まいどどうも、みなさん、こんにちは。
わたくし世界が誇るハイスペックウサギであり、かのメソポ田宮商事の日本支社長、ウサギ社長であります。今週も世界ではウクライナ情勢の問題やらイスラエル軍によるガザ地区への攻撃が再開されたりだとか、輸入関税を巡る様々な攻防戦が北米や欧州で繰り広げられていますが、ここ日本では10万円の商品券を巡る政治家の攻防戦が夕方のニュースなどではピックアップされていて、そこってそんなに重要なのかどうかについて甚だ疑問に思ったりするわけですが、そんな間にもすっかりあたりは春めいてまいりました。みなさま、いかがおすごしでしょうか?
何かと話題になっているトランプ大統領の言動や一挙手一投足ですが、関税の話の合間に、ビットコイン戦略的準備金の設立を命じる大統領令にトランプ大統領は2025年3月7日に署名しました。つまりこれはアメリカ政府が大量にビットコインを購入するということなのでは?と仮想通貨界隈に属する人らは、これはつまりビットコインがさらに高騰する投機的チャンスなのでは?と浮き足だったり浮き足だってなかったりしたのですが、この準備金は、主に刑事や民事の資産没収手続きで押収されたビットコインを原資とする予定となっており、政府による新規のビットコイン購入は認められていないそうです。しかしながら、アメリカ政府はビットコイン総供給量の5〜25%(約525万BTC)を2025年から2035年の間に取得することを目指すことが提案されていたり、とまだまだ目が離せない状態が続きそうです。
そして、ここ日本列島では、三月の恒例イベントである確定申告が一斉に行われました。正社員として働いておられる方にはあまり関係のないお話かも知れませんが、フリーランスの方々、あるいは経営者の方々にとっては毎年ちょっと頭を悩まさせてしまうイベントであります。このタイミングなので、今週はビットコインをはじめとする仮想通貨と税金のお話、もっというと、にわかには信じがたい税制度が存在していることについてちょっとばかしお話させて頂きたいと思います。はい。
仮想通貨を所有されておられる方もずっとガチホされておられる場合であれば、税金を納める必要は特にありません。税金が発生するのは仮想通貨の売買を行なったタイミングになります。そして、10万円で購入した仮想通貨が15万円で売れた、などの場合、売上金額の15万円から原資である10万円を差し引いた金額の5万円に対して税金がかけられることになります。そして、これは現在の税制度では、「雑収入」という扱いになります。雑収入というのは、給与所得、事業所得、退職所得、利子所得、配当所得、不動産所得、山林所得、譲渡所得、一時所得などの所得の分類のいずれにも該当しない所得、ということになります。競馬や競輪などのギャンブルによって得た収入は一時所得に分類されますが、仮想通貨、または暗号資産の取引によって生じた所得は、雑所得に分類されることが現段階では決められています。雑所得は総合課税となることになっているので、普段の収入である事業所得や給与所得などと合算し、総所得金額を計算した上で所得税額を算出することになっています。そして、所得税の税率は下記の通りとなっております。日本の税制はいわゆる「累進課税制度」となっていますので、所得が高くなればなるほど税率も上がる仕組みになっています。
所得税の税率は最高45%となっていますが、これに10%の住民税も加わりますので、4000万円以上の所得がある場合は実質55%の税金が発生することになります。なかなか高いですが、ここまでは全くもって普通の税金の計算であり、不自然な点は何もないかと思います。仮想通貨の売買を行なったら確定申告をして税金を納める。ただそれだけです。注意しなくてはいけないのが、仮想通貨を別の種類の仮想通貨に交換した場合も売買とみなされる、ということくらいです。
しかし、仮想通貨の税制度が理不尽さを最大限に発揮するのは、仮想通貨の保有人が亡くなり、相続が発生した場合です。その場合、なんと100%を超える税金が発生することがあり得るのです。つまり、相続したが故に相続した金額が全て持っていかれる上に追加で税金を納めなくてはいけない、ということになりかねない、という、まことに持って意味不明なことがあり得てしまうのが、十万円の商品券でここまで大騒ぎすることに象徴されるこの令和の日本の理不尽さなのであります。耳を疑うとはまさにこのことであります。
詳しく説明すると、わたくしがこの原稿をカタカタと書き綴っている2025年3月18日現在のビットコインの価格は12,447,095.23円となっております。ちょっと計算が面倒なので、ここでは、1ビットコイン1250万円として計算してみます。そして、仮に、あくまで仮にですが、2017年くらいに100ビットコインを購入していたとしましょう。2017円当時のビットコインは30万円くらいだったので、購入金額を3000万円とします。そして、この10ビットコインの保有者がお亡くなりになり、その息子さんや娘さんは100ビットコインを相続することになりました。
そうなると、1250万円 x 100ビットコイン = 12億5000万円となるので、この金額をご子息はめでたく相続し、夢の億万長者、いわゆる「億り人」になれることが確定するわけです。しかしながら、これには相続税はかかります。相続財産が6億円を超える場合、相続税の税率は55%となりますので、12億5000万円の55%である6億8750万円は相続税として国に納められることになります。しかし、残りの5億6250万円は手元に残るので、これでも十分一生遊んで暮らせるやったありがとうお父さん、となっても良さそうなのですが、そうは問屋が卸さないのが現実です。
この6億8750万円の相続税を支払うためにビットコインを全て売却した場合、売却金額である12億5000万円は雑収入とみなされ、つまりは課税対象となるため、その45%に当たる5億6250万円は所得税として納める必要があります。これで、6億8750万円は相続税として、5億6250万円は所得税として国に吸収されてしまい、合計12億5000万円はなくなってしまいます。そうなると億り人の夢は打ち砕かれ、手元には何も残らなかった、儚い夢だった、人に夢と書いて儚いだし、まぁ、仕方ないか、となるかも知れませんが、実はこれで終わりではなく、雑収入分の12億5000万円の10%は住民税として徴収されることになるので、12億5000万円の1割である1億2500万円が追加で徴収されることになります。
つまり、12億5000万円分のビットコインを相続することで、13億7500万円の税金が国に納められることになり、億り人になったはずが、納税額13億7500万円、とそっちの方が億り人になりう、下手すると自己破産もありえる、というまことに持って恐ろしい現実がこの日本には存在するのです。いや、恐ろしい。普通に考えてそんなことがあって良いはずはないのですが、仮想通貨という海のものとも山のものともリアルなものともバーチャルなものとも判断しかねる新しいものに対する法整備は、10万円の商品券についてのやりとりで手が塞がっている日本の政治家には極めて難しく、億り人として生きるはずが地獄の底に叩きつけられる、という現代社会の法治国家とは思えない制度が存在しているのです。より詳しく知りたい方は下記の動画も併せて視聴してみてください。
いずれは法整備が行われ、おそらくではありますが、仮想通貨は将来的には株やFXなどと同様に申告分離課税の対象となる可能性が高く、そうなってくると相続税との合計税率が100%を超えるなんていう悲劇は繰り返されなくなるそうですが、それまではビットコインを大量に保有している方はおちおち亡くなることも許されない、という状況になっているのが現実であり、できるだけ早いうちに対策を講じておいた方がベターではないかと思われます。ですので、確定申告フェスが終焉を迎えたばかりの日の本の国のみなさまにこの仮想通貨を巡る相続税のえげつなさについてこの場を借りてご説明させて頂きました。そんなわけで今週はフィクションではない怖すぎる仮想通貨のお話をお届けしました。
そんなわけで、また来週お会いしましょう。ちょびっとラビットのまとめ読みはこちらからどうぞ!それでは、アデュー、エブリワン。
(ウサギ社長)
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