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ワークショップの「Pros & Cons(賛否両論)」適切な使い方とその限界とは?

         

企業内研修や異業種交流など、ワークショップは多くのビジネスパーソンにとってなじみ深いものだと思います。

しかし、その一方で、「その場では盛り上がったけれど、それが仕事にどうつながったのかよくわからない」といったネガティブな捉え方があることも事実です。

そこで、このレポートではビジネスにおけるワークショップの適切な使い方とその限界について考察していきます。

ワークショップは役に立つのか

ワークショップを疑問視する声は、その効用がおよぶ範囲と、目的があいまいなまま進められることに起因していると思われます。そこで、先ずワークショップには何ができて、何ができないのか、その効用について整理するところからはじめましょう。

対話と議論

ワークショップの定義としては次のようなものが一般的です。

ワークショップ( workshop)は、学びや創造、問題解決やトレーニングの手法である。参加者が自発的に作業や発言をおこなえる環境が整った場において、ファシリテーターと呼ばれる司会進行役を中心に、参加者全員が体験するものとして運営される(Wikipedia)。

ワークショップ(以下、WS)のキーワードのひとつが「ダイアローグ(dialogue)」です。一般的には「対話」と訳され、これに対比されるのが「ディスカッション(discussion)」つまり「議論」です。日本語では、必ずしも明瞭に区別されませんが、語源に遡ると全く異なった背景を持つ言葉であることがわかります。

Dialogue = dia+logos

Dia = ~を通して、~のあいだにおける

Logos = 言葉

(参照:『仕事に効くオープンダイアローグ』)

Discussion = dis+cus

Dis = 徹底的に

Cuss = 打つ・叩く

(参照:『学習する組織』)

上記の定義にならってdiscussionを直訳すると「徹底的に打つ・徹底的に叩く」という意味になります。「叩打=パーカッション」や「衝撃=コンカッション」と同じ語源を持っており、互いの考えをぶつけ合うことを意味します。交渉(negotiation)も典型的な議論のひとつです。そこには、往々にして勝者と敗者が生まれてきます。

『学習する組織』のなかで、ピーター・M・センゲはこのふたつを次のように定義しています。

●ダイアローグ:複雑で微妙な問題を自由かつ創造的に探究し、互いの話にじっくり「耳を傾け」、自分の考えを保留する。それは、チームのメンバーが、前提を保留して本当の意味で「共に考える」能力である。

●ディスカッション:さまざまな考えを発言したり、弁護したりして、そのときに下さなければならない決定の裏づけとなる最善の考えを追求する。

 

拡散と収斂

 

この「拡散と収斂」のモデルも多くのビジネスパーソンに馴染み深いものでしょう。基本的に、ダイアローグは拡散に適した手法であり、ディスカッションは収斂のための手法です。同じくピーター・M・センゲは次のように述べています。

ダイアローグとディスカッションは、潜在的には補完し合う関係にあるが、ほとんどのチームには、両者の違いを見分け、意識して使い分ける能力が欠けている。

わたしたちの多くは、こうしたことを知識として知りながら、実践の現場ではその役割の違いをはっきり意識しないまま、つまり拡散か収斂かという目的を確定しないまま、何となくビジネスミーティングを始めてしまうことがしばしばではないでしょうか。

WSという手法は、その目的が「拡散」であるという前提が参加者に共有されてこそ効力を持つ手法です。WSの効用がおよぶ範囲はここまでです。「収斂」のためには、別のステージが準備される必要があるのです。

ちなみに、自治体における異なる利害を持つ住民間の合意形成など、収斂のステージにこのWSの手法が使われることがあります。しかしスピードが重視されるビジネスにおける意思決定(Decision Making )にはかなり馴染みにくい手法であることは、直感的に理解していただけるものと思います。

組織におけるワークショップの活用

誰もがファシリテーターに

WSを特徴づけるもうひとつのキーワードが、対話を実現し、WSを円滑に進める役割を担う「ファシリテーター」の存在です。ファシリテーションは、かなり特殊なスキルだという印象を持っている人もいるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。

「養成講座」のようなプログラムがいろいろなところから提供されており、誰でもそうしたプログラムを受ければ身につくものです。なぜなら、それはスキルというよりは、ひとつの“姿勢”だからです。そのポイントは、次の2点に集約できるでしょう。

  • 傾聴――参加者の一人ひとりの発言にていねいに耳を傾ける
  • 中立・公平――どの参加者の発言からも等しい距離を置く。ファシリテーター自身の見方に誘導しない。特定の参加者のみが発言するような状況を回避し、参加者がまんべんなく公平に発言できるような環境をつくる。

これは、誰もが意識をし、心掛れば会得できる姿勢です。筆者がお勧めしたいのは、職場のメンバー全員がこのファシリテーターとしての姿勢を学ぶ機会を設けることです。

心理的安全性

ここ数年、現場のマネジャーを悩ませている言葉に「心理的安全性」があります。いったいどのように運営していけば心理的安全性の高い職場ができあがるのでしょうか。さすがに、いつでもどこでも誰もが好き勝手なことを言ってよい、ということではないはずです……。

そうした戸惑いに対し、WSのファシリテーターの姿勢はひとつ回答を与えてくれるでしょう。もし、マネジャー自身もふくめて、職場の誰もが上記のような「傾聴」「中立・公平」という姿勢の価値を理解し、対話を実践しようと努めるならば、心理的安全性の高い職場が実現する確率はかなり高いでしょう。

戦略と組織

 

緊急

緊急ではない

重要

やる

予定する

重要ではない

任せる

やらない

(図2)

さて、図2のようなマトリクスを「アイゼンハワーマトリクス」といい、非常に単純ですが、経営トップから現場のリーダーまで、マネジメントに携わるビジネスパーソンには必須の課題整理です。

「重要 or重要でない」の区別は非常に微妙かつ大切なところで、その見極めのセンスが最終的な個人と組織のパフォーマンスを決めると言っても過言ではないでしょう。

 

緊急

緊急ではない

重要

戦略

組織

(図3)

そして、マネジメントの役割を振り分けると、重要で緊急なのが「戦略」であり、重要だけれど緊急でないのが「組織」とすることができます。

戦略とは、戦略を立案し、その戦略を速やかに実践し、成果を挙げることです。組織運営上のプライオリティ、ナンバー1であることは言を俟ちません。

組織とは、組織風土を豊かにし、働きがいのある職場をつくり、メンバーの士気を高く保つことです。英語でいえば ”How to Cultivate Corporate Culture” ですね。最近では、「組織開発」という言葉をしばしば耳にするようになりました。戦略を効率的に達成するための土壌づくりといっていいでしょう。両者は、相互補完的です。

ワークショップは役に立つのか

冒頭の「ワークショップは役に立つのか」という問いに立ち返りましょう。ビジネスにおけるWSが有効なのは組織のステージです。ここを混交して、意思決定などの戦略のステージに使うと、WSに対するネガティブな疑問が生まれやすくなります。「拡散と収斂」という枠組みをしっかり意識して、WSの目的を定めることが重要なのです。

WSについて「そんな悠長なことをしている余裕は、うちにはないはずだ」というような発言をするマネジャーには要注意でしょう。そうした人は、そもそも組織に関心がない可能性があります。それは、本来のマネジャーとしての職責を半分手放しているとも言えます。そうした組織が長期的発展を遂げることは、かなり難しいと思われます。

図版・著者:下平博文
事業会社において企業理念(Corporate Philosophy)を活用した組織開発、インターナルコミュニケーション等に携わる。2018年よりフリーランスのライターとして活動。

(TEXT:下平博文 編集:藤冨啓之)

 

参照元

 

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