東京都渋谷区某所にある「DEKIRU CAFE」。「データ」の活用が、自分の業務の中でどのように役立つのか、またどのような考え方で挑めばいいのかが分かってきた。後は実践あるのみ! でも手本や見本のない自社の中では、その第1歩がなかなか難しい……。
他社の成功事例を後追いしない
あれ? また今日はいつにも増して悩んだ顔をしているね?
「データ」活用がどういうことかが分かってくるたびに、目からウロコのような感激でワクワクします。
「必要なデータ」について考えたり、
「仮説」を立てたり、具体的な「データ」との関わり方が分かりはじめましたからね。だけど、いざ、それを自分の会社や業務に置き換えてみると、以前と同じ昭和テイストなので、やっぱり無関係じゃないかなと思えて……。同僚も「そういうのは中堅や大手、先駆的な展望を持った企業だから意味があるのでは?」「うちじゃ使いきれないよ」とあまり関心が深まりません。行ったり、来たりです。
行ったり、来たりも同じ場所にとどまっていないという意味では前進だよ。
関心を持ったことで、ビジネス関連の「データ」に関わる記事もよく読むようになりました。当然、誰もが知るような大手の事例ばかりで、同じことをうちの会社でやったらほとんど“冒険”のイメージです。「データ」活用の王道というか、どこの会社がやっても効果が出る上手い手というのはあるのかな?
今、君自身が言ったことにヒントがあるんじゃないかな。誰もが知っている大手の事例は、君の会社規模では冒険でしかない。ちゃんと自分の会社の実情が見えている。こんな例も「データ」活用の話の中にはあるんだ。ある会社では、「データ」活用のシステムを構築したけれど、あまり社員に「データ」をさわらせないようにしたんだ。
いや、「データ」の見える化が進むと、もっと見たくなるという話があったよね。つまり、あまり多くの「データ」があっても本来やらないといけない業務を混乱させてしまう。業務に必要な、しぼりこんだ「データ」だけを現場に提供する。その結果、その「データ」は120%使いこまれて業務の質が向上する。これも1つの正解なんだ。一方で、人事情報以外は全部社内に公開して、どんどん業務改善のアイデアを求めている会社もある。これも正解。
それぞれの会社にそれぞれの正解があるということは、「これが正解」と後追いできる王道は、そもそもないということですね?
「データ」の活用は我が道を進むための羅針盤
そんなことはない。業種が違っても同様の実務はあるし、規模が違っても人が関わる業務の課題には共通することも多い。要は、まるごとコピペをせずに、自社の課題との共通項や違いを前提に参考にすれば役立つはずだよ。これも分析じゃないかな。
なるほど。足場となる自分の業務に立ち返って考える必要があるわけですね。行ったり、来たりは迷っているのではなく、ちゃんと立ち返って考えるからこそだと思うと気持ちが変わります。
物事を前に進めて考えるクセも身に付いてきたようだね。会社の数、業務の数、人の数だけ課題があって、その解決のための「データ」活用もそれぞれにある。まさに千差万別だ。だからこそ、その先の業務改善につながる道は、ただ1本の我が道とも言える。他社の後追いではない、自社ならではの我が道を進んだ先に企業価値の向上という唯一無二の成功がある。「データ」活用は、その道を見い出し、進むための羅針盤となるものなんだ。
かなり話が大きくなりましたね。でも何だかワクワクもしてきました。あらためていろいろな「データ」活用の具体例が知りたくなってきた。
「データ」が見えてくると、もっと見たくなるという欲望モードが、かなり基本となってきたようだね。自分に「データ」は無関係、から、もっと「データ」について知りたい、聞きに行く、となれば、もう「データ」は悩みの対象ではなく、自分の仕事に役立てる武器となっているんじゃないかな。
データ活用を考えるDEKIRU CAFE 第4回:「データ」活用に王道はない?
https://data.wingarc.com/dekirucafe4-6335