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ドローンやAI、科学技術を駆使し、農業や食料流通を効率化、自動化する「アグリテック」が注目を集めています。

例えば、世界最大の売上額を誇るアメリカのスーパーマーケットチェーン、ウォルマートでは、昨年の秋からブロックチェーンを用いた野菜管理を取り入れたり、 中国の大手ドローン開発企業、XAGが農薬を効率的に散布できる自動運転のドローンを開発したり、アグリテックに関わるニュースは枚挙にいとまがありません。

こうした取り組みの背景には、第一次産業に従事する労働者数が年々減少している一方で食料自給率は現状を維持したい、という思惑があります。私たちが生きるために必要不可欠な食に関わる課題だからこそ、「アグリテック」や農業への注目はますます高まっていきそうです。

そうした中で、農地がほとんどない都市部で暮らしていると、自国のことであっても、農業を取り巻く現状や食料自給率について知る機会はなかなかありません。

そこで、今回は、日本の食料自給率の現状を世界の食料自給率を参考にしながら解説していきたいと思います。

そもそも食料自給率ってどんな指標なの?

誰もが一度は耳にしたことがあるであろう「食料自給率」。しかし、その定義は意外と複雑です。

まず、食料自給率は、品目ごとに重量を用いて測る「品目別食料自給率」と 食料全体の自給率を測る「総合食料自給率」の二種類があります。

前者は、国内で生産された食料の重量(国内生産量)を国内で消費された食料の重量(国内消費仕向量)で割ることで算出されます。国内消費仕向量は「国内生産量+輸入量-輸出量-在庫の増加量(又は+在庫の減少量)」と計算することで求められます。

後者である総合食料自給率は、カロリーベースと、生産額ベースの2通りの方法で算出されます。

カロリーベースの食料自給率は、一日・一人当たりの国内生産カロリー数を一日一人当たりの摂取カロリーで割ったものになります。 対して、生産額ベースの食料自給率は、年間あたりの、国内生産額を国内消費仕向額で割ったものです。

計算の際に、畜産物は、輸入した飼料を使って生産したものについては、たとえ国産だとしても、国内生産額に算入していないということです。また、畜産分野に関連し、飼料自給率も重要な指標として算出されています。

さらに、食料自給率の低下への不安が高まる中、近年では、国内の農耕地をフル活用した場合に国内生産のみでどの程度の食料生産が確保できるのかを推計する食料自給力も算出されるようになりました。その際、現在の食生活を鑑みた上で、想定される状況を下記の4パターンに分類し、計算しています。

  • パターンA:栄養バランスを一定程度考慮して、主要穀物(米、小麦、大豆)を中心に熱量効率を最大化して作付けする場合
  • パターンB:主要穀物(米、小麦、大豆)を中心に熱量効率を最大化して作付けする場合
  • パターンC:栄養バランスを一定程度考慮して、いも類を中心に熱量効率を最大化して作付けする場合
  • パターンD:いも類を中心に熱量効率を最大化して作付けする場合

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