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ビジネスにおける属人性とは?その意味や解消方法をわかりやすく解説!

本記事では、ビジネスにおける属人性について、起こる要因やリスク・デメリット、メリットを解説しています。さらに、属人性の解消方法も併せて紹介しているため、業務が属人化して悩んでいる方はぜひ参考にして下さい。

         

「属人化によるリスクって何?」

「属人化を解消する方法はどんなことがある?」

企業での業務において、上記のような悩みを抱えていませんでしょうか。

ビジネスにおける属人性とは、知識やスキル、個人的なノウハウに依存しており、担当者しか作業ができない状態です。

業務が属人化されてしまうと、業務効率の低下を招き、様々なトラブルのきっかけとなってしまうでしょう。そのためにも、解消に向けた取り組みが必要となります。

本記事では、ビジネスにおける属人性を引き起こす原因やメリット・デメリットをわかりやすく解説します。さらに、引き起こす原因やSNSにおける属人性についても解説しているので、属人性に悩みを抱えている方はぜひ参考にしてください。

属人性とはどんな意味?

属人性とはどんな意味?

属人性とは、知識やスキル、個人的なノウハウに依存しており、担当者しか作業ができない状態をいいます。つまり、担当者がいなければ業務を進められない状況となっており、様々なトラブルを引き起こす原因となるでしょう。中でも属人性が高い状態にある業務を、「属人化している」と表現します。

属人化の対義語として、標準化が存在します。標準化とは、特定の人物に業務が依存しておらず、誰でも一定の品質を保って業務ができる状態です。

現在では、標準化に向けた環境整備や仕組みづくりに取り組んでいる企業が多く、注目を集めています。

属人化を引き起こしてしまう3つの要因

属人化を引き起こしてしまう3つの要因

属人化を引き起こす原因は、決して一つではありません。複数の事象が発生して属人化が引き起こされる場合も多くあります。

属人化防止のためにもその要因を知っておく必要があるため、本記事では以下の3つを解説します。

  1. 情報共有に必要な時間の確保ができない
  2. 専門性が高く理解しづらい
  3. 共有のための環境・仕組みが整っていない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.情報共有に必要な時間の確保ができない

一つ目の要因は、情報共有に必要な時間の確保ができないことです。

企業では、業務過多や人手不足により、情報共有に必要な時間が確保できていないケースが多く見られます。情報の共有ができていないと、何も知らない社員は業務を進められず、知識やスキルを持った担当者に任せきりになってしまいます。

さらに、人手が不足していると、情報を共有する相手がそもそも見つからない場合もあるでしょう。そうなると情報共有する意味がなく、属人化をより加速してしまうかもしれません。

また、情報の共有に必要な時間が確保できないと、後継者の育成や継承もできません。後継者がいないと、成果が出ている業務でも、誰も進行できずに止めざるを得なくなってしまいます。これは企業にとってかなりもったいないでしょう。

2.専門性が高く理解しづらい

二つ目の要因は、専門性が高く、理解しづらいことです。

高度な知識やスキルを必要とする業務は、属人化してしまいがちです。高度な知識やスキルが必要な業務は、一般の社員など誰でもできるわけではなく、担当できる人物が限られてしまいます。業務のマニュアルを読むだけではかなりの時間が必要となりますし、そもそも理解できるかどうかも怪しいと思います。

加えて、業務が成功し拡大した場合も、そこで業務レベルを上げてしまうと、さらに担当できる人物が限られてしまい、属人化のサイクルにはまってしまうでしょう。

3.共有のための環境・仕組みが整っていない

三つ目の要因は、共有のための環境・仕組みが整っていないことです。

業務を属人化させないためには、その業務に関する情報をしっかりと共有しておく必要があります。しかし、共有のための環境・仕組みが整っていなければ効率的な共有ができず、余計に業務を増やすことになるでしょう。

この要因には社内の組織も関係しており、企業の評価方法によっては個人で知識を独占したほうが良いと考え、情報を共有せずに属人化が進んでしまう場合もあります。

属人化のリスク・デメリット4選

属人性のリスク・デメリット4選

企業の業務が属人化してしまうと、様々なリスクやデメリットが生じてしまいます。具体的には、以下の4つがリスク・デメリットとして挙げられるでしょう。

  1. 品質の管理ができなくなる
  2. ノウハウやナレッジが企業に残らなくなる
  3. 特定の人物の負担が大きくなる
  4. マネジメントが困難になる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.品質の管理ができなくなる

一つ目のリスク・デメリットは、品質の管理ができなくなることです。

業務が属人化してしまうと、担当者以外が業務内容を把握できず、品質管理が難しくなってしまいます。属人化している業務は担当者が一人で進めています。もちろんその担当者は属人化している業務以外にも仕事があるでしょう。すると、担当者は多くの業務を抱えているため、どうしてもミスに気づきにくくなってしまいます。他の社員は業務内容を把握できていないわけなので、誰もそのミスに気づかず、品質が低下しがちです。

また、担当者以外が業務内容を把握できていない状態が続くと、品質やサービスの質が人によって異なってしまいます。そのため、緊急時のサポートや担当者の業務負担軽減が難しくなってしまうでしょう。

2.ノウハウやナレッジが企業に残らなくなる

二つ目のリスク・デメリットは、ノウハウやナレッジが企業に残らなくなることです。

担当者が離職・退職してしまった場合、そのあとを継ぐ人物がおらず、担当者が培ったノウハウやナレッジが企業に残らなくなってしまいます。別の社員が業務を継ぐとなると、また一から進める必要があります。

つまり、情報が共有されていないと担当者個人に留まってしまい、成功したノウハウやナレッジを参考にできません。そのため、一度良い成績が出せたとしても、担当者がいなくなるとそれを再現できなくなってしまいます。

3.特定の人物の負担が大きくなる

3.特定の人物の負担が大きくなる

三つ目のリスク・デメリットは、特定の人物の負担が大きくなってしまうことです。

業務が属人化している状態だと、担当者しか作業ができません。そのため、どうしても担当者の業務負担が大きくなってしまいます。

緊急時や担当者がミスをした場合でもサポートできる人物がいないため、業務量だけでなく、心理的な負担も大きくなってしまいます。大きな負担がかかってしまうと、作業がスムーズに進まなくなる可能性が大きく、企業にも悪影響が出てしまうでしょう。

4.マネジメントが困難になる

四つ目のリスク・デメリットは、マネジメントが困難になることです。

属人化した業務は担当者以外がその内容を把握できていないため、マネジメントする層が業務状況を確認できません。状況を確認できないとできることがないため、担当者に対するサポートや指導、負担の大きい仕事の軽減が難しくなるでしょう。

また、業務状況が確認できないと、担当者のミスにマネジメント層が気づけなくなります。そうなってしまった場合、ミスがそのまま隠蔽されてしまうケースも多くなっています。

属人化のメリット3選

属人性のメリット3選

では、反対に業務が属人化するメリットはあるのでしょうか。属人化のメリットとして、以下の3つが挙げられます。

  1. 社員のモチベーションがアップする
  2. 顧客や他社員から信頼されやすくなる
  3. 業務効率が向上する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.社員のモチベーションがアップする

メリットの一つ目は、社員のモチベーションアップです。

自身が担当している業務が属人化している状態になると、その業務を任されていると感じるようになります。担当者になると、「業務を一任している」という責任感が芽生え、モチベーションが向上する可能性があります。

しかし、逆に責任感を感じすぎて精神的な負担が大きくなってしまうかもしれません。担当者のみで業務を進めているため、その業務の全責任が担当者一人にあるといっても過言ではありません。

2.顧客や他社員から信頼されやすくなる

メリットの二つ目は、顧客や他社員からの信頼アップです。

担当者は、自身が担当している業務のスペシャリストのため、顧客から厚く信頼してもらえます。また、他社員からは、「担当している分野はこの人に任せておけば大丈夫!」と信頼してもらえるでしょう。

また、特定の社員に顧客を任せれば、担当社員が頻繁に入れ替わらないため、顧客と担当者で深い信頼を築けるようになり、企業としてもメリットが生じます。

3.業務効率が向上する

メリットの三つ目は、業務効率の向上です。

一つ前でも述べたように、担当者は属人化している業務のスペシャリストとなるため、知識・スキルがアップします。そうすると、自然に業務効率も大きく向上するでしょう。

業務に慣れていない社員に仕事を振り分けるよりも、スペシャリスト一人に任せた方が効率よく高い品質で業務を進行できます。つまり、効率よく価値の高いものを生成できます。

属人化を解消するための方法6選

属人化を解消するための方法6選

ここまで属人化について様々な説明をしてきましたが、属人化を解消するにはどういった手段が適しているのでしょうか。具体的な解消方法として、以下の6つが挙げられるでしょう。

  1. 属人化している業務内容・実体を把握する
  2. 業務フローの整理によって業務を可視化する
  3. 業務マニュアルの作成によって業務手順を共有する
  4. ITツールを用いて情報を共有する
  5. 誰でも利用できるシステムを導入する
  6. 業務のスリム化によってPDCAを構築する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.属人化している業務内容・実体を把握する

解消方法の一つ目は、属人化している業務内容・実体の把握です。

現状、どういった業務が属人化されているのかを把握します。これは属人化業務の解消方法として最初に行うべき行為です。業務内容を数値化したデータだけでなく、担当者から直接教えてもらって把握できるとよいでしょう。

また、把握と同時に分析も行い、様々な視点から業務の課題を探す必要があり、今まで担当者目線だけでは見つからなかった課題も洗い出します。

2.業務フローの整理によって業務を可視化する

解消方法の二つ目は、業務フローの整理による業務の可視化です。

属人化している業務は専門的な知識やスキルを持った担当者向けのフローとなっており、複雑なケースがかなり多く見られます。そのため、誰もが業務に取り掛かれるように、業務フローを簡単に整理する必要があるでしょう。

現在業務を担当している担当者から聞き出した業務の流れを可視化し、より最適な作業ができるように改善します。業務フローを可視化して整理し、改善を加えれば誰でも業務構造が簡単に把握できるようになるでしょう。

3.業務マニュアルの作成によって業務手順を共有する

解消方法の三つ目は、業務マニュアルの作成による業務手順の共有です。

業務マニュアルの作成では、作業手順をわかりやすくまとめ、担当者不在の状況でも代わりに誰かが対応できるようにしなければなりません。つまり、業務マニュアルの作成によって、業務の標準化を目指す必要があります。さらに、様々な担当者と意見交換や手順の比較をし、より効率的なマニュアルが作成できると良いでしょう。

作成した業務マニュアルは、共有できる場所に保管しておくべきです。必要な時にいつでもどこでも確認できる共有方式が望ましいでしょう。

4.ITツールを用いて情報を共有する

4.ITツールを用いて情報を共有する

解消方法の四つ目は、ITツールを用いた情報の共有です。

ITツールを利用して、他の社員などのメンバーが成果物や業務の進捗具合をリアルタイムで確認できる環境を作る必要があります。

属人化した業務では、コミュニケーション不足によるミスの発生やサポート不足が課題でした。しかし、他のメンバーに情報を共有しておけば、随時サポートやフィードバックを受け、課題の回避と共に質の向上が図れるでしょう。

5.誰でも使用できるシステムを導入する

システムは導入して終わりではなく、実際に使用してもらい業務の中に定着化させる必要があります。

営業担当者としては、今までにやっていなかったシステムへの入力を追加作業だと感じてしまうかもしれません。特に、導入直後は慣れない入力作業に時間がかかるなど、負担を感じることも多いでしょう。できるだけ営業担当者の負荷を減らすためには、誰にでもわかりやすく使いやすいシステムを導入する必要があります。

具体的にいうと、画面は見やすいか、無駄な入力項目などがないか、スマートフォンなどにも対応しているか、といった点がポイントになってきます。導入後しばらくは、ベンダーによる入力サポートなどがあると、定着化がよりスムーズにいく場合もあるでしょう。また、実際に現場で使ってみることで、使い勝手に対する改善要望なども出てきます。導入して終わりではなく、半年から1年間程度は、システム修正に対応してくれるベンダーであることも、ベンダーを選ぶ際には重要です。

6.業務のスリム化によってPDCAを構築する

現場で使いやすいシステムになり、ある程度データが貯まってきたら、それを業務改善に活用していく準備は整いつつあります。営業に関するデータが一元管理化され、可視化できることで、今まで以上に客観的に営業活動を評価できるようになるでしょう。それらをどうやって業務改善のために活用したらよいかと悩んでいるマネジメント担当者に向けて、業務改善の進め方について説明します。

まずは、業務のスリム化です。今まで営業担当者が行ってきた仕事のなかに、担当者以外でも対応できる業務が含まれていないか、あるいは不要な業務が含まれていないかという視点で精査してみることが大切です。

業務のスリム化が進んだら、次はKPIの設定。営業担当者が行うべき業務についてKPI(目標の達成度合いを測る数値的な指標)を設定しましょう。KPIによって営業活動の進捗状況を定期的に評価、検証、そして予測していくことで、PDCAを回せるようになるでしょう。

SFAによってすべての営業指標がデータ化されることで、費用対効果も分析しやすくなります。特に、投資に対する利益率であるROIは、企業のビジネスの健全さを示す大事な尺度ですので、前年度と比較しながら数値を向上させていきましょう。

インスタやXなどのSNS運用も属人性が高い

インスタやXなどのSNS運用も属人性が高い

ビジネスにおいて、企業のSNS運用も属人性が高い傾向にあります。SNS担当が決まっており、一人でアカウントを運用している企業も多いでしょう。

企業のSNSが属人化していると、担当者の発信力が高まり、その特色を気に入ったファンができやすくなります。しかし、担当者が離れてしまうと投稿スタイルが変化し、顧客が離れてしまったり、炎上したりする可能性があります。一方で、属人性のないSNS運用だと、担当者が不在の場合でも、問題なくアカウントを運用できるでしょう。しかし、投稿の質の差や効率の面では、決して良いとは言えません。

SNSはとても運用が難しく、一人で運用する場合でも複数人で運用する場合でもメリット・デメリットが存在します。それぞれをしっかり確認したうえで自社にはどっちのスタイルが適しているか判断するべきでしょう。

データ分析・活用も属人性が高い

データ分析・活用も属人性が高い

他にも、データ分析や活用も属人性が高い傾向にあります。

ビジネスにおいて、的確にデータ分析や活用するとなると、プログラミングのスキルや高度な思考力など、様々なものが必要となります。簡単に言うと、職人寄りな業務といえるでしょう。そのため、担当できる人材が少なく、育成にも時間がかかるため、どうしても属人性が高くなってしまいます。

そのため、ほかの属人化している業務と同じく、担当者が離れてしまうとデータ分析や活用の精度が落ちてしまい、運用が不安定になってしまいます。例えば、データ分析にはAIを活用するなどの対策が求められるでしょう。

まとめ

まとめ

ビジネスにおける属人性とは、知識やスキル、個人的なノウハウに依存しており、担当者しか作業ができない状態です。

属人性が解消できれば、これまで属人性が高かったノウハウ、スキルなどが蓄積、共有されて業務の効率化がしやすくなり、これらを企業の資産に変えることが可能となります。また、業務が標準化されることで担当の変更といった状況にも対応しやすくなる、というメリットもあります。

ですが、業務が属人化していると、顧客や社員からの信頼アップや、場合によっては業務効率が向上する可能性もあるでしょう。業務が属人化している場合とそうでない場合には、それぞれメリットやデメリットが存在します。

自社の業務の中で属人化させてはならないものはどれか、属人化させるべきなのはどれかをよく考えて仕事を振り分ける必要があるでしょう。

 
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