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2019年9月11日に開催された「UPDATA! データドリブン経営戦略~実践企業が語る、データドリブン経営の手法~」セミナー(共催Sansan株式会社)に、ウイングアーク1st株式会社執行役員 久我温紀が登壇しました。営業、企画部門などでキャリアを積み、現在はデータ主導でマーケティングチームを率いる久我氏が、自身の経験やデータ活用のノウハウを丸裸にお話ししました。

この記事ではその内容について簡単にご紹介します。

データドリブンが注目され始めている

近年、データを活用した経営手法である「データドリブン経営」が注目され、書店に多数のハードカバーが並んでいるのを目にするようになりました。ハーバード・ビジネス・レビューによると、企業がデータを利用する投資対効果は「1000兆円超」に上ると言われ、名実ともにデータドリブンがトレンド入りしているのは間違いありません。莫大な投資対効果の費用となる主な理由は、マーケットでデータが活用できていないことによる莫大な損失が存在していることです。

すでにデータドリブン経営で成功を収めている企業が出現してきており、アマゾン、ウーバー、ウォルマートなどの企業は現在進行形で成長を継続しています。

非データ活用は、コンパスの無い旅路!?

突然ですが、「ドライブをしている場面を想像してみてください」。

あなたは現在位置や速度、ルートが分からない状態で、目的地に時間通りにたどり着けるでしょうか。全く情報なしに、目的に予定通りにたどり着くための計画を立てることは不可能なはずです。データを使わず勘に頼る判断は、コンパスを失った帆船と同じくらい危なっかしいことがイメージできると思います。データが分かる状態であれば、情報(何時に出発して、時速何キロで進んでいて、今はどこにいて、目的地までの距離や道路状況など)から逆算して予定通りに目的地にたどりつけるか分かります。そこにギャップがあれば、対策を講じることも出来ます。

また、日本人同士のコミュニケーションはハイコンテクスト文化と言われ、ハイコンテクスト文化が曖昧な意思決定の過程を引き起こす理由の一つと言われています。ハイコンテクストとは、「共通認識が多いため全てを言語化することなくなんとなくな雰囲気、あるいは空気感で意思疎通を行う」ことであり、部門が目標に到達せず、「やばい」と思っていてもどのくらい足りていないのか不明確で、組織として実態を正確に把握できす意思決定の質やスピードの低下につながります。欧米人は多民族、多宗教、多文化、多言語だるため明確な単語や言葉を使用し、ローコンテクストで会話する文化が形成されており、会話において齟齬が生まれにくくなっています。

ウイングアーク1st株式会社の過去

2012年、ウイングアーク1st株式会社は新規販売の推移が右肩下がりで芳しくない状態でした。その原因は、営業部員の数字認識率の低さです。営業の正確な数字認識率は20%を下回り、予算に対して受注がどのくらい積みあがっていて、見込みとしてパイプラインをどのくらい持っているか把握できず、目標額と大きなギャップが生まれていました。例えば、「予算10000万円、見込9000万円、差額1000万円」と認識していることが、実際は、「予算10500万円、見込8700万円、1800万円」だったりします。しかもこのギャップは営業の人数が増えるにつれ大きくなる傾向にあります。

さらに生産性が悪化しており、集計、分析、報告の作業に7200時間を費やし、数字把握に必要な時間は1週間かかり、社員の生産効率やオペレーション速度が著しく低下していました。

データの利活用で営業部の成績が向上

営業部員が実績をリアルタイムで正確に把握し、目標とのギャップを縮めるべくデータ活用に取り組みました。営業部員が実績を把握できるようパイプラインを可視化することなど、データを中心とした営業で2015年に新規販売がV字回復を遂げ、売上前年比は150%増を実現しました(全部門業績を達成)。

生産性も改善でき、部門平均120%(最も生産性が改善したチームは240%)向上し、施策コストが90%、報告業務が7982時間、会議が1560時間減少し、活動時間が9542時間増加しました。

まとめ

データ利活用で営業組織のパフォーマンスが向上し、得られた効果は以下の通りです。

1. 売上と見込の増加
2. 会議時間やレポート作業時間の減少
3. 組織エンゲージメントの向上
4. 残業時間の減少

営業組織のパフォーマンスが向上している状態とは「売上の増加」「コストの減少」を意味します。あらゆる取り組みもこの成果に繋がなければ意味を成しません。

売上を構成するバリューチェーンを因数分解して、調整・修正していくこと、コスト構造を把握し無駄を排除し、営業組織資源の再配分を行うことで生産性を高めていくことが欠かせません。

このように成果の最大化を目指すにはデータの活用が求められます。有効なデータ活用を行っていきましょう。

(Text by 稲泉大地)

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