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作曲家兼プログラマー 早川大地がAIによる作曲について語る:「人工知能で作曲、ここまで来てた!!」

         

それは「はっきりとしたメロディがない」ことです。

もともとコード進行などはある程度の法則性があるものです。

C調の曲であれば、導入のトニック(C)盛り上がりに繋ぐ、サブドミナント(F)、盛り上がり部分、調性を確立する部分のドミナント(G)、といったように、役割分担がはっきりしています。調性や音の跳躍のさせ方など、これらのことは「楽典」や「コード理論」のような教科書がたくさんあるくらいですから、そもそも調性音楽(普段耳にする音楽はだいたいこれですね)というものは、もともと非常に数学的、論理的で、AI的なアプローチとも相性はバッチリなものだと思います

しかし、これがことAIかという話になってくると、結果を見ても現状自動伴奏機能とどう違うのかというとちょっと疑問符がつくところです。コード、進行等を機械学習+自動伴奏機能という感じでしょうか。そしてこのアプローチが今後どれだけのクリエイティブ性を持ってくれるか、というのは楽しみではありますが、まだ未知数です。

これらのサービスは現状映像のバックや授業での使用といった用途をメインとしているため、そういった用途には十分に実用的と思われます。

しかし、個人的には、自動作曲というからには、やはりメロディを作ってほしい!!!という気持ちでいっぱいです。

tensorflowによるメロディ生成を試してみた

というわけで、今度はもっとメロディに重視した生成ができないかということに話を絞って見ていきましょう。「BGM」から「歌物」的なものに話題が切り替わったと思ってください。次に取り上げるのは、tensorflowというGoogleがオープンソースで提供している機械学習ライブラリ上で動く、magentaというプロジェクトです。

magentaはtensorflowを芸術分野、音楽や絵画などの分野に応用しよう、というプロジェクトで、メロディ生成のような音楽分野以外にも、絵画作成やドローイング認識などのさまざまな芸術分野の開発が行われています。メーリングリストでもエンジニア、芸術家たちの情報交換が日夜なされており、非常に活発なプロジェクトの一つです。昨年公開されて大きな話題になりました、手描き絵認識の「Quick,Draw」などもこの技術を下敷きにしています。

アーティストやエンジニアが人工知能を能動的に学び利用していくのにとても良い入り口でしょう。実際に利用するにはPythonや機械学習の基礎的な知識など、少し技術的なハードルがありますが、そこは今回は割愛し、どんな音楽ができるかみてみましょう。

ここでのアプローチはまず最初に2小節程度のモチーフを与え、その後を作らせるという形になります。では誰もが知ってるモチーフを与えて、それがどう展開するか見てみましょう。

しかしこの場合著作権はどうなるんでしょうね、もし既存楽曲を与えて、作らせた場合・・・・。というのもややこしいので、童謡から引用しましょう。そして学習データは洋楽・邦楽・童謡等取り混ぜたMIDIデータボーカル部分のみ100曲程度を使用します。

今回はモチーフとして「かごめかごめ」をチョイスしてみました。


冒頭の「かーごめかごめ」だけ与えてあります。

 

ライター:早川大地

アプリ・音楽・メディア制作を行う株式会社バイラルワークス代表。

東京大学大学院学際情報学府修士課程。自身も音楽プロデューサー、作曲家としての顔を持つ。アーティスト活動に加え、ドラマ主題歌、ゲームなどヒット作多数。現在は仕事をしながら1〜2カ月ごとに国を移り、十数カ国を渡り歩く「移住生活」を行っている。


しかし、決定的に足りない何かがある。その何かとは!?
実際、どういう使い方ができそう??

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