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毎年恒例のウイングアーク1st主催カンファレンス「ウイングアークフォーラム」。2020年は名称を「updataNOW 20」に刷新し、オンラインイベントとして開催しました。今年は10月12日の前夜祭を皮切りに16日までの会期中、65超のセッションでお送りしました。

ここ数カ月の間で10年分にも匹敵する劇的な環境変化を受け入れ適応することを余儀なくされています。日本社会・産業にパラダイムシフトが起こっている今、ネクストノーマルにおいて求められるデータ活用の在り方、データが社会に及ぼす影響、そしてデータの力で私たちの将来はどのように変わっていくのか。「Data Empowerment」を理念とするウイングアークだからこそ持つ視点を、ウイングアーク1st 執行役員CTOの島澤甲がお伝えしました。

ウイングアーク1st株式会社 執行役員CTO 島澤 甲

データを“流通”させることに価値が生まれる

島澤は、本セッションのイントロダクションとして、コロナ禍に見舞われた2020年を指し「今年は大きな変化に見舞われた年だった」「今後もウイングアーク1stはお客様に及んだ変化を支えると同時に、変化に適したソリューションをきちんとつくっていく使命がある」と切り出し、3つのデータを提示しました。

これらはいずれも、ウイングアーク1stの社内で起こった数値の変化です。もとより取り組んでいた在宅勤務はコロナ禍で全社へ広がり、六本木の東京本社への一極集中は働きたい場所を選べるスタイルへと移行。クラウドサービス利用はユーザー数・ツールの種類とも倍増(2倍×2倍)しました。

さらに島澤は、新たに来るニューノーマルの時代で主役となるべきは「データであり、その基盤となるクラウドである」と述べ、とりわけ「コスト・運用負荷・即時利用開始だけではないクラウドの隠れた大きな特性」として次のように続けます。

「オンプレミスが隣の企業のデータは分からない“個社最適”のソリューションなのに対し、クラウドは“全体最適”のソリューションです。データの物理的距離が近い仕組みの中では企業間のデータのやり取りが行いやすく、この先さらにクラウド化が進展すれば、データに求める価値が変わっていきます。

これまでは経営分析・出展計画・在庫管理・品質管理といった直接的な意思決定に関わる“武器型”データの価値が高いとされていましたが、これからは武器型データも重用される一方、流通させることで意味を持つデータ、コミュニケーションに必要なデータなど“通貨型”データの価値が大きく高まるはずです」(島澤)

人類史の“衣食住”と同様にデータも進化する

島澤は、昨年のWAF2019でも解説された「データの世代と質の変化」のスライドを図示しながら、データ活用の世代変化についても説明を加えました。

「企業のクラウド化が進展していくにあたり、われわれのデータ活用には“3つの世代”がありました。第1世代は経営層による経営管理や経営立案。第2世代は管理層によるSFA・CRM活用。そして現在の第3世代はIoTやRPAの全社(現場)運用。さらにその先では第4世代としてデータ流通・企業間連携が主戦場になると思われます。

データは戦略寄りの単独活用から、利便性寄りのデータ流通へ。この流れはこれから加速していくでしょう。クラウドでなければ、データ流通を十分に実現させるのは難しいです。それを背景に考えれば、スマートフォンが普及したときと同じように、クラウドはこれからドラスティックに成長していくものだと、私は予測しています」(島澤)

島澤はそんな世界をかなえるウイングアーク1stのソリューションとして「SVF」「SPA」「Dr.Sum」「MotionBoard」「DEJIREN」の概略を紹介。各種製品間の連携でデータ流通に対応できる点も強調し、前半パートを次のようにまとめました。

「2020年は“衣食住”を支えるテクノロジーを強く意識した“衣食住コンピューティング”の年だったとも感じています。現代人の衣・食・住は原始的な生活を送っていた時代に比べはるかに豊かになりましたが、これからはそんな衣食住と同様に『データ』も我々の生活に欠かせない要素として飛躍的な進化を遂げるでしょう」(島澤)

ウイングアーク1stのソリューション紹介

後半パートでは「SVF」「SPA」「Dr.Sum」「MotionBoard」「DEJIREN」の各種製品の特性・動向について、製品担当部門がリレー形式で解説していきました。登場順に紹介します。

流通させるデータそのものを担う「SVF」

ウイングアーク1st株式会社 技術統括部 SVF開発部 部長 成田 泰志

「総合帳票基盤ソリューションSVFといえば『見積書・請求書を出力する帳票ツール』というイメージをお持ちではないでしょうか。もちろんそれも間違いではありませんが、我々は同製品をもう少し大きな視点で捉えています。

ウイングアーク1stのSVFは、あらゆる“データ”を帳票として出力する、そんな“究極の出力”実現のため進化してきました。データを埋め込んだPDFをSPA(後述)と連携させればデータを簡単に取り出すことができ、そのデータを利用してさらに別のシステムと接続するなど再利用も可能です。SVFが出力した帳票とSPAと組み合わせればデータ流通基盤を構築できます。

昨年リリースしたVer.10.0からは通常時に必要なSVF設計ファイルを使わず、Excelファイルをそのまま設計ファイルとしてご利用いただけるようになりました。来年リリース予定のVer.10.1では、Wordファイルを直接入力ファイルとしてご利用いただけるようになります」(技術統括部 SVF開発部部長・成田泰志)

データ流通の基盤「SPA」

ウイングアーク1st株式会社 技術統括部 統括部長 名護屋 豊

「2033年の段階で紙文書とデジタル文書の比率は50:50になる、そう私は予測しています。脱ハンコの流れからも注目される電子契約、あるいは2023年10月から導入されるインボイス制度を背景に、企業間文書流通ではこれからデジタル化の動きが加速していくでしょう。

企業間文書流通においては、単に文書をデジタル化するだけでは何のメリットも生まれません。なぜならば、単なるデジタル化だけでは、受け手側にとっての生産性向上が生まれないからです。これらの課題に対しSPAでは、高精度なAI-OCRのデータキャプチャー技術により、紙文書やデジタル文書をデータ化します。これで企業間文書流通の素地が生まれるはずです。

さらにフェデレーション機能により、SPA間(オンプレ版同士、オンプレ版とSPAクラウドのテナント、SPAクラウドのテナント同士)でのセキュアな文書共有も可能になります。SPAのこれからにご期待ください」(技術統括部 統括部長・名護屋豊)

大規模化・高度化への対応「Dr.Sum」

「Dr.Sumは高速集計データベースとして、SQLを利用したリレーショナルモデルの演算に特化し進化してきました。しかしさまざまなデータソースが存在する昨今、多様なアルゴリズムでの分析が求められます。機械学習やAI領域の計算を大量データに対して行いたい。そうしたニーズにも対応できる実行基盤として、Dr.Sumはさらなる進化を遂げていきます。

例えばSARIMAX(時系列分析モデル)を用いた移動人口予測のデモでは、Pythonでの予測が150秒かかるのに対し、Dr.Sumのインメモリエンジンでの処理によりわずか10秒ほどで結果を得られます。

今後リリースされる予定の新バージョンではPythonで記述されたさまざまなスクリプトもDr.Sum上で高速に実行できるようにもなります。これからもお客様に向け、これまで以上の価値を提供していきます」」(技術統括部 Dr.Sum統括部 副部長・橋田哲尚)

データを簡単に美しく「MotionBoard」

「可視化BIダッシュボードMotionBoardはVer.7.0で大きくリニューアルします。機能追加を優先してきたこれまでのMotionBoardを『個性のある商店が機能ごとに建ち並んだ商店街』とするならば、Ver.7.0以降のMotionBoardは『動線までしっかりと意識したショッピングモール』です。

新しいMotionBoardではメニュー構成やボタン配置などを含め、UI/UXを大幅に刷新しました。リニューアルで大切なポイントは、使い勝手の向上でした。

衣食住と同様、データに触れることも基本生活の一部になりつつある中、自然体でいられることがよりよい気付きを得られるコツだと確信しています。Ver.7.0のリリースを楽しみにお待ちください」(髙橋)

データによって動けるように「DEJIREN」

「ビジネスのデータはさまざまなかたちで生まれます。我々はプロダクトやサービスを通して、それらのデータをあらゆる業務における利用価値へと変えてきました。

ウイングアーク1st株式会社 ビジネス戦略室 副室長 大畠 幸男

そして今VUCAとも称されるこの時代、変化が速く、先が見えにくい状態になっています。だからこそ全ての方にとって、データを扱い、そして見える状態にし、変化や行動を起こせる環境の整備が求められていきます。

データの価値が現場において素早い判断や行動につながる。すなわちビジネスのエンドポイントにおける活動豊かな環境をつくり上げることができる。コミュニケーションプラットフォームDEJIRENで、そんな世界を実現したいと考えています」」(ビジネス戦略室 副室長・大畠幸男)

データ活用に集中できる「クラウド技術」

さらには、ここまで紹介されてきたソリューションを下支えする、ウイングアーク1stのクラウド技術の動向についても紹介。

「当社クラウドサービスでは、データの暗号化やアクセス制御などさまざまな取り組みを実施してきましたが、ここ数年はお客様にも安全性を見やすいかたちにするべく、ISO/IEC 27001やFISC安全対策基準にも対応してきました。

今年力を入れているのが、サイバー攻撃対策であるCSIRT構築です。サイバー攻撃の対策としてはデバイス認証も取り入れました。現在はMotionBoardから利用が可能ですが、他製品にも順次対応予定です。

今後はリバースブルートフォースやパスワードシャワーなど、サイバー攻撃の高度化が進む中でさらなる検討を進め、予想外の攻撃にも立ち向かえる機能を強化していきたい。クラウドサービスのセキュリティ評価制度「ISMAP」への対応も計画中です。より分かりやすい安全性の提供に努めてまいります」(Cloud事業部 Cloud技術統括部 統括部長・崎本高広)

最後に島澤は本セッションを総括しました。

「我々はクラウドや製品などを提供するメーカーとして、これからも皆様の力になりたい。ニューノーマルの時代をテクノロジーの力で支え、新しいデータの質を実現していきます」(島澤)

【無料配信中】updataNOW 20 Archive

ウイングアーク1stが毎年開催している国内最大級のビジネスイベント「ウイングアークフォーラム」。今年は「updataNOW 20」と名前を変え、10/12~10/16にオンラインで開催しました。 登録数15,000名以上、セッションの総視聴数は40,000を迎えました。 データ活用とDXを基軸に、ネクストノーマル時代に向けた洞察から、各業界・業種の先進的な成功事例、そして、ビジネスを加速する最新のサービス紹介まで、65を超えるセッションの大部分をアーカイブ配信として公開いたしました。 見逃した方はもちろん、もう一度視聴したい方も是非ご覧ください。

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