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戦後、日も浅い1950年に創立された保管業大手の寺田倉庫。最近は、拠点となっている東京・天王洲アイルの活性化にも注力し、画材ラボ「PIGMENT」や、建築模型に特化した「建築倉庫ミュージアム」、アート複合施設「TERRADA ART COMPLEX」など、情報感度の高い人からの評価が高い人気スポットも運営しています。
そんな寺田倉庫ですが、実は「企業のデータ活用」についても、古くから取り組んできたことをご存じでしょうか?
寺田倉庫 ドキュメントソリューション・ストレージグループ 首都圏チーム 飯嶋高志氏によると、「『倉庫・保管業』と『データ活用』、そして天王洲アイルの活性化など『地域文化の発展』という事業には、それぞれ密接な関係があるのです」とのことです。どういうことなのか、お伺いしました!

世界にひとつ、“一点物”の保管に強い寺田倉庫

1950年創業の寺田倉庫は、ワインや美術品、楽器、映像、歴史的に価値がある貴重史料など、世界にひとつしかない“一点物”の保存・保管を得意としています。そのきっかけとなったのは、1955年に導入した空調設備。当時、保管倉庫といえば「冷蔵」か「常温」の2択だった時代に、低温・低湿にコントロールされた環境は、高度成長の時代に精密機器の保管で高い評価を得て、「空調保管のパイオニア」といわれるようになったそうです。これにより、美術品やワインなど、緻密な温度・湿度管理が求められる品物の保管を強みとするようになりました。

ワインの保存に最適な環境が整ったウォークインタイプのワインセラー

現在、首都圏に存在する寺田倉庫の拠点は、大きくBtoB、BtoC事業により分かれています。BtoBの領域では、東京都港区にヘッドオフィスを構え、全国規模で倉庫を運用しています。顧客は主に企業や組織、団体の利用が多く、機密文書と呼ばれる紙の文書や、映画・番組の原盤フィルムなど、貴重な映像類を保管しています。天王洲はBtoC事業が主であり、個人所有の美術品や歴史的価値があるワインや楽器など、さまざまな品物を保管しており、これをきっかけにアートギャラリー運営や美術品の修復事業など、アートを軸とした幅広い文化事業を展開するようになりました。

「モノだけではなく価値をお預かりするのが寺田倉庫の理念。企業が所有するドキュメントやメディアも、ワインや美術品同様、価値のある貴重な財産です」と、飯嶋氏は説明します。

企業の機密文書保管をきっかけに、情報資産管理のトータルソリューションを展開

情報資産管理サービスのラインナップ

そんな寺田倉庫が、企業向けの機密文書保管サービスを展開するようになったのは1970年代です。はじめは、オフィス賃料の高騰により、紙の保管スペースにかけるコストを削減したいというニーズに対応するため、機密文書を空調倉庫で安価に保管するサービスをスタートしました。1990年代には、阪神淡路大震災やテロ事件の影響をうけ、BCP(Business continuity planning:事業継続計画)の観点で倉庫が積極利用されるようになり、そして2000年代に入ると、企業の内部統制やコンプライアンス遵守が課題となり、企業にとって重要な文書を適切に管理するというニーズが生まれるなど、企業の文書を取り巻く状況がどんどん変化してきてきました。近年では、かつてのように単に保管するだけでなく、「どう管理するのか」という体制や方法まで意識しなくてはならなくなりました。

「近年では、働き方改革の一環として、文書管理の見直しに取り組む企業も増えています。テレワークなど、より柔軟な働き方を実現させるために、各企業、紙の記録・紙の業務からの脱却を図っています。」(飯嶋氏)

紙+デジタル文書の保管・管理で「余白」という付加価値を

こうした中、寺田倉庫も紙の文書保管だけでなく、電子データを含めたドキュメントのトータルソリューションを提案するようになりました。飯嶋氏は、「時代の変化とともに、データの量が増えてくる一方で、依然として法律や商習慣からくる紙も大量に発生しており、データと紙それぞれを適切に管理しなければならないという複雑な状況が発生しています。このようなお客様の課題を解決するために、『紙の保管』と『デジタル化』をトータルで提供する必要がある、と考えたのです」と説明します。

「紙の保管自体ももちろん重要ですが、利便性やスピードを考えると、やはりデジタルとの両立が必要になる。こうしたソリューションを提供できるのは、長年文書管理のニーズを見続けてきた寺田倉庫の強みがあると思います」(飯嶋氏)

その強みとは何か。飯嶋氏は「それは、保管・保存業である寺田倉庫と、ドキュメントソリューションサービスが融合することで生まれる『余白』です」と説明します。

後半へ続く

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