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皆さんはドローンと聞いて何を思い浮かべますか?

諜報機関でスパイ的な役割をする飛行物体? トラベル系YouTuberの愛用品?Amazon社がドローンを使って商品を配達する計画や、送電線や鉄塔の点検にドローンを用いる計画も経済産業省と国土交通省が発表しています。

そんなドローンの意外な活用法が登場し、話題となっています。それは「米作り x ドローン」。地上で育つ稲と空飛ぶドローンには一見接点がなさそうですが、どんなきっかけでこの斬新なコンビネーションが生まれたのでしょうか。またその利用者や仕組みとは? 

お米とドローンを通して、新しい農業のビジネスチャンスが見えてきます。

ドローンで可能になる、スマートな有機栽培

効率化を重視する現在の稲作手法では、農薬や化学肥料の一斉散布で水田全体を管理するのが一般的です。

戦前の日本では有機栽培が当たり前でした。広大な面積の水田を雨でも猛暑でも巡回し、区分ごとの発育具合や害虫・伝染病に侵されていないかを確かめて回る。安全性は高くても、現在同じことをしようとすればコストとリスクが大きいでしょう。

ここで現代の篤農家(有機農家)のスマートな相棒となるのが、農業目的に特化されたドローンです。開発したのはドローン・ジャパン株式会社で、2017年に実用化が開始されました。このドローンで水田のデータを収集・分析し、結果を契約者に提供します。おもなサービス内容は以下の通り。

・マルチスペクトルセンサーを搭載したドローンを自動航行させ、生育段階にあわせた画像センシング(センサーを利用した観測)を行う。

・収集されたデータを、日立システムズの提供するクラウド(ドローン運用総合管理サービス)に登録。

・ドローン・ジャパンと東京大学の農学者が協力して開発した解析ソフトを使い、契約した生産者にレポートとして提供。

この分析結果から問題箇所を割り出し、ピンポイントで肥料や虫除けの散布ができます。これなら余計な人手や時間をかけずに問題への迅速な対処が可能です。

ドローンで日本の農業を盛り立てたい

ドローンを農業に活用するアイディアを考えついたのは、ドローン・ジャパン株式会社の代表取締役社長 勝俣喜一郎氏。マイクロソフト社に23年間勤務し、業務執行役員まで務めた勝俣氏が2014年の退職後に選んだのは、ドローン技術を農業に生かし、日本の農業を盛り立てていくという道でした。

2016年10月に行われた、ドローンを活用した農家支援サービス「DJアグリサービス」の発表会にて、勝俣氏は次のように意気込みを語っています。「日本のお米は年間800万トン作られていますが、海外輸出は4000トン。しかし世界市場は2500万トン。市場シェアでは0.04%。これを100倍にはできるんじゃないかと

勝俣氏のこの展望を担うのが、DJアグリサービスが全国各地の篤農家と協働しているドローン米プロジェクト」です。

高級有機米「ドローン米」

「ドローン米プロジェクト」には全国の7箇所(2017年度時点)の篤農家が参加し、マルチスペクトルセンサー搭載ドローンでの水田データ分析によって生産効率や品質を管理し、高級有機米「ドローン米」を生産しています。

このドローン米は、2017年3月より海外向けにパックご飯の形状で販売されています。勝俣氏はパックご飯という形状での販売について、「米をそのまま輸出すると関税が非常に高いが、加工品は別。パックご飯なら炊きたての風味が保たれる」とビジネスアイディアの原点を明かしています。

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