DC)管理者調査」によると、データセンターやサーバールームの新設予定があると回答したデータセンター事業者は全体の43.2%である一方、ユーザー企業は8%でした。

引用元:国内データセンター管理者調査結果を発表┃IDC Japan

ここで「実際、データセンターはどこにあるの?」という声もあがってくるかもしれません。多くの場合、データセンターの場所は正確には明かされていません。セキュリティ上、正確な場所を把握されない方が攻撃者に対し有利になるからです。

とはいえ、「東京都 中央区」「大阪府吹田市」など大まかな所在地は公表されており、日本データセンター協会のサイトでも企業名や問い合わせ先とともにまとめられています。都道府県別にはやはり東京都の割合が最も多く(公表されているエリアでは江東区や千代田区が目立つ)、それに神奈川、大阪などがつづくイメージです。データセンター名で検索するとGoogle Mapで住所が出てきたり、外観が公表されたりしている例もあります。

厳密に秘匿されているわけではありませんが、詳細は非公開なのが基本的な方針と捉えておくと良いでしょう。ちなみに現在データセンターは首都直下地震によるリスクの回避やデータの地産地消を目的として、地方への分散が推奨されています。1000億円規模の予算が設けられるなど、政府の後押しも積極的に行われています。

高まるデータセンターの重要性 その設置場所は海底や宇宙へ!?

2022年8月8日、米国アイオワ州カウンシルブラフスに設置されたGoogleのデータセンターで電気事故が発生し、3名の電気技師がやけどにより病院に搬送されたことが報道されました。

翌日の8月9日午前にGoogle検索で障害が発生したことから、ネットでは8日の事故との関連性がささやかれましたが、実際には「ソフトウェアアップデートの影響」であり、関連性はなかったということです。

その背景には、2021年12月22日のAWSや2022年3月26日の地方銀行8行とローソン銀行のシステムなど、データセンターのトラブルが原因で障害が発生したケースがこれまでにも複数見られたことがあるでしょう。データセンターの信頼性は、クラウドや金融サービスの信頼性にそのまま直結するのです。

そんななか、データセンターの設置場所を‟地上以外”に求める動きも進められています。

・2018年春、マイクロソフトは深度117フィートの海底にデータセンターを設置。2年間の実証実験を経て故障率は地上の8分の1を記録した。

・2021年5月、NTTは「宇宙データセンター事業」の構想を公表。

このように重要性が高まった結果、データセンターへの投資が増加→進化が加速するという流れが生じているように見受けられます。企業は現在、どうデータセンターと共存し、うまく利用するかを問われているのです。

終わりに

データセンターについて、メリットや利用形態から市場規模、近年のトピックについてまで紹介してまいりました。

社内サーバーから、海底、宇宙まで、「データセンターに関する話題のスケールがここまで広がるのか!」と驚かれた方も多いのでは?

クラウド時代、データセンターはさらに重要性を高めており、その常識は20年前から大きく変化しています。

これを機に自社のデータセンター利用を見直してみてはいかがでしょうか。

【参考資料】
・国内DCサービス市場、2015~20年は年間平均成長率7.0%の高成長を予測~IDC Japan┃クラウドwatch
・国内データセンターサービス市場予測を発表┃IDC Japan
・国内データセンター延床面積予測を発表┃IDC Japan
・国内データセンター管理者調査結果を発表┃IDC Japan
・世界最大規模のデータセンター「アット東京」を訪ねる┃クラウドWatch
・データセンター一覧┃日本データセンター協会
・米Googleのデータセンターで電気事故と米メディア報道 3人がけがか┃CLOUD USER by IT media NEWS
・Google検索の障害、原因は「ソフトウェアアップデート」 データセンター事故との関係は?┃IT media NEWS
・AWSで一時障害、原因はデータセンターの電力消失 SlackやTrelloにも影響か┃CLOUD USER by IT media NEWS
・山端 宏実『地銀8行とローソン銀行を襲った電源障害の内幕、浮かび上がる2つの疑問』┃日経Xtech
・John Roach『Microsoft finds underwater datacenters are reliable, practical and use energy sustainably』┃Microsoft
・堀越 功『NTT「宇宙データセンター」の勝算、人類史上初 IOWN強みに』┃日経Xtech
・ネットが使えなくなる? データの拠点がやばいことに┃NHK
・地方のデータセンター整備に1000億円 政府、進出後押し┃日本経済新聞

宮田文机

 
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