流れとして、栽培規模もどんどん大規模化しているため、ある程度以上の規模になると人が観察して回るのは現実問題として難しくなってきます。実際、100ヘクタールを超える大きさの栽培設備も出てきています。アメリカではすでに大規模化が進められていて、グリーンハウスのトマトの67%は上位4社が生産しています。また人工光による栽培の場合、植物の成長状態に個体差が出ることは望ましくありません。そうなってくると、人が目視確認をするよりも、センサーを使ってデータを集めた方が効率的だと考えられています。
テスラおよびSpaceXのイーロン・マスクがアメリカで宇宙開発を現在行っていますが、それが当初想定されていたよりも早く実用化されそうな見通しとなっています。
ロシアのソユーズとアメリカのNASAは、宇宙空間における葉物の栽培の研究を行っています。一方で、日本のJAXAはいちごやじゃがいもの栽培に着眼しています。イーロン・マスクは火星でじゃがいもを栽培する、というプロジェクトに意欲的なようです。国際宇宙ステーションでは、葉物の栽培の他に実際にいちごを作る、という実験が行われているそうですが、これは狭い空間でいかに生産性を上げるかの究極の例ではないでしょうか。
もちろん、今の段階では、味は重要視されておらず、とにかく食べることができる作物を作ることに焦点が当てられています。実際に人が火星に行くとなれば、たどり着くまでに9ヶ月程度かかるため、宇宙船の中での食糧生産は必須です。実はこの研究は30年以上前から行われていたのですが、イーロン・マスクの影響で、最近またこの分野にも関心が向けられています。
また、この技術は土地の少ない都心部で効率よく野菜を栽培する場合にも応用可能な極めて有益な技術だと言えるでしょう。
光合成を数値で測定してデータ化する、という一見、地に足着いたように見える作業がふたを開けてみるとこの分野はイーロン・マスクの宇宙開発にまで繋がっている、というのが今回の話では垣間見え、非常に興味深い内容でした。データのじかんでも、今後の進展にも注目していきたいところです。
2018年4月7日には、日本農業情報システム協会(JAISA)主催のスマートアグリシンポジウムが愛媛大学で開催されます。今回、話を伺った北川氏もディスカッションのモデレーターとして参加予定となっていますので、PLANT DATAの事業内容に興味を持った方、ITやIoT、ディープラーニングと農業、またはデータ駆動型農業に興味がある方は参加してみてはいかがでしょうか?
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