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英語の需要は増えてる?減ってる?語学ビジネスの市場規模と英語話者人口を調べてみた

         

近年、グローバル化が進む中で、語学教育の重要性がますます高まっています。特に英語は、国際ビジネスや留学などさまざまな場面で必要とされるため、その需要は拡大の一途を辿っています。この記事では、語学ビジネスの市場規模と英語話者の人口についての実態を探ります。

語学ビジネスは、語学教育や翻訳・通訳などの分野にとどまらず、さまざまな分野でも重要です。日本においても、英語教育への注目度は高まり、2020年には英語教育が小学校3年生から必修化されています。そうした中で、語学学校やオンライン学習プラットフォームなどが多数登場しています。さらに、企業や学校などでも英語教育が重視されるようになり、その需要はますます増加しています。

一方、英語話者の人口は、世界的にも増加傾向にあります。特に若年層では、インターネットやSNSを通じて英語を学ぶ機会が増えており、自然と英語スキルを身につける機会が増えています。このような状況下で、語学ビジネスはますます注目される分野となっています

日本における語学ビジネスの市場規模とは?

株式会社矢野経済研究所によると、2022年度の語学ビジネス市場は、前年度比0.8%減の7,806億円だったそうです。

語学スクール、学習教材、周辺ビジネスなどの主要13分野のうち、オンラインの語学学習のニーズが高まった一方で、7分野で市場規模の縮退がみられたといいます。

成人向け外国語教室、幼児・子供向け外国語教室、プリスクール市場など、外国語教室市場は前年度比2.3%減の2,952億円だったそうです。ただ、2020年の教育改革による英語教育ニーズの増加を背景に、英語学童のビジネスは参入業者も増加しており、首都圏や大阪など、都市圏でニーズが高まってきてもいるそうです。

また、語学周辺ビジネスも回復傾向にあり、留学斡旋市場や翻訳・通訳ビジネス市場などコロナ禍で縮小した分野は回復を見せている一方で、語学試験市場が続けて縮小しているということです。

語学ビジネスの市場規模、これからどうなる?

株式会社矢野経済研究所は、語学ビジネス市場の予測も行っています。

この2023年度の語学ビジネス市場は、前年度比4.0%増の8,119億円になると予測しています。2022年10月に水際対策が撤廃されるまでは海外旅行などが難しかったため、その影響が市場にも大きく影響していたと考えられます。しかし、2023年度には、水際対策の撤廃や新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけの変更により、コロナ禍前の生活が復活する可能性があり、これに伴いビジネスでの海外出張や海外観光旅行の需要が再燃すると見込んでいるということです。これにより、ビジネス向けの英会話スクールや海外留学の利用者が回復し、語学ビジネス市場が順調に回復することが期待されています。

コロナ対策からwithコロナの時代に変遷する今、外国語教室市場は2030年度には3,500億円まで拡大すると予測されています。この拡大要因としては、政府によるリカレント教育の推進や経済のグローバル化進展、企業における英語公用語化の動き、日本国内在住の外国人の増加などが挙げられるそうです。また、学校における外国語(英語)教育の早期化・難化や少子化の一方で在籍児童生徒数が微増傾向で推移している私立小中学校へのニーズの高まりも拡大要因として期待されています。

英語話者の人口はどのくらい?

データ収集と視覚化に特化したドイツのオンライン プラットフォーム「Statista」によると、2023年には、世界中で英語を母国語または第二言語として話す人が14.5億人以上おり、その数は調査時点での中国語話者の11.3億人をわずかに上回っていたそうです。なお、ヒンディー語とスペイン語が、その年で3番目と4番目に広く話されている言語でした。

世界人口が80億人ということを考えると、およそ5人にひとりが英語を話せるということになります。

まとめ

日本において、少子高齢化が加速し、国内市場が減退していくことが見込まれる中で、今後、他の国々と連携していくことの重要性が高まっていくと考えられます。特に英語は、国際ビジネスや留学などさまざまな場面で必要とされるでしょう。

そうした中でどのように語学に触れていくのか、その一つの検討材料としてこのようなデータを活用してみてはいかがでしょうか。

(大藤ヨシヲ)

 

参照元

・語学ビジネス市場に関する調査を実施(2023年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所 ・2030年の語学ビジネス市場に関する調査を実施(2023年) ・The most spoken languages worldwide 2023 | Statista.

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