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PDCAという概念はずいぶんと世の中に浸透したように思いますが、最近ではPDCAとはまた別のメソッドが注目され始めています。それが今回ご紹介する「OODA(ウーダ)」です。

初めて聞く!という方も多いかもしれませんが、この記事では、OODAとはどのようなものなのかについて解説してみたいと思います。また、名作『踊る大捜査線 THE MOVIE』を例にして、PDCAとOODAを比較してみましたので最後までぜひ読んでみてください。

OODAループとは?

OODAループとは、上の図の通り、Observe(観察)、Orient(状況判断、方向づけ)、Decide(意思決定)、Act(行動)の頭文字をとったもので、わかりやすくいうと「みる」「わかる」「きめる」「うごく」という意味になります。

1つずつのフェーズを詳しくみてみましょう。

Observe(観察=みる)


このフェーズでは、まずとにかく相手を観察します。自らの計画に固執するのではなく、相手をよく観察してその出方を伺うことが重要です。 意思決定者自身が観察を行うことで自分以外の外部状況に関する「生のデータ」を収集します。

Orient(状況判断、方向付け=わかる)


生のデータがある程度集まったら、次のフェーズへ進みます。

このフェーズでは、今何が起きているのか、を理解することに集中します。集まったデータが何を意味しているのかについて考え、理解し、状況判断を行います。つまり、Observeのフェーズで収集した生のデータを価値判断に使用できる情報に変換させます。

Decide(意思決定=きめる)


集めた情報をもとに何が起きているのかを理解したら、次は意思決定のフェーズに入ります。このフェーズでは、理解した状況に対してどのような計画を実行していくのかを決定します。

Act(実行=うごく)


そして最後は実行フェーズです。このフェーズでは、「意思決定」段階で決定した計画を実行します。その後、Observe(観察)段階へ戻り、OODAのループをもう一度最初から繰り返します。

OODAの特徴は一度切りの実行で終わるのではなく、調整しながらこのループを何度も素早く繰り返すことにあります。さらに言うと、何度も素早く繰り返すことで相手を圧倒し優位な立場に獲得することを目的とします。

PDCAとOODAの違い

PDCAが「自分の計画」から始まるのに対し、OODAループは「相手の観察」から始まるところが異なります。

例えば競馬で馬券を買うときも、OODAの順に判断しています。馬を見て(観察)、調子のよさそうな馬を見つけ(方向付け)、この馬で行こうと決めて(判断)、馬券を買う(実行)という流れです。

OODAが真価を発揮するのは、このOODAを高速で回すことにあります。PDCAは計画から始まるので準備が必要ですし、現場での臨機応変さに欠けるというデメリットがあります。

対してOODAは現場が起点となっているので、柔軟に対応できます。OODAループを高速で繰り返しながら、都度調整を加えていくことができるようになれば、素早く適切な決断を下す能力が高まり、変化に対して臨機応変な対応が可能になるため、結果、現場の問題解決能力が向上する、という仕掛けになっているのです。

OODAの歴史

OODAを考えたのはジョン・ボイド(John Boyd)という人物。

彼はアメリカ空軍出身で、戦闘機パイロットとして朝鮮戦争に参戦しています。その後、ネリス空軍基地内のエリート養成機関で主任教官に就任。学生との模擬空戦において、どんな不利な状況から開始しても40秒あれば形勢を逆転することができ、6年間、3000時間におよぶ戦闘訓練で無敗を誇り、「40秒ボイド」と呼ばれるようになりました。

空軍時代に「エネルギー機動性理論(E-M理論)」と呼ばれる運動&位置エネルギーに基づいた新しい航空戦のセオリーを提唱しました。この理論はF-15、F-16、F/A-18などのアメリカの戦闘機を生み出した基本理論となっています。

OODAは軍事の研究家であるボイドによって考案されているため、軍事的利用からスタートしています。しかし、のちにボイド以外の研究家によって、ビジネスやスポーツなどでも応用できるのではないかという研究が進みました。そして現在、PDCAに代わるメソッドとして注目されているのです。 

『踊る大捜査線』に見るOODA

織田裕二さん主演のヒットドラマ『踊る大捜査線』。その映画第一作である『踊る大捜査線 THE MOVIE』は、興行収入101億円であり、実写邦画歴代興行収入第3位(2018年現在)となっています。

この映画では、織田さん演じる青島刑事(所轄)と、現場に理解を示しつつも警察上層部の一員として立ち回らなければならない柳葉敏郎さん演じる室井参事官、そして池神刑事局長を中心とする警察上層部の3つの立場の人間が登場します。

警察上層部は事件(副総監誘拐事件)に関し、Plan(特別捜査本部の設置)→Do(捜査の実施)→Check(警察上層部の会議)→Act(捜査本部の立て直し)というPDCAサイクルを回すことで犯人逮捕を目指そうとします。しかしながら、警察のプロファイリングの失敗などによってなかなか犯人を特定することができません(警察OBの犯行ということで、公安も動き出す事態になります)。

しかし、青島刑事たち所轄は、Observe(現場周辺の聞き込み)→Orient(犯人の特定)→Decide(犯人の家へ向かう)→Act(逮捕)というOODAサイクルを回して見事犯人を逮捕します(実際の犯人は未成年でした)。

 

青島刑事の「事件は会議室で起きているんじゃない!現場で起きてるんだ!」というセリフはあまりにも有名ですが、この映画からも、現場でスピーディな意思決定を行うためには、PDCAを回している時間はなく、OODAを回転させる必要があるのです。

OODAは現場向きのメソッド

By Patrick Edwin Moran [GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html) or CC BY 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by/3.0)], from Wikimedia Commons

以上、OODAとは何か? といったところから、名作映画を例にPDCAとOODAの違いを見てきました。ITが発達し、迅速な意思決定が求められる現代においては、PDCAを回すよりもOODAを回したほうが優位に立つことができる、といわれており、最近注目を集めています。

PDCAの限界を感じている方、現場で臨機応変な対応を迫られて困っている方、新しいメソッドを試してみたい方はぜひ活用してみてください!

(参考記事)
 「OODA」って知ってる?PDCAの次に流行るかもしれないビジネスメソッド _ J.Score Style - 人生の選択肢を広げるFinTechメディア 
OODAループ:PDCAでは生き残れない [要約]| I&Company
(参考文献)
 田中靖浩『米軍式 人を動かすマネジメント──「先の見えない戦い」を勝ち抜くD-OODA経営』
 夕撃旅団『ドイツ電撃戦に学ぶ OODAループ「超」入門

(安齋慎平)

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