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前回、会社の中にある「データ」は、私個人の業務や現場の視点からでは「分からないことだらけ」だということが、あらためて分かりました。では、どうしたら社内の「データ」が把握できるようになるのでしょうか?

「データ」のある場所にたどり着けないのは、
だれが? 何を? どうしたい? が分からないからです。

前回、社内の業務や部署ごとにさまざまな「データ」があることを確認しました。そして立場の異なる視点を3つ例に挙げました。

[「データ」を見る3つの視点]

  • あなた視点から見た「データ」……全部は見つけられない。
  • 会社を見渡せる視点から見た「データ」……これで全部? 足りている? が判断できない。
  • “価値”を切り取る視点から見た「データ」……何の役に立つの?

それぞれの視点から見た「データ」に関わる課題も次の3つに分類できます。

  • 課題①…… 特定の業務、部署からは、全部のデータは見つけられない。
          ⇒ 使いづらい
  • 課題②…… 「データ」が充分なのかどうか判断できない。
          ⇒ 使えるか分からない
  • 課題③…… 「データ」からの“価値”の生みだし方が分からない。
          ⇒ 使い方が分からない

  • 課題①:⇒ 使いづらい
  • 課題②:⇒ 使えるか分からない
  • 課題③:⇒ 使い方が分からない

何ができないのか以前のなぜできないのかが、少し見えてきたと思います。では、実際に「データ」がある場所を確認してみましょう。

  • セミナーの参加者の「データ」……Excel
  • 日々の営業活動の「データ」……SFA(営業管理システム)
  • 売上の「データ」……ERP(基幹システム)
  • コールセンターの「データ」……CRM(顧客管理システム)

こうしてあらためて「データ」のある場所を見ると、意外に整理されているように見えますね。「データ」のある場所が分かっているのに、把握できないために「使う」ことに支障がある。なぜでしょう? たとえば、「目的」を持って、何か知りたい場合の「データ」の場所を整理してみましょう。

営業担当「がんばって営業してるけど、今の売上げ状況はどうなってるの?」 ERP
(基幹システム)
   
営業担当「去年のセミナーで売上げに一番つながったのはどの回?」 Excel SFA
(営業支援システム)
SFA
(営業支援システム)
営業担当「最近問い合わせの多い顧客がセミナーに参加していたら挨拶をしておきたいな」 Excel CRM
(顧客管理システム)
 

同じ営業担当者でも「目的」と「何がしたい」かによって、欲しい「データ」のある場所が違うことが分かるでしょう。つまり目的さえ明確なら必要な「データ」までの道順はおのずと見えてきます。

「だれが? 何を? どうしたい? 」が分かれば必要な「データ」にはたどり着けるのです。

しかし、日常業務ではそうなっていないのが実情です。なぜなら、担当者の目的を聞いて「データ」までの道筋をたどって集めてくるのは、ITシステム部の担当者だからです。

3つの課題」解決を棚上げにしてきた
“他人任せ”という「4つ目の課題」

実際の業務では、担当者が何かを知りたい場合、ITシステム部の担当者に「データ」に基づいたレポートの作成を依頼します。下の図のようにレポート作成には、依頼と回答の流れがあります。

依頼する人からは、「データ」そのものは見えません。ITシステム部の担当者に自分の目的を伝え、回答を待ちます。

ITシステム担当者から見ると、さまざまに異なる目的の要件の依頼に対し、該当する「データ」を集めてレポートを作成し、回答します。

その結果、生じるのが……。

「データ」を必要としている人が見たいときに見られない。 しかし、ITシステム部が課題の原因でしょうか?

なぜ「データ」を必要としている人は、ITシステム部にレポート作成を依頼するのでしょうか? 一般的に理由は2つです。

  • 基幹システム等への接続がNGなので「データ」に触れない。
  • 「データ」を扱うには専用ツールの使い方を覚える必要がある。

つまり、課題①の「使いづらい」ことが原因なのです。

さらにITシステム部はそこにどんな「データ」があるかを把握していますが、利用者が「どう扱うのか」を把握できなければ、どこまで「データ」を追えば良いのかが判断できません。

そのため、課題②の「使えるか分からない」が発生し、レポートを受け取った側が「期待と違う」という不十分な結果を生んでしまいます。

そのようなやり取りを重ねても、不十分な「データ」から価値あるレポートは生まれなくなり、課題③「使い方が分からない」が蔓延していくことになります。

目的を把握できないITシステム部担当者は、情報の整理に追われてしまいます。もう一度、「データ」への道順を確認しましょう。

  • 誰が「必要としている?」……「データ」を使いたい人
  • 何を「知りたい?」……使いたい人には、目的や仮説がある
  • どうやって「使いたい?」……何のために使うのか?

「データ」を「使う」のは、レポートの依頼者本人です。しかし、その人がデータの収集・分析・レポート作成を、第三者に依頼していることが4つめの課題を生じさせているのです。

従来、アナログ的な事務処理で、実は誰もが行っていた「データ」の取扱が、業務のIT化により専門部署を介して全社的な「データ」活用に発達しました。しかし、さらなる社会のIT化により、膨大な「データ」の発生加え、あらゆる業務が迅速かつ多様な「データ」の活用が求められるようになりました。

第1回から第3回までで「データ」とは、自分の業務にも無関係でないこと、むしろ自分自身で使う必要があるものだということがイメージできたのでは? そして、次の言葉に同意していただけるのではないでしょうか。

「データ」を必要としている人が見たいときに見られる。
そうすれば、課題は解決できるのです。

次回は、そのために役立つツールとしての「BI」(Business Intelligence)について見ていきます。「BI」と聞いても、それが自分とは無関係なIT用語でないことは、もうお分かりだと思います。

Image via iStock

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