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直撃取材!「専門用語無しでウイルスを学ぶ動画」をYouTubeで更新中のスタンフォード大学研究員、新妻耕太氏がみなさんに伝えたいこと

         

山中教授のホームページに掲載されるまでの経緯

3月6日に動画を投稿した後、まず自分の友人にフェイスブックで告知しました。友人たちが拡散を手伝ってくれ、それなりに評判が良いことがわかりました。そこで3月15日くらいから少しずつツイッターで広報活動を開始したところ、茂木健一郎氏がリツイートしてくれたり、ということがありツイッター上で拡散され始めました。

ちょうどその頃、山中教授がウェブで新型コロナウイルスに関する情報発信を始めた、というニュースを知りすぐにホームページを見に行きました。その中に動画で学ぶというセクションがあって、YOSHIKIさんとの対談などが出ていたのですが、基礎知識を学ぶための教材的な動画はありませんでした。

もしかしたら自分の動画は山中教授の理念とマッチするのではないかと考え、山中教授の連絡先を調べ、思い切ってメールを書きました。山中教授とのやりとりは科学者同士のやりとりなので、全てデータありきの内容にしました。自分の科学者としてのバックグラウンドに加え、アカウントの開設日、再生回数、再生時間、ツイッター上で見られた回数、リツイート数、インプレッション数、誰がリツイートしてくれたか、などある情報を全て盛り込んで、エビデンスベースで自分の動画が山中先生のホームページにマッチしていることを証明しようとしました。1日経っても返信がなかったので、うまくいかなかったかと思ったのですが、数日後に「素晴らしい動画ですね。ホームページにリンクを載せました。」という内容の返信をいただきました。さっそく確認しにいくと本当に掲載されていました。

山中教授のホームページに掲載されたことでより多くの人に情報が届けられる、と同時に、多くの人に情報を発信するプレッシャーも感じています。今後も多くの人たちが必要としている内容を選んで新しい動画を追加していきます。

新妻氏が今みんなに本当に伝えたいこと

まず何よりも手洗いを徹底することと顔をベタベタ触らないことです。本当の意味の終息がいつになるのかは分かりません。人口の6〜7割くらいが免疫を持つようになるまでは落ち着かないだろうと、という仮説があります。人口の6〜7割くらいが免疫を持つための方法は2つ考えられます。一つは実際に感染すること、もう一つはワクチンによって免疫を誘導する方法です。いずれにしても、年単位でかかるだろう、とは多くの専門家は推測しています。

SNSなどで色んな情報が飛び交っていますが、そんな情報と対峙する際に理解してもらいたいのは、情報の正確さは0か100ではない、ということです。ある部分だけが正しい、ある部分だけが間違っている、ということがままあります。危機的状況な時に自分を納得させるためには自分で調べて、自分で考えて、自分で決断する必要があります。感染拡大により多くの人が亡くなる可能性があります。自分の親や友達など身近な人が亡くなる可能性もあります。だからこそ自分が理解して納得できる行動を決断することができるように、情報を正しく吸収してほしい、と願っています。

山中教授が言っているから、専門家が言っているから100%正しいわけではありません。
新型のウイルスですから日々新しい情報が生まれ、何が正しいかもその都度変化していきます。それぞれの情報がどれくらい信頼できる情報なのかは各々が基準を持って判断できることが理想です。その確認の必要性を理解してもらう意味でも、できるだけ早く基礎知識を提供したい、と考えて動画発信をしています。大切な人にウイルスに関する情報を理解してもらうために、これらの動画をツールとして使ってもらえるととても嬉しいです。

編集部による後記

よくビジネス書にも取り上げられる 孫子の兵法の一節に「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉がありますが、コロナ禍においてまず私たちがするべきことはまさに敵であるウイルスについての理解を深め、自分たちの体についての理解を深め、それらの情報や知識、あるいはデータに基づいた意思決定を行っていくことだと考えられます。データ活用も正しいデータを集めるところから始まるように、感染予防も正しい情報や知識を集めることが必要不可欠です。まだまだこの混濁の日々は続きそうですが、一人一人の行動が集合体となって大きな成果をもたらします。

国民全員自宅警備員な日々の先には明るい未来があると信じて、できることを一つずつ確実にやっていきましょう。

ちなみに、コロナ禍において私が真っ先に学んだのは「コロナ禍」は「ころなか」と読み、禍と言う漢字が「災い」、という意味である、ということでした。

新妻氏の動画を観たらぜひチャンネル登録、拡散にもご協力ください。英語版、中国語版もあります。最新情報は新妻氏のTwitterをフォローしてみてください。そして、最後になりましたが、新妻氏、取材協力、ありがとうございました!

(取材・記事執筆:まいるす・ゑびす)

 

新妻耕太 プロフィール

スタンフォード大学博士研究員。専門は免疫学、幹細胞学。研究テーマは免疫寛容、造血幹細胞、新規抗体の作製。

筑波大学での大学院生時代に炎症制御に関わる新規ヒト分子(CD300H)を発見し、これに特異的に結合する抗体を開発、国際誌にて発表(Journal of Biological Chemistry, 2015)。2015年にはカリフォルニア大学サンフランシスコ校にて客員研究員として、サイトメガロウイルス感染に対する実験マウスの免疫応答解析に取り組んだ(4ヶ月)。  

新型コロナウイルスの感染拡大を機に2020年3月よりYouTubeチャンネル[新妻免疫塾]を夫婦で開設。ウイルス感染に関する基礎知識解説動画を日本語/英語/中国語で公開。  大学時代の教育実習/塾講師経験を活かして専門用語をできるだけ使わないやさしい解説スタイル。国際結婚、妻は上海出身。


想像力は知識から、素通りできない基礎知識の重要性

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