2020年は日本の「フードテック」元年 :「食 × テクノロジー」で得られる効果を解説 | ページ 3 | データで越境者に寄り添うメディア データのじかん
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2020年は日本の「フードテック」元年 :「食 × テクノロジー」で得られる効果を解説

         

Food for Well-being

前述の『フードテック革命』で忘れてはならないものとして強調されていたのが「Food for Well-being(幸福のための食)」という考え方です。

フードテックにより、より便利に食をアップデートした結果、かえって楽しみが失われてしまう可能性は大いに存在します。

例えば米国で「水と混ぜるだけでつくれるホットケーキミックス」を売り出したところ全く売上が伸びず、「卵と水を混ぜるもの」に変更したところ改善されたという逸話があります。これの背景には、自分のつくったものに価値を見出すイケア効果や手抜き料理だと思われるのではないかという懸念があると言われています。

「食」は生きるための営為であるとともに人生の楽しみでもあり、単純に効率化するだけでは本質的な“幸福”につながりません。また、幸福の形には食文化や個人の嗜好ごとに違いがあり、自宅で料理をする理由について調査したところ、日本では「食費を抑えるため」という回答が突出して多かったのに対し、アメリカやイタリアでは「家族とコミュニケーションを取れるため」「料理自体に関心があり、知識を身に着けられるため」といった回答が経済的メリットと並んでたくさん見られたそうです。

テクノロジーを単純に活用するだけでは真の目的は達成されず、目的に立ち返って人間が判断することが重要だというのはフードテック以外の分野にも通じるでしょう。そのための強い味方としてデータを活用していきたいですね。

終わりに

食のあらゆる分野に革命をもたらすフードテックについてご紹介しました。

前述の通り日本は他国にフードテックに関して差をつけられている状況です。しかし、世界に先駆けて高齢社会に突入し課題先進国といわれるこの国においてフードテックのもたらす効果は他国以上のはず。

食へのこだわりが強いといわれる国民性をフードテックに向け、この分野においても先進国の仲間入りを果たしたいですね!

【参考資料】
・『料理王国 2020年12月号 みんなのフードテック』
・田中宏隆 (著), 岡田亜希子 (著), 瀬川明秀 (著), 外村 仁 (監修)『フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義』日経BP、2020
・日清×東大も培養肉で参入!「フードテック」の進化が止まらない┃ニュースイッチ
・2100年の世界人口は112億人、国連予測┃NATIONAL GEOGRAPHIC
・農林水産省フードテック研究会中間とりまとめ┃農林水産省 フードテック研究会参加者一同
 
食のあらゆる場面に現れるフードテックの可能性

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