Share!

デジタルテクノロジーの進化は
タレントマネジメント推進に必須

タレントマネジメントは、米国の風土、文化、労働環境などの社会的背景があればこそできるマネジメント施策という側面があり、当時、日本企業にタレントマネジメントを根付かせるのが難しいと感じたのを覚えています。しかし近年、日本の人事部門でもようやくこの言葉が浸透してきました。明確な方法論が確立されたとは言い難いものの、タレントマネジメントのうねりは着実に起こり始めています。

一方で、タレントマネジメントの考え方がこれまで日本で広まらなかったのには、いくつかの障壁があったからだと考えています。

その一つが、技術的な障壁です。例えば私がパソナで働いていた2000年前後は、「クラウド」などという言葉は、まだ市民権を得ていませんでした。人事にまつわるデータを蓄積することも難しかったですし、パソコンやタブレットなど、端末の進化も十分ではありませんでした。

しかしご存じの通り、デジタル環境は当時とは比較にならないほど進歩しました。また、社会的にも「個人情報を外部に預ける・公開する」という行為に対する心理的障壁が低くなり、企業は人事情報の収集・管理がしやすくなりました。つまり、基礎的条件はそろったと言えます。これらのデジタル環境やテクノロジーの進化・活用、社会的背景により、タレントマネジメントは一気に広まっていくと見ています。

少子高齢化や労働力人口の減少、また企業独自の働き方改革の取り組み推進など、日本企業を取り巻く経営環境は激しく変化しています。これらの人事・人材課題に対して、これまでの採用を中心とした“人材の量”による対処から、評価・育成・配置を通して“人材の質”を高める対処が、これから本質的に求められるようになってきているのです。

そうした日本特有の課題を抱える企業の間で、近年HRTechが急激に注目を集めており、そのためHRTech領域のサービスは、国内だけでも数百存在しています。まさに群雄割拠の“HRTech戦国時代”と言っても過言ではありません。

幾多のHRTechサービス、
乗り越えるべきはHRTech活用の「フェーズ1」

参照:HR Techナビ|HR Techに関する国内外の最新のトレンドをキャッチアップ

このように、課題からのニーズ、それに対応できる技術も追い付き、最新の調査では、数百に及ぶサービスがあると言われるHRTech。今後HRTechを活用し、効果を出すには、企業経営者および人事部門が乗り越えるべき“3つのフェーズ”があると私は考えます。

まず一つ目は「人事情報の一元管理と定型業務効率化」のフェーズです。人事情報といっても従業員の勤怠情報、給与情報、教育情報、さらには適性検査の結果などさまざまです。管理システムや書式も多岐にわたります。そうした状況下では、各種申請手続きやデータ入力・更新作業に追われる人事部門の定型業務は煩雑化を極め、データ活用どころではありません。

事実、日本ではまだ多くの企業が効率的に人事情報を収集・管理しているとは言い難く、「フェーズ1の課題解決の段階に留まっている企業」が大多数を占めている印象です。まずはこのフェーズを乗り越えることが日本企業にとっての課題だと思っています。

さて、人事情報の一元管理ができたら、二つ目のフェーズは「データ活用」です。ここで企業の中長期的な人事・人材課題を検討することが、タレントマネジメントの肝だといえます。そしてさらに先にある三つ目のフェーズが「自動化と予測」です。ここでは一元化された全ての人事・人材情報をAIで分析し、より長期的な人事戦略に打って出られるようになります。

1 2 3

この記事を読んだあなたにおすすめのタグ

この記事を読んだあなたにおすすめのタグ

「テクノロジー」ランキング

人気のカテゴリ