Share!

買い物をすると、ほとんどの場合レジでレシートを渡してもらえます。気づけばお財布の邪魔者となりがちなレシートですが、上手に活用すれば家計のやりくりが楽になり、計画的にお金を使えるようになるはずです。そんなレシート活用と家計管理の関係は、実は経営管理ともよく似ているのです。

なぜ買い物をするとレシートが出てくるのか

気づいたら、財布の中がコンビニやスーパー、飲食店のレシートで一杯になり、お金が見えなくなっていた・・・こんな経験をお持ちの方は、案外たくさんいらっしゃると思います。

そもそもレシートとは何のためにあるのでしょうか。

レシート(receipt)は英語で「領収書」のこと。つまり「私(お店)は、あなた(客)から、何年何月何日の何時に商品の代金として◯◯円を受け取りました」という証明書です。多めに支払った場合は、「△△円預かったので、お釣りとして××円お返しします」という事項も追加されます。


万が一商品に不具合があった場合、レシートがあれば、店側が「確かにその商品を売った」という証明になるので、商品の交換や補填もしてもらえます。普段は気にも留めないレシートですが、実はビジネス上の立派な証憑として大きな存在意義があるのです。

レシートの保存・活用はやりくり上手の第一歩

では、レシートを受け取る私たちにとって、レシートはどんな価値があるのでしょうか。

レシートはお店が品物の代金を「領収した証」なのですから、受け取り側にとっては当然「支払った証」でもあります。財布の中に1万円札があり、それを使って1000円分の買い物をしたら、9000円のお釣りと共にレシートが1枚、財布の中に戻されますよね。それは「私が持っていた1万円札で、代金の1000円を支払いました」という証明です。たまっているレシートを見れば、自分がいつ何にいくらを使ったかが分かります。

『ドラえもん』や『サザエさん』ではレシートを片手に家計簿を付けるシーンが時々登場しています。そう、かつてレシートは、主婦の家計のやりくりに関する日々のログであり、証憑でした。

うっかり放置するとすぐ溜まってしまうレシートをきちんと保管し、手書きで1件ずつ家計簿を付ける作業は、よく考えてみれば相当しっかりした人でないとできません。しかしどんなにしっかり家計を管理しても、悲しいかなのび太くんのママもサザエさんも、毎月の赤字に苦慮しています。

しっかり家計簿をつけても、赤字で泣く――というのはマンガのお約束で、現実は、やはりレシートをもとに家計の内訳を見える化するだけで、無駄な出費や予想外の出金が分かるようになり、翌月の予算の立て方や、ボーナスを見込んだキャッシュフロー計画もどんどん洗練されるはずです。「経営を改善するなら、まずはお金の流れの見える化すること」というのは、実は企業も家庭も同じなのです。

レシートは家計簿アプリの強い味方

特に最近は、スマートフォンでレシートを撮影するだけで自動的に家計簿がつけられる家計簿アプリが人気です。銀行口座と連携して、日々の家計だけでなく現金財産すべてを管理するタイプのアプリや、クレジットカードや電子マネーとも連携してレシートのない買い物の記録も取り込むアプリなど、多数の家計簿アプリが提供されています。

のび太くんのママやサザエさんのように、片手にレシート、片手に算盤(電卓)ではなく、レシートをパシャリと撮れば、そのまま家計簿がつけられる時代です。これなら、帰宅途中に買い物を頼まれたお父さんも、自分のお小遣いを買い物費用の立て替えにせず、レシートをパシャリと撮って「家計費」としてお母さんに請求するのも楽チンです。これもやはり、企業における「立替請求」と似ていますね。

家計簿アプリの中には、購入した品目ごとにどれだけ出費したかが一目でわかる分析機能が付いたものもあります。例えば「酒類」への出費が多ければ、それだけ飲むことが好きな家族がいるわけですが、飲み過ぎると健康にも家計にも深刻な打撃を与えます。「だから酒類は来月控えよう」となりますし、また家計から出す外食費が極端に多ければ、自炊を増やして節制しようという意識が生まれます。レシートから家計の内訳を可視化することで、お金の使い方や生活の見直しにつながるわけです。

もし世界からレシートが消えたなら

ただ、そうはいっても、やはり財布の中に溜まっていくレシートをきちんと保管・撮影することが負担になる方もいるでしょう。

そんな中、最近注目されているのが電子レシートです。電子レシートとは、紙のレシート情報をスマートフォンやメールで受け取ることができる仕組みで、「財布がレシートでふくらむ」という不快感解消に大きく貢献します。電子データでレシートを受け取るため、家計簿アプリとの連携も問題ありません。

レシートを受け取るには専用アプリを必要とするものもあります。それらの専用アプリとこれまで紙で発行していたポイントカードを連携させれば、さらにペーパーレスが進むでしょう。店舗側にとっては顧客ごとの購入履歴がより把握しやすくなり、その結果を適切なキャンペーンやレコメンドに活用できるので、顧客側のメリットにもなります。また紙のレシートがなくなっても、「いつ」「何を買った」という購買履歴がデジタルデータになれば、家計簿アプリへもシームレスにつながるので、より利便性が高まるでしょう。

最近は金融機関でもペーパーレス化が進んでいます。クレジットカードのWeb明細や銀行のWeb通帳などはその一端といえるでしょう。また電子マネーやビットコインなど、お金そのものがデータ化する動きも活発化しています。

こうした中、紙のレシートがいつまでも「紙」として残るとは限りません。顧客にとって、そして企業にとっての利便性を考えると、むしろ紙のレシートはなくなり、デジタルデータ化になっていくことが予想されます。そして紙の情報がデジタルデータになることで、個人の家計簿アプリはもちろん企業システムでのデータ活用もより進んでいくはずです。

ペーパーレス化が進むことで、企業にとっても顧客にとっても、より良い環境が生まれるかもしれません。「もし世界からレシートが消えたなら、企業も個人もデータ活用が進むのでは」という視点で、改めて紙から電子化、そしてデータ活用へと考えてみてはいかがでしょうか。

関連リンク
・【60秒解説】電子レシートが資産価値を持つ時代へ(経済産業省)買物レシートの電子化を通じたデータ利活用に関する実験を行います(経済産業省)

この記事を読んだあなたにおすすめのタグ

この記事を読んだあなたにおすすめのタグ