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データドリブン(Data Driven)は、経験や勘などではなく、膨大な種類と量を蓄積したビックデータを基に、アルゴリムで得た分析結果で企業の意識決定や課題解決にアプローチする新しい業務プロセスです。
データドリブンのビックデータには、売上データ、宣伝・広告サイトのWeb閲覧データ、顧客データ(個人、企業)や各種基幹システムから生成されるデータ、IoTからのデータ、人工知能や機械学習から得たデータなどを蓄積し続けます。
時系列、相関等のアルゴリズムで分析したデータを読み解くことで、経営状況が正確に捉えられるのはもちろん、未来予測、未開拓領域、課題抽出など、企業が採るべき経営戦略に有用な判断材料も提供してくれます。
データドリブンは、目的遂行に必要な分析結果をデータベースに検索・問い合わせすることでリアルタイムに検索者に提供してくれます。
また経営、企画、開発、生産、流通、販売、営業などの業務で蓄積したビックデータを企業全体が共有できるようになるため、部門間での問い合わせ等を介すことなく、必要な情報を必要なときに入手できるようになります。
このような業務プロセスは、企業にとって致命的ともいえるタイムダウンやサイクルを大幅に削減してくれるので、複雑化を辿っている営業やマーケティングの効率を大幅に高めてくれます。
営業部門は企業経営の中でも最も重要な「売上」の確保を担う業務部門であり、また顧客との接点が多いため、企業の顔として、イメージカラーも背負っています。
昨今のビジネスでは、顧客ニーズ、顧客ターゲット、製品ライフタイムなどが流動かつ急速に変化するため、よりスピーディーで効率的な営業活動が求められています。
従来の営業活動は、取引先や顧客への売り込み、過剰な宣伝や広告を広域に行うアウトバウンドな活動スタイルを採ってきました。
これには当然購買意欲がない企業や顧客への営業活動も強いられてしまい、結果としてカットアンドトライ的な手法に陥ってしまいます。
収益に結びつく案件かどうかは、“やってみなければわからない”といった営業のスタイルに疑問や課題を感じている営業部署、担当者は少なくはないでしょう。
競合他社との競争にリードするためには、マーケティングや開発、生産など営業部門だけでなく、様々な部門の情報を活用し、未開拓領域の発掘、顧客にとって有用な情報の提供、製品の供給量の確保などに取り組まなければなりません。
また顧客訪問を必要最低限にするインサイドセールスも有用で、これを実現するためにもデータドリブンは重要な役割を担っています。
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データドリブンセールスという言葉をご存知でしょうか?
データドリブンセールスとは、営業業務の意志決定や課題解決にデータドリブンを利用する業務プロセスのことを指します。
昨今ではやみくもに顧客との接触を試みるアウトバウンドな営業活動に限界が見え始めていることから、インバウンド型のスタイルに関心を寄せている、あるいは方向転換を試みている企業が増え始めています。
これはIT化が進んだことで購買客が自らのアクションで興味のある製品やサービスの情報を入手し、様々な製品の比較検討ができるようになり、営業を利用する必要性が極端に少なくなってしまったからです。
ただ、データドリブンは優れたデータ収集能力と様々な分析結果をもたらしてくれますが、セールスマンが自身で営業活動に有用な分析結果を求め、かつその判断に従った活動を実践に移すことができなければ、データドリブンが持つ高い潜在能力を発揮することができません。
なぜならば、データドリブンセールスは、顧客や取引先とのコミュニケーションだけでなく、データを活用する術と実践に移す行動力を前提にしているからです。
また営業業務に長年携わった人たちは、商談を減らす、効率化を図るといった取り組みに対する抵抗感が強いため、データドリブンな営業活動の確立に難色や苦戦を強いられているケースも多く、このような企業の文化や風習などもデータドリブンの導入を難しくしてしまっています。
営業活動にデータドリブンを導入することによって得られるメリットは、
・成約成功率が大幅に高まる。
・購買意欲がある顧客にフォーカスできるので、従業員の負担が減る
・開拓されてない販売網が捉えられる
・顧客のニーズが把握できるので、顧客に寄り添った企画や製品、サービスが提案できる
・市場のライフタイム、供給量が予想できる
などが挙げられますが、データドリブンセールスの可能性はまだまだ未知数なので、今後も様々なメリットが登場することが予想されます。
一方デメリットは、
・データドリブンに必要な機器、ツール、インフラ等にコストを投じる必要がある
・データドリブンが活用できる業務プロセスの改善が伴う
・データの取り扱いに強い人材を育成しなければならない
などが挙げられますが、特に人材育成にはこれまで培った営業スタイルからデータを重視するスタイルの変革に躊躇いを持つ人も多く、苦戦を強いられているのが実情です。
データドリブンで成約率や売上を向上させるためには、判断や意思決定の際に利用する分析結果の元となるビックデータを蓄積しなければなりません。
ただ、なんでもかんでもビックデータにして蓄積したからといって営業活動の成果に繋がるとは限らないので、蓄積すべきデータは十分に考察を重ねた上で決めなければなりません。
実はデータドリブンにはこれといったやり方があるわけではなく、重宝すべきデータが予め解っているのであれば、Excelなどを用いたビジネスソフトでも実践は可能です。
このような取り組みはどの企業の営業部門でも試みられてきましたが、データ入力や可視化したグラフや表の作成への負担が大きく、業務多忙を理由に放置、放棄、そして自然消滅に至ってしまっているのが実情です。
営業のデータドリブンでは、BI、MA、SFA、CRMといったツールがあり、これらはデータの入力や分析結果の出力の負担を大幅に減らしてくれ、昨今ではこのようなツールを導入し始めている企業も増えつつあります。
ここでは営業のデータドリブンで蓄積すべきデータとその活用方法について紹介したいと思います。
WEBによる宣伝、広告、メールなどで集約した見込み客(リード)の情報は、顧客層の把握に有用です。アクセス数やクリック数などを把握することで、自社の広告・宣伝の効果と顧客の関心が手に取るように判るようになります。
引き合い、取引の実績がある顧客情報などです。企業・個人情報と取引・購買履歴等を把握しておく事でアプローチのタイミング等が予測できるようになります。
導入目的をデータ化する事で、自社の製品やサービスに対する顧客側のマッチングプロセスが解るようになります。このような情報を分析する事で同業他社や購買層が絞り込めるようになります。
引き合いで商談が成立に至らなかった理由を知ることは、営業だけでなく、企画、開発、生産部門など他部署の課題解決にも繋がります。また特定の顧客で引き合いの数は多いものの、成約に至らないケースは、購買ではなく情報の収集や利害関係が成り立たないような商談だった、ということを抑えておくことができます。
営業活動の多くで悩まされているがこの無駄足活動なのです。
受注や購買に至ったケースのプロセスは、営業活動の成功のモチーフになります。顧客とのメール、議事録等を用いたケーススタイディは、営業担当のスキルと成約率の向上をもたらしてくれます。
データドリブンを企業の営業活動で実践するには、ツール、インフラ、機器など導入だけでなく、企業全体の取り組みとした意識改革が必要です。
またデータドリブンは蓄積したビックデータを用いることが前提のため、信憑性のある分析結果が得られるようになるまでには、ある程度の期間を必要とします。
即ち即効性を期待することは難しく、意識改革は段階を踏んで中長期的に取り組み続ける必要があります。
営業の活動は実は至ってシンプルで、「いつ」、「誰」に、「何」をするといった方程式で成り立っています。
「いつ」とは、製品やサービスの市場投入時期、ライフサイクルの過渡期、季節の移り変わり時期、ボーナス商戦、決算期など、営業活動を実践するタイミングを指します。
「誰」とは、個人単位では、リード(潜在顧客)、リピーターなどで企業単位では、取引先やその同業他社などを指します。
営業活動をする対象によって、収集すべきデータや分析方法も異なってきます。
「何」とは具体的な行動の事で、プレリリース、宣伝・広告、イベントの開催、顧客訪問などを指します。
対象となる顧客、規模にマッチした行動を選択する必要があります。
このようにデータドリブンセールスでは、効果的な営業活動をまず考え、逆算して方程式の解を得るためのデータの収集が極めて重要になります。
データドリブンの一般的な概念、営業活動にデータドリブンが求められる理由、導入の難しさ、メリット、デメリット、そして重視すべきデータと実践について紹介させて頂きましたが、その有用性をご理解いただけたでしょうか?
最後に今回紹介させて頂いた要約をまとめとして、以下に記載させて頂きます。
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