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宇宙へとつながるアナログ技術:データの力で農業の効率化を目指すベンチャー企業PLANT DATA

         

植物栽培で最も大切なのは光合成です。なので、光合成自体を見える化することも大事ですが、実際植物というものは光と水と二酸化炭素を使って炭素化合物(例えば、ショ糖やデンプンなどといった糖分)を作り出す、という機関なため、植物の果実、例えば、トマトの場合はトマトの実の部分にその作り出された炭素化合物が転流しなくては意味がありません。草勢や樹勢の調査はそのバランスを見るためにもともと世界中で取られていたデータですが、うまく活用されていないのが現状です。この手の農業が最先端だと言われるオランダでも単にデータを記録して終わっていたのです。

このデータをどうやって実用的に使うかというと、例えば、JAに卸している農家の場合、JAの品質標準に沿った作物を作る必要があります。その標準に合わせるための方法がこのデータを見える化することにより非常にわかりやすくなる、というわけです。

農業におけるデータ活用の現状

農業の効率化、という意味では先進国と言われるオランダでもまだまだ伸びしろがある状態だと思います。100点満点で言えば、もしかしたらまだ30点くらい、かも知れないですね。データをうまく活用することによって、例えば、現状5点しか取れていない農家が10点取れるようになるのであれば、それだけでも大きな進歩だと言えるのではないでしょうか。

植物生態計測をなぜやるかというと、植物が育つ過程のどこで問題が起きているのかを突き止めるためです。例えば、最先端の技術を導入しているアジア最大規模の農場では1平米辺り70キロのトマトを採ることができます。これはオランダと比較しても遜色のない収穫量ですが、施設のスペックと気候条件を加味して考えると、計算上は200キロくらいのトマトの栽培がシミュレーションできます。では、70キロと200キロの採れ高の違いがどこにあるかというと、人間の目で見ても認識できない環境ストレスが植物にかかっていることが原因の1つだと考えられます。もし、その環境ストレスを取り除くことができればシミュレーション上の最大収量に近い生産物が収穫できるかもしれません。例えば、その環境ストレスが何か、というのを見極めるためにデータの活用を試みているのです。何かを改善するためには、そもそもの今の状態を理解する必要がありますから。

収穫ロボットが働く無人現場!?

農業現場の自動化は着実に進んでいて、実際にトマトの収穫ロボットは人間の半分の速度で、かつほぼ同様の作業品質でトマトの収穫を行うことができます。つまり、これまで10人で行っていた作業と同じことをロボット20台で賄うことができます。ロボットに投資する資金がある事業主はどんどんロボットを導入し、現場はどんどん無人化していく、と予測されています。それにより農業の属人性は下がり、より安定した農業が実現すると考えられています。3年後には最先端の現場の一部で無人化が始まるだろうと言われています。

 
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