今はデータ記事しか書いていないAI記者ですが、いつかは人間のように社説やコラムを書くようになるのでしょうか。そうなれば、いよいよ記者は不要になり、AIを開発できる資金力のある通信社や媒体社だけが生き残り、しかもそこにはシステム部門しか残らないことになります。
しかし、答えは「当面は無理」というのが正直なところでしょう。
いまのAIは人間の脳のようにはできていません。また、そのようなAIを開発する方法もわかっていないのが現状です。それは、AIに想像力や発想の飛躍といった「ルールを逸脱する行動」を教える方法がないからです。逆に言うと、それこそが「人間らしい」仕事と言えるのかもしれません。
テクノロジーは常に不可能を可能にする方向へ進化するので、いつかは本当にAIが人間の仕事をすべて代われるようになるのかもしれません。しかし、もともとは人間の助けになるために作られたAIが人間の仕事を奪ってしまうのでは、本末転倒です。
いま、すでにいろいろなところで仕事がAIに取って代わられています。それは、個別の経営的判断で行われているがゆえに、止めることのできない流れとなりつつあります。どこかで線引きをして、AIが人間の仕事を「奪う」のではなく「手伝う」という、本来望んでいた姿に留めるルール作りが必要になるのではないでしょうか。
そうなったとき、私たち人間の仕事は「創造」になるのでしょう。AI時代に備えるために必要なのは、創造性を磨くことなのかもしれません。創造性を磨くとは言い換えると、何が面白いか考えることかもしれません。つまりそれは、これまで美徳とされてきた「まじめであること」を逆光する「ふまじめであること」と真剣に向き合うことかもしれません。
河合隼雄先生も「心の処方箋」という著書の中で、「マジメも休み休み言え」とおっしゃってますしね!
【参考サイト】 来るのか?! 記者の大量失業時代 | NHK News Web オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」 | 週間現代
(塚岡雄太)
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