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「すべてのものに因果関係があり、世界は見えないところで繋がっている」。

インターネットの普及により人や情報の流動性が増す中、こうした視点がまことしやかに語られます。誰でも膨大な情報にアクセスできる現代では、様々な事象に相関関係と因果関係を見出すことができるからです。最近発見された意外な説には、腸内細菌の量がやメンタルヘルスに影響するというものがありますね。

意外と言えば、マーガリンの消費量と離婚率に相関関係があるのをご存知ですか? アメリカ・メイン州の10年間のマーガリンの消費量と離婚率を見比べてみたところ、両者のあいだに99%の相関関係があることが分かったのです。

Margarine/ Divorce rates

ここまで高い相関関係があると、そこに因果関係を見出したくなりますよね。では実際、マーガリンの消費量と離婚率のあいだに因果関係はあるのでしょうか?

データのマッチングサイト

結論から言ってしまうと、そのふたつの間には相関関係はありますが、因果関係はありません。マーガリンに含まれるトランス脂肪酸を取りすぎると離婚の原因になるのでは? こうした仮説はもっともらしく聞こえますが、科学的な因果関係は認められていないのです。

マーガリンと離婚率の相関関係を発見したのは、ハーバード法科大学で犯罪学を専攻するタイラー・ヴィーゲン氏。彼は高い相関関係を持つデータを掘り起こすコンピューター・プログラムを製作し、見つけたデータを自身のウェブサイトSpurious Correlations
(見せかけの相関関係)に掲載しています。

例えば、

・1人あたりのチーズ消費量と、就寝中にシーツが絡まったせいで死亡する人数
・各年のニコラス・ケイジの出演作の数と、ハーバード・ロー・レビュー誌の女性編集者の人数

一瞬、因果関係を見出そうとしませんでしたか? ちなみに筆者は「チーズには、シーツが絡まって窒息しそうでも目覚めないほど深い眠りを誘う物質が含まれているのだろうか」と大真面目に考えました。

「高い相関関係を見せられると、誰しもにわか科学者になって因果関係の仮説を立てたくなるものです」とヴィーゲン氏は言います。「でもすぐ我に返って、現実的に考えて自分の仮説には何の根拠もないことに気がつくんですよ」。

共通の要因が相関関係を生むことも

ただし、データAとBのあいだに直接の因果関係はなくても、共通の要因がA、Bの相関関係を生み出しているケースはあります。

例えば、「ホルモン補充療法を受ける女性は、冠状動脈性心臓病を患う確率が低い」というデータ。このデータを見て、ホルモン補充療法は心疾患のリスクを下げる効果がある、とまことしやかに語る医師も登場しました。

しかし実際には、ホルモン補充療法は心疾患のリスクをやや押し上げるという実験結果が出たのです。ではなぜ上記のようなデータが出たのでしょうか。

研究者は、ホルモン補充療法を受ける経済的余裕のある女性は、社会的に上位グループに属しており、下位グループよりも健康的な食事や運動の習慣がある割合が高いため、と推測しています。

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