「来週のミーティングの資料作りたいから、データ・ニンジャに連絡して」
いきなり上司からこう言われたら、思わず二度聞きしてしまいますよね。「え、ニンジャに連絡ですか?」
実はこれ、アメリカで流行になりつつある肩書なのです。データ活用が重要視されるにつれて、データに関連する仕事の肩書も変わりつつあります。アメリカで募集されている「データ・ニンジャ」「データ・ラングラー」といった職種の人たちは、いったいどんな仕事を任されるのでしょうか。
データ・ニンジャとは平たく言うとデータ分析の専門家のことで、従来のデータ・アナリストやデータ・サイエンティストに当たります。
こうした従来の職種名は退屈に聞こえ、才能あるIT業界の若手たちを惹きつけにくいという見解から、データ分析担当採用の際に「データ・ニンジャ」「データ・ラングラー」というちょっと変わった肩書を打ち出す起業が増えているというのです。(ラングラーはカウボーイや家畜の世話係の意味で、ジーンズのブランドWranglerの名称の由来です)
ニンジャの発祥元である日本では「何でもニンジャやサムライにすればいいってものでもないし」と陳腐な印象を与えかねませんが、アメリカではニンジャは神秘的で賢く、俊敏な存在の代表格。裏方としてテキパキ仕事をする、ポジティブなイメージなのでしょう。
現代のビジネスにおいては、マーケティング、営業、企画、研究開発、どの分野にとってもデータ活用が欠かせない要素。専門的スキルであらゆるビジネスニーズを満たすことのできるデータ・ニンジャたちの需要はシャープなラインを描く右肩上がりです。
雇用形態は様々で、インハウス(企業社員)のニンジャもいれば、フリーランスのニンジャもいます。ニンジャたちが結集して起業する例もあります。
こうしたニンジャたちのタスクには、個人や企業で多少の違いはありますが、以下のようなものがあります。
・データ分析やそれに基づく戦略の立案
・データの整理や構造化
・データの見える化
・ソフトウェア査定
その名もData Ninjasというデータ分析企業が、具体例としてMicrosoftとの仕事の一例を掲載しています。
オンラインバンキングのアプリに、視覚的に分かりやすいレポートとダッシュボードを埋め込み、利便性を高めたい。持続可能性と他のプロダクトとの相性も考慮してほしい。
まずはデータ分析により、このカスタマーにとってのビジネスの促進材料を特定した。それが判明した後は、POC(概念実証)を行うために技術上必要な事項の特定に取り組んだ。
POCの際には指定のソフトウェアを使用してレポートとダッシュボードを製作し、コアUIの要素とともにアプリに埋め込み、実際の見た目と使用感を具現化した。
この例では、ニンジャたちがデータ分析に止まらず、その後の実際にアプリのプロトタイプまで製作した様子が伺えます。多様なスキルを持つニンジャたちが在籍する企業なのでしょう。
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