2018年5月9日から5月11日の3日間に渡り、東京ビッグサイトで開催された第7回IoT/M2M展を取材した。
同時開催されている今が旬のAI・業務自動化展ほどの混雑状況ではなかったが、参加者一人一人のIoTへの関心度は高く、あちこちのブースで熱の入った商談が繰り広げられていた。
このイベントには無線通信技術やセンサー、遠隔監視、生産管理に関するアプリケーション、AIを活用したデータ分析など様々なソリューションを有するベンダーが集結する。M2MとはMachine to Machine(機械から機械へ)の省略形で、機器間の通信を意味しており、機械と機械が連動することにより、例えば、工場などあらゆる現場でのエラー検知をリアルタイムで行うことができる。一般的には、常に多数の精密機械を管理する必要性を抱えている製造業と相性が良いと言われており、導入する企業は増加傾向にある。
製造の機械の管理などは、もともと人が行なっていた作業を自動化する種類のIoT事例だが、これまで取得できなかった、または取得することが困難だったデータがIoT技術を活用することで集められるようになる事例も数多く存在する。また、少ない消費電力で、数キロ単位の遠距離通信を実現させるLPWA(Low Power Wide Area)などの通信方式の実用化により、これまで導入するに当たって大きな障害となっていた通信コストを大幅に抑えることも可能となってきている。
ICTブイは、文字通りICT機能が搭載されたブイだ。
NTTドコモによって実用化され、すでに牡蠣や海苔の養殖場などに導入されている。ICTブイには水温センサーおよび塩分濃度センサーが実装されており、溶存酸素(DO)、クロロフィル、濁度などのセンサーを搭載することも可能だ。
計測データは1時間に1度、ドコモの通信ネットワークを通じてクラウドサーバーへと送られ、ユーザーはアプリを使ってスマートフォンからデータを確認することができる。これにより、1時間ごとの水温を記録しておくことが可能となり、以前は取ることが困難だった水温の変化、塩分濃度の変化を細かく把握することができる。また、漁場の状態確認にかかる燃料コストや現場での作業量を削減するというメリットもある。
IoTを活用した農業はスマート農業と呼ばれ、農業とIoTは基本的にとても相性が良いと言われている。
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