東日本大震災以降、復興・再生、人口減少など様々な難題に取り組んできた福島県は、デジタル変革(DX)への意識は東北6県の中でも高く、“デジタル県庁”の設置など、他県では実践に至っていない様々な施策に取り組んでいます。
進め方は以下の3段階に分け、具体的な2025年(令和7年)までの施策もロードマップで示しています。
・ステップ1:行政のデジタル変革(DX)
・ステップ2:地域のデジタル変革(DX)
・ステップ3:スマートシティ等の実現・横展開
【引用元】福島県デジタル変革(DX)推進基本方針 中間取りまとめ(素案)【概要】
全国2万3,826 社を対象に実施された帝国データバンクの「DX推進に関する企業の意識調査」を基に、企業のDXの実態を読み解いてみましょう。
まず、DXに取り組んでいる企業の割合ですが、これは全体の15.7%とかなり低く、そのうち「既存製品・サービスの高付加価値化」、「新規製品・サービスの創出」、「ビジネスモデルの変革」といった本格的なDXに進展している企業は、その1/3程度、即ち全体の僅か5%程度です。
DXで成果を得ている企業自体、極少数というのが今の日本の実態です。
No | 解答 | 結果 |
---|---|---|
1 | DXを理解し取り組んでいる | 15.7% |
2 | 言葉の意味を理解し、取り組みたいと思っている | 25.7% |
3 | 言葉の意味を理解しているが、取り組んでいない | 31.6% |
4 | 言葉は知っているが意味を理解できない | 13.3% |
5 | 言葉も知らない | 6.4% |
6 | 分からない | 7.3% |
さらに「DXを理解し取り組んでいる」と回答した企業の割合を企業規模別に見比べると、
・大企業 : 28.6%
・中小企業 : 13.0%
・小規模企業 : 8.4%
と企業規模での格差が生じており、これは資金・人材の不足によるものと考えられます。
また大企業の多くは都市部に集中しているため、中小企業が主体の地方とでも格差が生じていると言えます。
次に「DXを理解し取り組んでいる」と回答した企業の割合を業界別で見比べると、
・金融 : 25.2%
・サービス(情報サービス含む) : 24.1%
・小売 : 15.7%
・製造 : 14.7%
・運輸・倉庫 : 14.0%
・不動産 : 13.0%
・農・林・水産 : 12.3%
・建設 : 11.4%
といった結果を示しており、ブルーカラー業種全般が低水準を示しています。
地域の主産業は、生産現場・現場作業が中心のブルーカラー業種が多く、またDX推進の遅れは、意識の欠如だけでなく、導入の難易度が高いことも要因として考えられます。
【引用元】DX推進に関する企業の意識調査 | 株式会社 帝国データバンク[TDB]
人口 | 1,805,388人(2022年2月時点) | |
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面積 | 13,780 km² | |
自治体数 | 59 | |
県内総生産 | 7兆5,949億円(2018年実費) | |
産業 | 農業 | 2018年の農業生産額は2,113億円で全国第17位。 そのうち米が全体の約3割を占める。きゅうり、アスパラガス、トマト、もも、なし、 りんご、さやいんげん、かすみそう、こんにゃくいも、まゆなどの収穫高は全国上位。 |
林業 | 森林の面積は約97万4,000ヘクタールで県全体の約7割にあたり、全国で4番目の広さを誇る。 桐材の生産は全国第1位。なめこは、全国で第4位。 | |
水産業 | 2018年の製造品出荷額は5兆2,465億円で東北1位。 情報通信機器、化学、輸送用機械、電子部品が中心。 郡山市、福島市、会津若松市、いわき市にあるハイテクプラザでは工業技術の研究のため、 最新の機器や設備を導入し、県内の工場がより良い製品をつくれるよう自治体が支援している。 | |
製造業 | 2018年の製造品出荷額は5兆2,465億円で東北1位。 情報通信機器、化学、輸送用機械、電子部品が中心。郡山市、福島市、会津若松市、 いわき市にあるハイテクプラザでは工業技術の研究のため、最新の機器や設備を導入し、 県内の工場がより良い製品をつくれるよう自治体が支援している。 | |
商業 | 2015年の年間商品販売額は、4兆9千億円で全国第20位。 卸売・小売業の事業所数は約2万2千、従業員数は約15万1千人。 大型小売店やスーパーマーケットやホームセンター、大型専門店などの増加により、 街中心部の商店街は苦戦が強いられている。 | |
エネルギー | 様々な形態の発電所が建設されている電源地帯。 2011年の福島第一原子力発電所事故以降、原子力発電は停止しているが、 水力発電、火力発電、地熱発電、風力発電など多数稼働。 2040年頃には県内エネルギー需要の100%相当量を生み出すことを目標に 再生可能エネルギーの導入拡大に取り組んでいる。 | |
企業 | 上場企業 | 12社 |
事業所 | 94,820事業所(2019年) |
農業、製造業が中心の福島県の場合、スマート化といった大規模な設備投資を必要とするケースが多く、個人・中小企業の単独でのDX推進は困難です。
DXの実践ノウハウ、人材育成、経営相談といった立ち上げ、実証実験や補助金といった導入を支援する地域の自治体・団体、またDX戦略・技術支援を提供している地域の企業を紹介します。
運営者名 | 福島県 |
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プロジェクト・サービス名 | 福島県デジタル変革(DX)推進 |
活動・事業概要 | 情報・統計の総合調整、情報政策・デジタル変革(DX)の総合企画及び調整、 地域情報化、行政のデジタル変革推進、社会保障・税番号制度、県情報通信ネットワークシステムの運用・管理、 県庁の情報セキュリティ対策など |
支援内容 | ・浜通り地域等におけるイノ ベーション創出支援 ・リモートワーク等を活用した副業人材による地域課題の解決 ・戦略的なデジタル広報の推進 ・小・中学校におけるデジタル技術を活用した授業の実践 ・会津大学と連携したデジタル人材育成 ・中小企業等のデジタル化支援 ・スマート農業の推進 ・新型感染症対策の推進 ・介護の現場へのデジタル技術やロボットの導入推進 ・デジタル技術を活用した適切な避難行動の支援 など |
運営開始日 | 2021年9月 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | デジタル変革課 |
公式サイト | デジタル変革課 – 福島県ホームページ |
運営者名 | 郡山市 |
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プロジェクト・サービス名 | 地域イノベーションラボこおりやま |
活動・事業概要 | 社会起業家加速化支援プログラムの運営 |
支援内容 | 「こおりやま連携中枢都市圏」の地域課題の解決やこおりやま広域圏からの事業拡大を図る 起業家やベンチャー企業を対象とした伴走型支援 |
運営開始日 | 2019年 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | 産業観光部産業政策課 |
公式サイト | 地域イノベーションラボこおりやま |
運営者名 | 磐梯町 |
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プロジェクト・サービス名 | デジタル変革戦略室 |
活動・事業概要 | 磐梯町におけるデジタル変革(DX、デジタルトランスフォーメーション)の推進 |
支援内容 | ・行政のDX化支援 ・住民サービス向上 ・町内通信インフラ整備、情報通信端末利用率向上 ・デジタル活用支援員の配置 ・議会のDX支援 ・町内外の個人・企業・団体との共創 など |
運営開始日 | 2019年 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | デジタル変革戦略室 |
公式サイト | デジタル変革戦略室 – 磐梯町ホームページ |
運営者名 | 西会津町 |
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プロジェクト・サービス名 | デジタル戦略 |
活動・事業概要 | 持続可能なまち=サスティナブルタウンに必要とする産業をはじめ、暮らし、 行政などあらゆる分野においてのデジタル変革の推進 |
支援内容 | ・有害鳥獣捕獲における情報集積連携 ・ECサイト(ネットショップ)の運営 ・ノウハウの蓄積とデータを利活用した農業の推進 ・農業と多様な分野の連携 ・森林資源の循環利用促進 ・オープンデータ・GISの活用による情報共有・イノベーションの推進 ・デジタル通貨導入による経済活性化の検討 ・多分野異業種対話による共創事業の誘致・開催 ・企業移転等受入れに向けた西会津町視察事業の展開 ・多拠点居住・ワーケーションの推進 ・オーダーメイドテレワーク環境の整備 ・デジタル変革による観光振興 など |
運営開始日 | 2021年3月5日 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | 企画情報課 広報広聴係 |
公式サイト | 「西会津町デジタル戦略」の策定 – 西会津町公式ホームページ |
運営者名 | 伊達市 |
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プロジェクト・サービス名 | 伊達市DX推進方針 |
活動・事業概要 | 行政のデジタル変革(行政DX)、地域のデジタル変革(地域DX)の推進 |
支援内容 | ・付加価値の高い行政サービ スの提供 ・地元企業、農業者等の生産性向上 ・新たなサービス、産業の創出 ・Society5.0社会に対応した人材育成 ・地域コミュニティの活性化 など |
運営開始日 | 2021年7月 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | 総務課 デジタル推進室 |
公式サイト | 伊達市DX推進方針 福島県伊達市公式ホームページ |
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