高速でアイディアを実現できるデザインスプリントはどんなメソッド?
導入するメリットは?

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近年、プロダクト開発の現場でよく口にされる手法の一つが「デザインスプリント」です。

今回はデザインスプリントの手法や導入のメリットを紹介します。

デザインスプリントのメリットは?

デザインスプリントは、GV(旧Google Ventures社)でデザインパートナーをつとめていたジェイク・ナップが考案した月曜から金曜までの5日間で新規開発のアイデア出しからプロトタイピング、ユーザーインタビューまで行う高速の開発プロセスです。スピード感が魅力のこのやり方は多くの人に支持されており、今ではSpotifyやFacebook、LEGOなどでも取り入れられています。

スタートアップをはじめ多くの企業でこの手法が取り入れられている背景には、最短期間で効率よく新たなアイデアを試作、実装できる、というメリットがあります。一方で効率化に伴い一つのアイデアについて深掘りするという構造になっているため、複数のアイデアについて実験をしたい、という場合には不向きな手法になっています。

新たなアイデアを効率よく実装するための素早い意思決定と開発を支援するこのメソッドはどのようなものなのでしょうか?

デザインスプリントの構成要素

デザインスプリントを行うのに理想的な人数は4〜7人とされており、以下のようなメンバー構成が想定されています。

  • ファシリテーター
  • デザイナー
  • 意思決定者(スタートアップの場合はCEO)
  • 製品マネージャー
  • エンジニア
  • 事業部門担当者(マーケティング、コンテンツ、オペレーションなど)

また、プロジェクトのスコープを定めたりアイデアを絞り込む際には投票を行い民主的に議論を進めます。しかし、最終的な意思決定は意思決定者に委ねられます。

デザインスプリントのプロセス

デザインスプリントでは5日間を通し以下のプロセスを行います。

理解する(Day1)


1日目はまずデータを収集し、課題を洗い出します。ユーザーインタビューをしたり、競合分析を行なったり、多角的にデータを集めることで複数の課題をチームメンバーそれぞれが高い精度で理解することで、プロジェクトのスコープを定める下準備をします。

定義する(Day1)


洗い出した課題をマッピングし、カスタマージャーニーとして落とし込みます。それらについて議論を行い、プロジェクトのスコープを定義します。

発散する(Day2)


ここでは、課題の解決策を模索するためにアイデアを発散させます。プロジェクトやユーザーペルソナについて、ブレインストーミングやクレイジー8など短期間で複数のアイデアを生み出せる手法を活用します。そして自分のアイデアはもちろん、他者のアイデアや、アイデアにまつわる議論を通じて、ブラッシュアップします。

決定する(Day3)


チームメンバーで、複数のアイデアを眺め、話し合いと投票を行います。ディスカッションや投票でメンバーの意見を参考にしながら、最終的な意思決定は、意思決定者が行います。実行可能な仮説を一つに絞り込めたら、プロトタイプ試作に向け、ストーリーボードやワイヤーフレームなどを作成し、可視化します。

試作する(Day4)


ストーリーボードやワイヤーフレームをもとに、チームメンバーが分業してプロトタイプを作成します。ここでは、前提となる仮説の検証が目的となります。そのため、プロトタイプに完璧を求める必要はありません。仮説についてユーザーの反応を確かめるために必要な要素を限られた時間の中で実装していきます。

検証する(Day5)


プロトタイプの検証のため、5人のユーザーを招待し、実際にプロトタイプをためしてもらいます。ここでは、検証したい仮説が本当に正しいのか、また当初設定した課題が解決できるのかを確認します。

ユーザーのフィードバックをもとに、プロトタイプを実際のプロダクトや機能として実装するべきか、改善するべきかを判断することができます。

デザインスプリントを導入する際の注意点

実際にデザインスプリントを行う場合に非常に重要になるのが、きちんと手順を守って実行することです。デザインスプリントは、事業戦略やイノベーション、行動科学、デザイン思考などで使われる手法を組み合わせたメソッドであるため、どこかのプロセスを短縮、簡略化することでアウトプットが中途半端になってしまう恐れがあるためです。

もちろん、なかなか5日間、複数人のリソースを割くのは難しい、という現場も少なくないと思います。しかし、デザインスプリントの考案者であるジェイク・ナップもインタビューで「スプリントをすべき重要な課題があるのであれば、『本当に5日間空けられないのか?』『今後発生するコストや時間を考えれば、むしろスプリントをいますぐやるべきではないか』という発想で考えてみてほしい」と語っています。

また、新型コロナウイルス感染症の影響でチームメンバーをオフラインで集めるのが難しい、という場合には、オンラインでアイデアを共有できるmiroなどのツールの活用がおすすめです。

もうリアル会議には戻れない? オンラインホワイトボード「miro(ミロ)」 メリットや使い方を解説

実は、データのじかん編集部でもデザインスプリントセッションを実践してみたことがあり、その際にはmiroを使って進めていきましたが、オンラインでも全然問題ない、どころか、アイデアの共有という意味ではオンラインの方がむしろ効率的な部分があるようにも感じました。アイデアが次から次へと出されては消えていく、という時間はとても刺激的でしたし、アイデアを出す、という非常に重要なスキルを磨くよい機会にもなる上、人のアイデアから多くの刺激も得られるので、新しいものを作りたいけれど中々前に進まない、と悩んだ時は、ぜひ「デザインスプリント」の導入を検討してみてください。

【参考引用サイト】
・あなたが「グーグル式仕事術」を完コピすべき理由 | SPRINT 最速仕事術 | ダイヤモンド・オンライン
サービス設計フレームワーク:デザインスプリントとは | Service Design Blog by Neuromagic
デザインスプリント - Wikipedia

(大藤ヨシヲ)

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